NEVER WANNA LOVE WITHOUT YOU.

 I DON’T WANNA START WITH SOMEONE NEW.

 あんなに誰かを愛せやしない。

 初めて気付いたよ。

 まだ昨日の事のように愛が傍にある。

 僕の傍にある。



WITHOUT YOU



 時々思い出すんだ。

 君の事。

 もう遠い過去だよね。

 君は忘れてしまったんだろうね。




 あの日、確かに感じた互いの体温を。






 四週間と少し前のあの日。
 僕は最大の過ちを犯した。
 それは、償えない過ちだったと気づくには時間がかかり過ぎた。
 
 ちょっとした事だった。
 忙しくって、なかなか二人の時間を取ることが出来なくて僕は苛立っていた。

 そんなある日、君の僕に対する優しさが、凄く辛くって思わず八つ当たりしたっけ…。

 「…薫?…疲れてるみたいだから、私帰るね」

 僕の部屋に来ていた君が僕の言葉に、ふと思ってしまった。



  〜何でそんなに優しいの?〜
  〜何でそこまで僕の事気遣ってくれるの?〜
  〜君は寂しくないの?〜
  〜こんな僕で満足してるの?〜



 「……別れようか…」

 これ以上、君を傷つける事はできないよ。
 だって会えないし、わがままも聞いてあげらない。
 そう思ったら僕が君の彼氏でいることが申し訳なくって。

 それなら、いっそ別れたほうが二人のためかもしれないって。







 荷物をまとめて、部屋を出て行こうとした君を抱き締めたまま言った僕。
 
 そんな君は最後まで僕を気遣ってくれたよね。


 「薫がそうしたいなら…私はそれでいい…」


 その言葉だけをのこして、君は僕の部屋から出て行った。

 そして二度と、僕の部屋には来なくなった。
 僕の部屋に、君の〜存在〜だけを残して…






 あれから四週間と少し。僕は君の知らない僕になってゆく。

 未だに僕の腕には君の体温が熱を帯びて残っているよ。

 そして今更大事な事に気付く。



 君の優しさも。

 君のぬくもりも。

 君自体がこんなに大事だったなんて。



 早く気付くべきだったのに。



 …ごめん…。





 NEVER WANNA LOVE WITHOUT YOU.

 I DON’T WANNA START WITH SOMEONE NEW.

 あんなに誰かを愛せやしない。

 初めて気付いたよ。

 まだ昨日の事のように愛が傍にある。

 僕の傍にある。
END

■あとがきと言う名の言い訳
ちょっくら言い回し変わってると思いますが。とりあえず修正UP。元ネタの唄は…秘密。