柏屋ぴよ吉's モスクワ旅日記 2003.9.5-9
9月5日
 長船町のbeZen鼓空道場を早朝に出発。浜村順のラジオなど聴きながら12時に関空に到着。当初のウズベキスタン航空から変更になったウラジオストック航空806便は到着が50分遅れるという・・先行き不安な感じ。13時30分から鼓空さんの太鼓や花子(秘宝所蔵の獅子頭、今回は龍頭に変身しての参加)などの荷物をX線検査に通す。和太鼓は重いっすね。花子の梱包が心配だったけど、X線で見る限りは大丈夫そうだ。
 15時40分の出発がさらに伸びる。座長に「銭形金太郎」のオファー電話が入ったり、ロシア語の勉強とかしながら待つ。結局17時に出発ということになった。

 旧ソ連製ツボレフ154の機体はレトロで小さく感じる。ロシア人のアテンダントが新聞、お手拭き、飴("耳抜き"用の飴だというのは後で判った)などを配ってくれる。機体が動き出す頃には異様に暖かい。エンジンが近いのか?みんな備え付けのウチワを使う。ガタガタ揺れながら滑走路へ。人気のない遊園地のようなBGMが流れている。離陸する頃にやっと座席上のスポット・クーラーが効き始めた。結構急角度で上がってゆく・・きゃー高い!高いわー!(ちなみにぴよ吉は飛行機も海外旅行も初体験で子供の頃は煙突見上げただけでクラクラくるほど高所恐怖症だったのです・・)旋回しながら上昇、眼下には地形が航空写真のように(まんまです)・・ 
 飲み物とおつまみがやって来た。「Coke please」通じた。太鼓などを個人の手荷物預かりにしているので各自分担分の税関の申告書を書くのに忙しい。軽食がやってきた。アルミパックに入ったケチャップ味の唐揚げっぽい魚(料理名が判らないだけ)とごはんとニンジン・・・こげついている所を見ると直火で暖めたものか? あとはパンとサラダとババロアとミネラル・ウォーター。食後のお茶とコーヒーのサービスも・・ウラジオストックまで2時間20分のフライト中に一通りのサービスをこなすのは慌ただしい物だと思う。

 雲海に夕陽が沈む。これはなかなか良い。夕陽マニアの私にはぐっと来る眺めだ。やがて機は、その雲海に呑み込まれるように降下を始めた。耳抜きに苦労する。窓の外がみるみるダークグレーに変わってゆく。雲の海の奥深くへ。暗闇の中、家々の灯が煙って見える。雨なのだろう・・ソフトフォーカスのかかった灯りの模様が大きくなってくる。道路を行くヘッドライトが見えたと思うとガタガタと滑走路に着地した。ウラジオストック空港の滑走路は路面が荒れている物と見えて振動が半端じゃなく、一瞬、滑走路を外れたのかと思うほど。天井の継ぎ目?から蒸気が噴いたり、荷物入れの蓋が開いたりと乗客の肝を冷やしてくれたが、とにかく無事には到着したようだ。

 雨のウラジオストック空港でトラブル発生。大阪で計った時より荷物が50kg重いというのだ・・日本時間で21時過ぎまでもめたが何とか解決。名古屋のエイサーチームの学生たちが税関係員(?)の若い女性と記念写真を撮って「これでもう帰ってもいい」と・・確かにモデル級の美人だった。撮り損ねたのはちょっと残念。滑走路で別の(しかしまた)TU154に乗り込む。待ちくたびれた感じのお客さんたちが乗っていた。ガタガタと離陸。この会社のアテンダントは体型がくっきり二分されている。世代が、ということか。
 ここでも夜食(?)が出る。イワシの薫製、サーモンのマリネにオリーブ、魚とごはんのチーズとじ、キューリとトマトにケーキ、円いパンと切った食パン風(おかずを挟むのか?)、マヨネーズ、バター、ジャム、チーズ、調味料セット。食後は「Cafe or Tea ?」でコーヒーをお願いすると、お湯を注いだカップとネスカフェの袋をくれる。砂糖を入れて飲む。食後だからか、座った席が最後尾のトイレに近いので横の通路に行列が絶えない。
 再び、街の灯が見えて着陸(ウラジオよりは揺れなかったか?)したのはロシア内の何とか共和国のアバカンという土地だという。ツボレフは国内線用で航続距離が短いようだ。貴重品と共に降ろされる、最初、外で待つが寒い・・ここはいったいどこなのかしら?電光表示風に手書きされた文字の板をはめる形の発着表を見つける。1時間ほどで搭乗するために滑走路へ。火星が赤い。ここからのお客さんもあるようで空いていた席も埋まる。
 離陸前に飴とお手拭きが配られるのは"耳抜き"のためと気づいたのはこのあたり。離陸前と着陸前に必ず配る。TU154の気圧対策が弱いのかな?
 モスクワへ向けて離陸。一眠りして目を覚ますと食事が・・さすがにもう無理。大半を残す。黒っぽい穀物があって何だろうと思ったが"蕎麦の実"をごはんのように蒸すか炊いた物らしい。再び眠りにつく。
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