むかしむかし、”円”が世界で一番強かった頃

いつかのゴールドラッシュのようなその街を、
移民たちは”円都(イェンタウン)”と呼んだ。
でも日本人はこの名前を忌み嫌い、
逆に移民たちを”円盗(イェンタウン)”と呼んで蔑んだ。
ここは円の都、イェンタウン。
円で夢が叶う、夢の都。
・・・そしてこれは、円を掘りにイェンタウンにやって来た、
イェンタウンたちの物語。



(映画「Swallowtail Butterfly」より抜粋)













天国はあるんだぜ、でも誰も辿り着けないのさ
お前は死んで、その魂は空へ飛んで行く
ところが雲に触れた途端、雨になって落ちるのさ
だから誰も天国なんて見れないんだとさ

・・・それで最後に行く場所を天国って言うなら、ここが天国ってわけかい?

ヒオ・フェイホン

(映画「Swallowtail Butterfly」より抜粋)






Swallowtail Butterfly
ヒオ・フェイホン (HIO FEIHONG)

■岩井俊二監督の映画「スワロウテイル」。
かなり極端に賛否両論に分かれているようですが、私は見れば見るほど加速度的にハマりました。最初は正直、三上さん目当てで見たんですけど、今じゃこの作品全体の素晴らしさに惚れています。

■印象的なシーンも、もう本当いくつもあるんですけど。
例えば最後の壮絶シーン。もーう放心状態になりましたねぇ。エンディング・ロールで、まるでグリコがファイホンに贈っているような『あいのうた』が流れるまで、涙が出ることも忘れるぐらい。ネタバレちょっとすると、これが冒頭部分へ繋がるんですけど。そこの”線”が良いっす。
あとフェイホンが留置所から釈放されて、街を突っ走るシーン。このシーン、物語の中ほどとラストと2回出てくるのですが、与えられる印象が全く違うんですよね。2回目は見上げた”あるもの”まで分かるからなんですけど・・・。そうそう、パンフによる裏話(?)で、このシーンは三上さんのラストカットだったそうで、それを知ると「撮影から解放される」という表現のようにも感じられるような・・・。(※追記:この後、ビデオ「円都」見たら、インタビューで似たようなこと語られてましたね(何か嬉しかったッス/笑))

■ところで中国語と英語を話すフェイホンと東北訛りの宮澤賢治・・・公開日が一緒なんですよねッ。おそらく「スワロウテイル」がクランクアップしてからすぐに「宮沢賢治」の撮影に入ったんじゃないかと・・・両役どころの髪型から察するに。(長→短)いやぁ、ホント凄い役者さんです。
このフェイホンも見ての通り汚くて、頭も弱く(警察に捕まるきっかけも間抜けすぎます・・・)不器用なヤツで、ラン(渡部篤郎)やリョウ・リャンキ(江口洋介)の方がよっぽど強くて頼りがいがあるんだけど、人間の暖かさ(特にグリコへの愛情)を感じるから放っとけないのよねぇ。”三上博史”という役者を抜きにしても好きなキャラ。そして、それを表現できる”三上博史”という役者にますます惚れます。(言いたいこと伝わりますでしょうか・・・/不安)

■今度グリコ(Chara)やアゲハ(伊藤歩)という女性陣のイラストもチャレンジしてみようかなぁ。 あ、そう言えば、フェイホンとアゲハが「リップスティック」で共演してるんですよね。んまぁ、こちらでは、あまり2人の接点がないのですが、ほぼ同時期に見た私にとって不思議な感じがしました。「アゲハがぐれちゃったよー」とかって。特に最終話で「お久しぶり」と2人顔を合わせるシーンがあるんですけど、「ホンマ、久しぶりやんなー」とかって突っ込んだり・・・はい、馬鹿ですから、ワタシ(笑)。


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