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曲解説したいと思います。本当はこういうことするとみなさんが聴く時のイメージを限定させてしまうので良くないとは思うのですが、普段音楽聴かない方にもいろいろわかっていただくために。僕も何だかんだ、作った人が自曲について語るの嫌いじゃないし。みなさんに飽きられないために1日1曲のペースで。ちなみにimpact
discのいおりんにもhpにて素晴らしい解説をしてもらっているのでそちらも合わせて読んで下さい。
じゃあ、1曲目の「LITTLE FLY」から。この曲は僕の曲の中で唯一英語の曲。作詞家は18世紀位のイギリスの詩人・画家でウイリアム・ブレイクという人。有名なのは僕の大好きなアメリカの映画監督ジム・ジャームッシュの代表作「デッドマン」で少し触れられている。ジョニー・デップが主人公なんだけど、役名がウイリアム・ブレイク。これは意図的にそうしてあって、この映画のサントラは全編ニール・ヤングなんだけど(しかも彼のギターがグワングワン唸っているだけという逸品)そのCDの中でデップがウイリアム・ブレイクの詩を朗読しています。いおりんによる解説には僕がこの詩を気に入って曲を付けたとなっていますが、実は僕の奥さんからこの曲に歌をつけてほしいというリクエストがあったのです。ごめんねいおりん、俺多分なんか適当な情報をいおりんに流したかも。でもいおりんの解説のほうが僕がかっこよく映るのでまあいいか、うははは。てなわけで、これは僕の曲の中では珍しく詩先。だから曲の構成や雰囲気も他の曲とは違う。バンド用にデモもつくり、メンバーにも渡していたが曲の尺があまりに短くて、バンドではどうかなと思い、ギャラローのはっしとのアコースティックユニットであるふたりギャラローのレパートリーとしてやっていた。はっしのギターが異様にかっこいい。こんなテイストを出せるギタリストはそうはいない。しかもはっしはライブでやるごとに違うフレーズを弾くのでそのたびに僕の歌の熱も変わってくる。それこそがライブだしロックだと僕は思っている。んで何でギャラローでやり始めたかと言うとギャラローのベースである重藤さんがこの曲を気に入ってくれていたから。僕は重藤さんを自分の曲の良し悪しのバロメーターとしてとても信頼しているのでよっしゃと思い、バンド用にアレンジや曲の構成を変えて、デモテープ作り直して演奏するようになった。だからこのアルバムのふたりギャラローバージョンと現在フットンで演奏するバージョンは違うのでそれもお楽しみ下さい。手前味噌でなんだが僕はこの曲をとても気に入っている。この曲だったらどこにやっても恥ずかしくない。ニール・ヤングやカサンドラ・ウイルソン、はたまたヴァン・モリソンにカバーしてほしいくらいだ。でも悲しいかな僕はこの歌をまだ歌いこなせていない。このアルバムでも僕の歌のピッチは怪しい。いつかヴァン・モリソンみたくソウルたっぷりにかつニール・ヤングみたく泣きべそ感が出る感じで唄ってみたい。今はまだけつが青いです。許して下さい。ライブではニール・ヤング気取りで下手くそなブルースハープを吹いています。
世界の果てまでさ 君を連れて行こうか 何が見えるんだ その穴を覗いていた 世界の果てまでさ 君を連れて行こうか 歪みかけたんだ もう 泣きそうになってんだ 世界の果てまでは 誰も来れはしないさ 唾飛ぶ話よりも 空を見よう words & music by 大久保欽哉 |
2曲目「世界の果て」結構古い曲。5年位前に作ったと思う。これは、最初からドーンってサビから始まる曲にするという考えのもとつくった。んで、コードが、というかベースの音が半音ずつ下がっていくという王道名曲コード進行を使うというのも最初から決めていて、メロディだけいろいろ組替えたりした覚えがある。ちなみにこのコード進行は例えば山下達郎の「クリスマスイヴ」とかチューリップの「心の旅」とか電気グルーヴの「NO」とかもうとにかくいろんな人が使っている、ブルースの3コードと同じ位スタンダードなコード進行。いろいろと考えたメロディだがどうなんだろう? 当時僕はメロディがことごとく裏にいきがちで、この位のテンポだと唄いにくい。そう気がついた僕は、最近は裏にいかないように気をつけている。そのほうが楽なんだよね、はは。この曲を作っている頃位から、それまで洋楽しか聴いていなかった僕が、日本語のロックをものすごく聴き始めて、しかもかっこいいバンドがたくさんいることに衝撃を受けていた。だからか、この曲はすごくジャパロックっぽい曲だなと思っている。本当は、モット・ザ・フープルの「ALL THE YOUNG DUDES」とか、オアシスの「DON'T LOOK BACK IN ANGER」のような壮大アンセム系のイメージでつくったつもりが、奥田民生+コレクターズ+エレファントカシマシ÷10みたいな感じになってしまった。や、それでも充分なんだけど。Aメロのダダッてなる演奏は元々なかったが、ある日ライブを見た人が「曲がどれも似ている」というご指摘を受け、何か考えなきゃと思いあのようなアレンジにした。で、それ言ったのは現在フットンでギターを弾いているユウジ・ザ・ストイック。恐らく本人は言ったことを忘れていると思うが、僕は案外根に持つタイプなので覚えている、ふははは。この曲は、歌詞が僕にしては珍しく頑張れ系。どうしてこういう詩にしたかはあまり覚えていない。が、当時いろいろ悩んでいたので、自分に向けてつくったんじゃないかな、みたいなきれい事言ってもいいですか? 後、ミッシェル・ガン・エレファントに同名の曲があって、それを僕なりの解釈で書いた、とも言える。で、僕の記憶が正しければギャラローのベースの重藤さんが割と気にいってくれていたと思う。皆様にも割と好評で1番最初のライブから演奏し続けている曲のひとつ。すごくシンプルだし、演奏していても楽しいしドラムのキック貝田はたたきながらサビの部分を合唱しているし、みんなで歌詞を覚えて唄いましょう!!
ひのき坂でうなづいて 僕のすばらしい日々の全ては ひのき坂でうなづいて 月の夜に 嘘が好きなんで 君を騙すが 強い羽で飛んで みんな乗せていって ひのき坂でうなづいて 月の夜に 曲り角で待ち伏せて 誰もいない words & music by 大久保欽哉 |
3曲目は「ひのき坂でうなづいて」このアルバムの中で一番古い曲。僕は以前フラメンゴ・ギャラローを立ち上げる前に現microhoopの児玉さんが率いていたオーギュストというバンドに在籍していたが、その時すでにあった曲。僕のいた時のオーギュストは児玉さんと2人でヴォーカルをしていて(そう、まるでビートルズのように)児玉さんの曲と対照的にしようと考え、思いっきりポップな曲を意識的につくってああなった。児玉さんという人は、未だオリジナルの楽曲なんてたいして作ったことのなかった僕の稚拙な曲をいっさいダメだしせず、採用してくれた。それをきっかけに僕はオリジナルを作る楽しさ、演奏する楽しさみんなに聴かせる楽しさを覚えた。児玉さんには本当に感謝している。この曲はサビの「ひのき坂でうなづいて〜」が最初にあってそうすると必然的に僕の苦手な愛の唄になる。この歌詞は、僕の数少ない恋愛体験が元になっていてなんだかどんくさい詩だなぁ、とか思っている。前述したように、ポップにしようしようとつくったのでやたら展開が多い。数えてみたら、5個ある。しかしそれでもこの曲があまり押し付けがましくならないのは(なってるかもしれないけど)Bメロがなく、Aメロからいきなりサビにいくからではないか、と思っている。本当は、トッド・ラングレンみたいな曲をイメージして作ったのに、すんごく歌謡曲チックになってしまった。確かに、トッド・ラングレンの曲はポップだけど、あんなに展開はなく、案外シンプルな構成の曲が多い。前に僕は洋楽ばっかり聴いてきたって書いたけど、その前、いわゆる少年時代はみんなと同じように歌謡曲にどっぷりひたっていたので、曲にはAメロ、Bメロ、サビ、ブリッジがあって、更に大サビみたいな固定観念が知らず知らずどこかにあって、貧乏性みたいに今でもそこを基本として曲つくっていたりする。僕は「ひのき坂でうなづいて」みたいな曲はつくるの案外得意でこういうのばっかり作れと言われればいくらでも作れる。が、それはいやなので作らない。たまにつくるからいいでないの? ただ、僕の作ってきた曲の中では恐らく1番人気があるような気がする。だから未だにフットンとしてもレパートリーにいれている。これからも、演奏するんだろうな。みんなに飽きたって言われるまでは…。
庭に咲いた花
words & music by 大久保欽哉 |
4曲目は「庭に咲いた花」。この曲はこのアルバムに収録されている。曲の中では、比較的新しいと思う。これは、シンプルな良い歌をつくろう、を目指して作った曲。ひのき坂〜の解説であの曲がやたら展開があるとか何とか書いたけど、この曲は逆にサビもない。あのサビっぽいところはBメロと僕は位置付けている。それとこの曲はキーをFでつくろうという、まあこんな話はどうでもいいが、そういう考えがあった。僕の曲でFキーの曲は他にはなくて、キーを変えただけでも、曲の組み立て方が変わって、そこがおもしろかった。だからか、歌メロが低くて若干唄いにくい。で、珍しくこの曲はデモテープを作る前にウオークマンに弾き語りで録音したりしている。そんなことは滅多にやらないのでどうしたのだろう。でも、こういうさらっとした曲はふいに口ずさみたくなるから、そういう理由か? 僕は割とどの曲も最初から最後まで自己確認が取れていて、あまり客観的に見れないのだがこの曲は、ポンとどこからか出てきたような他人の曲のような気がする。それ位あまり推敲なしでさらっと作った曲。これはフラメンゴ・ギャラロー用に作ったんだけど、1回しかライブでは披露していない。元々あまりバンド向きの曲ではないかもしれない。歌詞に関しては、ちょっと切ない系。珍しい。これもまあ割と実際の体験に基づいている。1リスナーとしては、僕は斎藤和義さんとかTHE
BOOMの宮沢さんの歌詞とかとても好きで何だろ、女々しい感じ? ああいう男性に憧れる。で、そういった歌詞を目指して作った。あとはマイク真木の「バラが咲いた」あれを意識した。それをいおりんに説明したら「そのまんまじゃん!」といわれた、ぐははは。レコーディングでは、はっしとのふたりギャラローで演奏しているんだけど、突発的にこの曲を録音することになった、何故だったかは覚えていない。久しぶりに演奏したので、この曲は何テイクもやり直した。苦労した。途中指が疲れてビール飲んで休憩したのを覚えている。この曲もメロディがやたら裏に入る。とっても唄いづらい。でも案外こういう曲は後をひく良さがあるのではと思っている。今後やるかどうかは未定。
蛇の目の傘で僕は行くよ カラスが僕を裂いて 蛇の目の傘で僕は行くよ 嵐が僕を裂いて 祝福のサイダー ビンの欠片 雷僕を裂いて 祝福のサイダー ビンの欠片 海賊のライター 愛の証 words & music by 大久保欽哉 |
最後は「蛇の目アンブレラ」。この曲がフラメンゴ・ギャラローの代表曲みたいになっている気がする。確かに、ライブのセットリストから一度も外されていない。例えば、アンコールに「JOHNNY B GOODやっとく?」みたいなそんなノリだ。例えがイマイチだった。この曲はリフものをやりたい、でも僕はあまりギターが弾けないから、簡単なやつ、簡単すぎて元ネタもわからないみたいなそんな感じにしたかった。で、そんな感じになったな、と思っている。サビはビートルズのとある曲にそっくり。この曲で僕が気に入ってるのは途中、フラメンコ風になるところ。あの手のコード感は児玉さんからいただいたもの。僕の脳みそにはああいう開放コードのの使い方はそれまでなかった。でも超簡単。世の中の中学生にKISSをコピーするが如くコピーしてほしい。耳コピ余裕でできる。最近のバンドはみんなコピーするの大変だからな。ZAZEN BOYSなんてどうすんの? この曲はすごくスルッと出来た覚えがある。で、メンバーに渡すデモテープも出来が良くて1人で家で盛り上がったりした。いや、今聴くとひどいもんなんだけど。アルバムでのメンバーの演奏もさすがにこなれていてばっちりでしょ。適度な荒さもあるし。ハッシのギターソロは雄たけびをあげている。だから、もしコピーするとして、このギターの雰囲気はなかなか出せないだろうな。歌詞はもう支離滅裂。自分でも何だかわからない。impact discのいおりんによる解説でもあるように最初に「ジャーッ!!」って言いたかった。大きな口を開けたかった。でジャーッつったらもう蛇の目しかないでしょ。まあそこまではいいけど、鮫肌のワニとかいないから! でも、すごく盛り上がりながら歌詞を書いた。だが、おかげでなかなか歌詞が覚えられなかった。脈絡がなさすぎる。今でも間違える。僕は間違えるけどみなさんは覚えて一緒に唄って下さい。特にサビ部分は符割りも長いのでオアシスのライブで客が一緒になって歌うみたいに出来そうでしょ?