歴史的奇想芸術のコーナー
9811
伊藤若冲の奉納した狂言面
- 江戸時代に、京都の錦市場の八百屋に生まれた画家。非常に新しい感覚で、
- 奇想の画家として有名ですが、野菜の涅槃図ようにユーモアのある絵や、民画のような素朴
- な感じの絵なども描いてます。また伏見深草の黄檗宗の禅寺、石峰寺には若冲の製作した
- 五百羅漢の石仏群があります。
- 上の写真は、彼が壬生狂言で有名な壬生寺に奉納した「僧」という名の狂言面。
- 来年2000年は若冲没後200年なので京都国立博物館で展覧会が開催されるそうです。
- 御所の北側、相国寺の承天閣美術館でも若冲の作品がいくつか見れます。
- 葡萄図は常設で見れる、2000年8月15日までは、釈迦三尊図も見られるようです。
- 伊藤若冲 1716-2/8(旧暦?)〜1800-9/8
- ●承天閣美術館エ075-241-0423
- 990819
- 赤瀬川原平のお伽草紙
- アバンギャルドアーティスト赤瀬川原平の日本お伽月報シリーズ(雑誌の太陽)に物臭太郎が
- のったことがあり、そこには「読者の皆さんお元気ですか。お元気でしたら、ちょいとそこの
- オマンジュウを拾ってください。」とあります。そこではミロ風の物臭太郎になってましたが、
- オリジナルのお伽草紙絵巻の物臭太郎は上図です。物語の筋をご存じの方も多いかと思います
- が、ヒッピーの元祖が日本の昔にすでにいたなんて、おどろきももの木16世紀。
- 話はかわりますが、最近本屋で赤瀬川原平著の中古カメラの本を、見つけました。それで、
- だいぶ昔ですが、たしか少年カメラ読本?という雑誌サイズの本を、思いだしました。赤瀬川
- さんは、そこでカメラの原理や基本をわかりやすく図解入りで書かれてたように思います。
- 赤瀬川原平1937〜
- ●参考雑誌:「太陽」年代不明、11月号
- ●参考図書:赤瀬川原平 書名不明(中古カメラの本)、本屋で探してください。
- ●参考図書:赤瀬川原平 少年カメラ読本? 毎日新聞社?
- ●参考図書:赤瀬川原平「千利休 無言の前衛」岩波文庫104 岩波書店
990908
岡本太郎の著書
- 最近、岡本太郎ブームらしい、それで著書がいくつか復刻されています。「今日の芸術」に
- は文庫本もあります。私は、「日本の伝統」と「日本再発見」の初版を見たことがあります
- が、それには、岡本太郎自身が撮影した写真のページがありました。復刻の本には、それら
- がないようなので残念に思っています。岡本太郎の才能は絵画のみならず、万博の太陽の塔、
- 座ることを拒否する椅子、顔のついたグラス、トランプなど、多方面に展開されています。
- 岡本太郎 1911-2/26魚座〜1996-1/7
- ●参考雑誌:芸術新潮 1996-5月号
- ●参考図書:岡本太郎「今日の芸術」文庫本あり
- ●参考図書:岡本太郎「日本の伝統」光文社
- ●参考図書:岡本太郎「日本再発見」新潮社
20000920
- 山下菊二の型録
- 先日友人がインターネットでデジカメを市価よりだいぶ安く購入したので、私もなにかインタ
- ーネットで買い物したいと思い、インターネットのサーチエンジンで山下菊二とうちこんだら、
- 鎌倉にある神奈川県立近代美術館別館の通信販売のページがでてきて、山下菊二展のカタログ
- がなんと1000円なので、書留で申し込んだら今日届いた。以前から興味があった山下菊二は
- ややマイナーな画家なので、カラーのしっかりしたカタログがあったとはしらず、今回の発見
- はうれしかった。山下菊二は戦争を兵隊として体験し、土着的、超現実主義絵画として知られ
- ているが、彼の絵画はともかくまずとても美しい。直感的にいわせてもらえれば、岡本太郎の
- ような、横尾忠則、つげ義春のようななにか古くて新しい日本的な要素?をもった画家と思う。
- ピカソやゴヤのような感じの作品もあり、ロシアアバンギャルドのようなコラージュ作品も
- おもしろい。
- ●神奈川県立近代美術館のHP
- http://www.planet.pref.kanagawa.jp/city/kinbi.htm
- エ0467-22-5000
9909
- 狩野山雪の天球院の襖絵
- 妙心寺天球院は、普段は非公開の寺ですが、時々特別公開があります。金色に輝く、山雪の
- ふすま絵は、保存状態もよく、豪華で迫力あり、最高です。ふすま絵を展覧会場や収蔵庫で
- 見るのではなく、あるべき部屋で見るのが一番だとおもう。同じ妙心寺の桂春院にも山雪の
- ふすま絵(松に月図)があるのですが、まだ見たことはありません。あとは、ニューヨーク
- のメトロポリタン美術館にもイイのがあるみたいで(老梅図)、一度見たいと思っています。
- 狩野山雪1590〜1651-3/12
- ●参考カタログ:「金碧の花」妙心寺天球院襖絵展 サントリー美術館 1991
- ●参考カタログ: 狩野山雪 仙境への誘い 展 大和文華館 1986
9909
- 白隠慧鶴のほうきの墨絵
- 岡本太郎ちゃんブームと同じように白隠さんの本もブームらしく?全13冊の全集として、
- 禅文化研究所が出版するそうで、現在3冊出版されています。
- 禅文化研究所エ075-811-5189
- 白隠慧鶴1685-12/25(旧暦?)〜1768-12/10 江戸時代
- ●参考図書:高山峻「白隠禅師 夜船閑話(やせんかんな)」大法輪閣
- ●参考図書:鎌田茂雄「白隠 遠羅天釜(おらてがま)」講談社
- ●参考図書:和尚ラジニーシ「座禅和讃」めるくまーる社
9909
- 歌川国芳のだまし絵
- 歌川国芳1797-11/15(1798-1/2)山羊座?〜1861-3/5
- ●参考雑誌:芸術新潮 1992-5月号
9909
- 河鍋暁斉の地獄極楽めぐり図
- 河鍋暁斉1831-4/7(旧暦)〜1889-4/26
- ●参考雑誌:芸術新潮 1998年6月号
- ●参考カタログ:「河鍋暁斉と江戸東京」展 江戸東京博物館 1994
20001016
マイナーな幕末京焼作家
- 京都市教育委員会生涯学習推進課の主催の赤沼多佳学芸部長による、幕末の京焼作家の真葛
- 長造の講座を聞く。真葛長造はほとんどの作品が仁清の写しという、変わった作家だが、
- 仁清の専門家の赤沼先生が、これが仁清の写しか?といった作品もある言ったのが、作品を
- 見てなるほどと思う。青木木米の弟子であっただけあり、ミニチュア的細工の技は陶器の技
- 術的限界をこえていて、幕末ピークの京焼のレベルをみせる。とてもモダンな感覚でもあり、
- このたびこの展覧会によって再評価されたのは当然と思う。すばらしい技術、肉厚の薄い仕
- 上げ、はなやかさ、モダンな中に京の美のエッセンスをこれだけよくわからせてくれる作家
- はなかなかいない。たしかにこれは幕末京都の町衆の高いレベルの美的感性を反映してると
- 思う。息子の宮川香山は横浜にでて明治の外国輸出向け陶磁器の製作をする。
990923
- ゴッホの坊主としての自画像
- 読書の秋かと、辻成史編、美のパースペクティブ(鹿島出版)をパラパラとめくっていたら、
- ゴッホのページがあり読んだ。ゴッホが浮世絵に関心をしめしていたことは有名ですが、日本
- のお坊さんに、自分の理想をかさねていた、とはおどろき。ゴッホは表面的なジャポニズムで
- はなく、精神的なところまで、深く理解していたようです。ゴッホの手紙のなかでのお坊さん
- (ゴッホはボンズとよんでいる)は、禅のお坊さんのように書かれていました。
- 以前京都東山の法然院にカンボジアのテキスタイル展を見に行き、境内に入り、少し高いとこ
- ろにある山門をふりかえったとき、突然、三人の笠をかぶり首からなにかぶらさげた雲水が
- さっそうと、入ってくるのを目撃しました。尼さんでしたが、天使のようにひかり輝いていた
- のを、いまでも思いだします。
- 話はかわりますが、最近、法然院で、「一万年の旅路」の著者ポーラ・アンダーウッドさんの
- 講演会があったそうです。その本はアメリカ先住民イロコイ族のいいつたえの本で、興味深い
- 本らしい。星川淳訳 翔泳社刊 2500円
- ゴッホ 1853-3/30牡羊座〜1890-7/29
- ●参考図書:辻成史編「美のパースペクティブ」鹿島出版
- ●参考図書:アーヴィング・ストーン「炎の生涯」フジ出版社
9909
- タトリンの人力飛行機
- タトリン1885〜1953
9909
- リシツキーの三目のポスター
- リシツキー1890〜1941
- ●参考図書:阿部公正訳「革命と建築」彰国社
9909
- マンレイの釘のついたアイロン
- マンレイ1890-8/27乙女座〜1976-11/18
9909
- 東西奇想芸術家番付表
- というものをつくってみたいと思っています。
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