第3回 (足の練習)


 @スネを鍛える!

 第1回、第2回は手や腕の練習について書きましたが、今回は足の練習を書いてです。ドラムの基本リズムのパターンはほとんどがスネアとバスドラで作られているわけですから、本当は手と足は同じくらい重要ですが、手に比べると足は練習法が少なく、練習の中でも割りと後回しにされる事が多いと思います。

 まずドラムセットに座り普通の8ビートを叩きます。テンポは150程度です。ここではできるだけ大きな音を出すようにだけ心がけてください。ハットはハーフオープンです。キッチリを右手でハットを8分で叩きます。右足のバスドラムは、2小節ごとにリズムがループするように、踏み分けるようにします。シングルアクション、ダブルアクション、シングルアクション、シンコペーション型の3連の間を抜いたダブルアクションの順が基本です。聞こえてくる音としてはスネアの音と合わせると、ドッタ、ドドタ、ドッタ、ドッドタ、と聞こえる1番基本の2小節ループ型の8ビートです。
 この時に、自分の右足がどういう動きをしてるのか、上から覗いて見て下さい。特に奇数小節の後半のダブルアクション( 音ではドドタッて聞こえる場所。 )がどういう動きをしているを自分の目と右足の感覚をチェックしてみてください。

 右足のカカトは曲の演奏中1度も床やペダルに付けないのが理想的らしいです。それが、キレのあるバスドラの音につながります。ただし、この演奏のためにはある程度のスネの筋力が必要です。第1回の時に手を空中で静止させておく事を書いたのですが、ここでは今度は足の静止についてです。動かす瞬間と止める瞬間をキッチリさせる事は、ドラムではとても大事な事です。タイトな演奏からはタイトな音、ルーズな演奏からはルーズな音が出るものです。



 Aスライド奏法について

 ここではバスドラの“ダブルアクション”の奏法の1つであるスライド奏法についてのコツと練習法について書いていこうと思います。まずその前に、バスドラを踏む事について心がけるべきなのは次の3点です。

 (@)できるだけ大きな音を出す。
 (A)シングルでも、ダブルでも、全て同じ音量になるように踏む。
 (B)バスドラのリズムがもたれないようにする。

 これからの練習は、常にこの3点を考えながらやっていくのが良いです。これがバスドラの演奏の大前提だと思います。
 スライド奏法は1回踏み込んだ右足をすぐもう一度“前”に踏み込んで2回踏む奏法の事です。2度目に前に踏み込むためには1度目はペダルの中央のあたりを踏み、その踏んだ反動で勝手に右足が微妙に浮き上がるような感覚をつかむ事が重要です。更に2度目の踏み込みは真下に足を下ろすと言うよりは、斜め前に踏み込む、またはバスドラを蹴る感覚に近いです。この時、常にカカトはペダルから離しておきます。ビーターの動きが全てツマ先と連動させる事がバスドラのリズムのもたれを解消する事になります。これがスライド奏法の1番の利点です。よく、足が2段階で落ちる奏法と言われたりするのはこれです。


 次に左足のハットに関してですが、ハットを踏むのはリズムのキープとしては基本的には表の4分です。バンド演奏の中で右手でライドを刻む時や、タム回しが基本リズムに入ってるジャングルグルーブと一般的に言われるリズムを叩いてる時は、4分でハイハットを踏んで、リズムキープをするのが理想的らしいです。またJazzでは4分で「かかと、つま先、かかと、つま先...」と踏んで装飾音を狙う事がよくあります。この時はキッチリと踏むのではなく、左足の裏を半円に見立ててハイハットのペダルの上を前後に転がす感覚らしいです。以前Jazzドラムを習っていた時期に「ネバァ〜っと踏め。」と言われた事があります。

 ハイハットは、オープン・クローズを使ったフィルやブレイク以外には特に決まった使い方がないので、リズムキープのために使う場合は自分の好きなように使って構わないと思います。俺の場合は癖で8分でハイハットを踏みながらドラムを叩く事が多いです。ただ、この時でも大体テンポ150くらいまでは8分で踏み、それ以上のテンポの曲の場合は、4分で踏むというような感じです。ただ、基本的なファンクのように4分のグルーブを出さなきゃいけない曲の場合は、テンポが遅くても4分で踏み、典型的なロックンロールのような曲の場合は、テンポが150よりも速くても8分で踏む時もあります。




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