KIMU'sColumn
抱腹絶倒
ノンフィクションコラム
JohnnyGuitar
KimKimの
「おしょう伝説」
Vol.10
「足立くん」
おしょうの高校時代のクラスメートに足立くんという人がいました。
彼はどうもワケありらしく、なぜかアパートで一人暮らしをしていました。
そういうわけで、おしょうは彼の部屋に常日頃から入りびたり、出入り自由に楽しんでいたのだそうです。
足立くんはとても犬好きで、ある日、気を利かせた(?)おしょうは悪友四人を引き連れ、足立くんのために犬探しをしました。
当時、街には野良犬がわんさか住みついていて、おしょう達は「足立喜ぶで〜!」と言いながら、そこら辺の犬を片っ端から五、六匹捕まえて、足立くんの部屋に連れ帰りました。
もちろん本人には内緒です。
特にその内の一匹は、40キロはあろうかという薄汚れたヨボヨボの大型のヤツで、おしょうはたいそう気に入ったそうです。
初めのうちは、四畳半のその部屋で犬達も落ち着かない様子で、暴れ放題、吠え放題だったのですが、そのうちみんな疲れて自由気ままなスタイルで眠り出しました。
それはそれは物凄い光景で、おしょう達は腹もよじれんばかりに笑いころげ、足立くんが帰って来てビビる姿を想像しながら、心待ちに彼を待ったそうです。
ところが二時間ほどたって彼は帰って来たのですが、その日に限って、まずいことにお母さんと共に帰宅したのです。
おしょう達はあわてて台所の窓から飛び出し、そこから続いている屋上に潜んで様子をうかがっていました。
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