読みきり企画『踊らざる者にとってのクラブ』:

人によってイベントの過ごし方は様々である。

踊り狂う者、酒に酔う者、 出会いを求める者、たま〜に服を脱ぐ者。

そして、クラブにも様々な場所がある。
一夜の中にも様々な時間がある。

イベントは常にそうした様々な軸の上にぼんやり浮かんだ楼閣のようなも の。
イベントはその目的を全て受け入れてくれる。

「踊らざる者のクラブ」。それもまた一つの顔なんだ。
FUNKANIMALにはダンスフロアがある。バーカウンターがある。テラスが ある。そしてエントランスでさえ、一つの顔を持っている。
いつもの仲間と酒を飲んだり、クラブでの友達と一ヶ月ぶりの再会を楽しん だり。
イベントで慣れ親しんだ人間同士の会話。まだどこかぎこちない二人の会 話。

それでも、彼らは「月に一回、同じ場所で、同じイベントでまた会える」なんて、そん な期待を共有している。

それはFUNKがある限り、続いていく秘密の約束みたい。
話す内容も様々。音楽だったり、彼氏彼女の恋愛物語だったり、H話も常 連。それこそ価値観の話も。普段、あまりしない話も。

バーカウンターの前のテーブル席では、いつも笑いが絶えない。

テラスでは、クラブの喧騒は遠くに、みんなで円卓囲んで、ほのぼの。
エントランスは色んな奴がふらっと立ち寄る、居酒屋みたいなノリかな。
みんなグラスとスモークでわいわい騒いでる。それがすごく楽しい。ややこしい人間関係や無駄 な気遣いなんていらない。
その場の雰囲気が全 て。一度意識して、エントランスやテラスの雰囲気を感じてみるといい。
今まで とは少し違った世界があるかもしれない。

ダンスフロア帰りの軽く汗をにじませた奴も、酒に酔ってハイになってる奴 も、DJもスタッフも何の垣根もない。
マジ話もバカ話も、すごく楽しい。

そして、そんな時、FUNKの温かさは、すごく心地いい。そう、すごく心地いいんだ。

やがて、踊った者にも、語った者にも、それぞれの朝が来る。
様々な過ごし方の末に迎えた新しい朝が素晴らしかったなら、それは、何も言うことはない。

踊る者には踊る楽しさがある。語る者にも語る楽しさがある。酔う者にもその楽しさがある。

「踊って、話して、飲んで、食って」。

「笑おう、叫ぼう、語ろう、抱き合おう」。