C.オルフ「カルミナブラーナ」のおすすめCDです。
実際に歌うときに大変お世話になりました



別に、”これらがベストだ”というわけでありません。(^^ゞ
たまたま、私が聴いた中で、レッスンをつけていただき、大助かりしたCDの方たちでございます。

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ネコ禪ハウス
西洋館






オルフ:カルミナ・ブラーナ

 オイゲン・ヨッフム指揮 
 ベルリン・ドイツ・オペラ管弦楽団・合唱団
 シェーネベルク少年合唱団
 グランドゥラ・ヤノヴィッツ (ソプラノ)
 ゲハルト・シュトルツェ (テノール)
 ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ
(バリトン)





”神憑りの名演”

カルミナを歌うとになって、最初に買ったのが、このCDである。
なんか、これは凄いのではなかろうかと直観的に思ったからなのだが、本当にそうだった。
作曲者公認の演奏らしい。

あちこちで、奇跡のようなことが起きていると思う。
衝撃的な音があちこちで、聴かれる。

まず、ソリストが素晴らしい。

フィッシャー=ディースカウのバリトン離れしたバリトン。
何しろ、この曲では、第16曲でテノールにとってさえ大変な高音であるA(上のラ)が出てくるので、
そもそも、バリトンじゃないだろう、という感じなのだが、それを、楽々、自然に歌い切っている。
"ガンバって出しました"という匂いが全くなく、見事な表現になっている。スゴイ。
ちなみに、Aいう音はは、ベートーヴェンの第九では、合唱のテノール最高音である。(~_~;)
もちろん、そこだけがすごいのではなく、全体の表現も本当にお見事です。

それから、シュトルツェのテノール。
これも、テノールというよりカウンターテノールかアルトというべき、
超高音の第12曲だけの出番なのだが、これがまたとんでもなくスゴイ。
ただ、声を出すだけでも大変なのに、完全に自分の表現になっているのである。
たとえば、他の演奏と比べて、目隠しで聴かされても、この人だけは区別がつくと思う。
それくらい、ユニークで見事なのだ。

それから、ヤノヴィッツのソプラノ。
私はこの人の第23曲の歌い方が好きだ。
ここは、声が割れるくらいまで、ギリギリに歌うのが正解だと思うのだが、
それを見事にやってくれているのだ。
これは人間の女性の極限を表現すべきところだと思う。

合唱は、力強い上に表現にメリハリが利いていて、素晴らしい。
ギリギリを攻めている感じが、とてもスゴイ。

第1曲はもちろんだが、
第9曲や第10曲の激しい表現が印象的だ。
第13曲ラストのHa ha!の響きは尋常じゃないし、
第14曲のメリハリとギリギリ感。
第20曲のna-za-zaは不気味な笑い声のようだ。
第22曲の力強さ。
そして、
第24曲から終曲への展開。

その第24曲のコーラスに先立って鳴らされるグロッケンの響きが、なんとも空虚で恐ろしい。
また、少年合唱の音色と表現がこんなに悪戯っぽい演奏は他に聴いたことがない。
ほとんど、不気味なほどである。

この演奏は、本当に見事にこの曲の意図を汲んでいると思う。
ヨッフムのこの曲に対する理解の深さが、これらの表現を生んだのだろう。
そして、作曲者のオルフがこの演奏に太鼓判を押しているということは、
やはり、この曲は素朴な成り立ちの曲ではないのだ。


この演奏と一緒に歌うと、その表現の激しさが伝わってくる。
本当に上手いのに、ギリギリまで力を出し切っていて、全然、余裕がない。
それに巻き込まれる感じで、喉を痛めそうになる。

レッスンに使うときは気をつけましょう。(~_~;)






 ジェイムズ・レヴァイン指揮
 シカゴ交響楽団
 シカゴ交響合唱団
グレン・エリン児童合唱団
 ジューン・アンダーソン (ソプラノ)
 フィリップ・ クリーチ (テノール)
 ベルント・ヴァイクル (バリトン)
1984年4月 シカゴ





”パワーが沸いてくるカルミナ”

これは、とにかく力強い。
レヴァインとシカゴ響という最強コンビなので当然といえば当然だが、とっても、パワフル。
ヨッフム指揮の、満開に咲ききったような、炸裂する演奏と比べると少し地味に感じるかもしれないが、
オケ部分の響きが豊かなのはもちろん、合唱も本当にパワフルだと思う。
それは、一緒に歌うとよく分かる。
というより、正直、私も一緒に歌ってみるまではそれほど合唱に力があるとは、気がつかなかった。

特に第24曲では大変お世話になりましたという感じである。
意外かもしれないが、この美しい曲は歌い切るのに大変な体力がいるだ。
「いきなり、サビが3回繰り返されて、大サビがきたあと、ホントのサビが来る」みたいな...
ほとんど全編盛り上がりだらけの曲なのである。

この過剰な盛り上げはもちろん、終曲で突き落とすための伏線で、
ほとんど、へとへとになるまで、コーラスを扱き使おうという作曲者の”意地悪”が見え隠れするだが、
しかし、本当にきれいな曲なので、それが妙に快感だったりして...(^_^;)

というわけで、この第24曲を歌い切るために必要な、尋常ならざる歌唱的体力を鍛えるのに、
この演奏は打って付けなのである。
歌っているとお腹の底からパワーが沸いて来て、自分の声が伸びるようになるのが分かる。
これぞ、”レヴァインの丹力!!”という感じである。

これから、カルミナを歌おうという人には必携の一枚だと思う。!(^^)!


それから、第23曲のソプラノソロは本当にスゴイと思う。
先ほどのヨッフム盤と比べると、全く対照的に、本当に楽々、堂々と、
しかも、きれいに歌い切っていて、上手すぎるというほど上手い。

その豊か過ぎるところに、妙に即物的な空虚感が漂っていたりして、
不思議にも、”お国柄”を反映した名表現になっているようにも思える。
ああ、こういうのもアリなんだと妙に感心したりして...(^^ゞ




オルフ:カルミナ・ブラーナ

ズービン・メータ指揮
ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団
ロンドン・フィルハーモニー合唱団
サウスエンド少年合唱団
スミ・ジョー (ソプラノ)
ヨッヘン・コバルスキ(アルト)
ボイエ・スコウフース(バリトン)
1992年 イギリス サファク州




”男前の男声合唱”


この演奏は合唱の透明感がとっても魅力的だと思う。
まるで、このジャケットのように、キリッとして、とても格好がいい。
イギリスのコーラスは本当に洗練されいるなあと思う。

特にテノールの響きが、”男前”と表現したくなるほどカッコいい。
憧れてしまいます。(^^♪

男声合唱の部分は、一緒に歌うと、とても気持ちがいい。
第14曲は最高!! 19曲目のアカペラもテノールが本当にパワフル。
ホントに、こういう風に歌いたいものだ思う。

美声を磨きたいなら、この一枚にレッスンをつけてもらいましょう。(^^)v




オルフ:カルミナ・ブラーナ

アンドレ・プレヴィン指揮
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
アルノルト・シェーンベルク合唱団
ウィーン少年合唱団
バーバラ・ ボニー(ソプラノ)
フランク・ロパード(テノール)
アントニー・マイケルズ=ムーア(バリトン)
1993年10月 ウィーン






”上品で美しいカルミナ”


とにかく、これは美しい。本当の聖歌のようです。
なにしろ、ウィーン・フィルにウィーン少年合唱団である。
もちろん、アノルト・シェーンベルク合唱団も素晴らしい。

特に、第15曲の少年合唱や24曲目などは、
”本当にこれでいいのかな?”と、不安になるぐらい、美しい。(^_^;)
レッスン半ばで、カルミナに疲れてきたときに聴くと、ちょうどいいかも知れない。
録音の加減か、オケの音量が大きめなのだけれど、ボリュームを高めにすれば気になりません。

それから、この演奏は、第14曲の”早口言葉”の練習に大助かりだった。
テンポがゆっくりな上、きちんと丁寧に音を取って歌っているので、
とても練習がし易いのである。
お試しください。!(^^)!





ヘルベルト・ブロムシュテット指揮
サンフランシスコ交響楽団
サンフランシスコ交響合唱団
サンフランシスコ少年合唱団
サンフランシスコ少女合唱団
リン・ドーソン(ソプラノ)
ジョン・ダニエッキ(テノール)
ケビン・マクミラン(バリトン)





”真直ぐなカルミナ”


この演奏には賛否両論があるようです。(^_^;)

しかし、ブロムシュテットという指揮者は、合唱団を歌わせる天才だなあと思う。
彼が指揮をした第九の合唱の盛り上がりがあまりにも素晴らしかったので、
思わずこのカルミナも入手してしまったのだけど、
この曲でさえ、こんなに真直ぐに、前向きに、力強く、歌わせてしまうのだから...

ただ、別の見方をすれば、カルミナの独特の毒気というか、臭みようなものがないとも言えるわけで、
物足りないと、思われても仕方ないかなとも思う。
確かに、1曲だけ取り出して、他の演奏と聴き比べると、パワー不足のようにも感じる。
しかし、通して聴くと、非常に優れた演奏だと分かるし、一緒に歌うととても気持ちがよいのである。
もし、合唱に参加できるなら、彼の指揮で歌うのが一番幸せだろうなと思う。

演奏は全体的にハイテンポで、
特に第14曲の”早口言葉”はプレヴィン盤とは打って変わって、”最速”である。
また、第1曲と終曲のラストのフェルマータは”最長”なので、レッスンの仕上げ用に最適だと思う。
私も、随分と鍛えていただきました。m(__)m




他にも、ケーゲルドラティデ・ブルゴスムーティ などが気になっているのですが、まだ、入手出来てません。

次に歌うときまでには、聴くゾ。!(^^)!