ショパン/ワルツ集ほか ゲーザ・アンダ(Pf)ほか

(1)ショパン/ワルツ集
(2)ショパン/練習曲集,op.10
●演奏
ゲーザ・アンダ(Pf*1)/A/1975
ジョン・ブラウニング(Pf*2)/A/1968
RCA 74321−29242−2[ 98/7/23購入]

「うまい・へた」とは別に初めて聞いた演奏には忘れ難いものがある。動物の赤ちゃんが最初に見たモノを親と思い込むことを「刷り込み」というが,私にとってクラシック音楽を聴きはじめた中学生の頃が刷り込みの時代だった。ゲーザ・アンダの弾くショパンのワルツ集もそういう演奏の一つである。 アンダは今となっては「知る人ぞ知る」といった感じのハンガリーのピアニストであるが,中学生の私は,彼のショパンに惹かれた。FMで流れたショパンのワルツ集を録音したのが出会いだった。それは非常に念入りにゆっくりと弾かれた独特のショパンだった。有名な小犬のワルツは「1分ワルツ」というあだ名も持つが,アンダの演奏では2分かかっている。私はそれを繰返し聴いた。そして刷り込まれた。 時代はLPレコードからCDの時代に変わり,このテープも紛失してしまった。20年後の1998年の夏,CDショップでこの演奏を見つけた(何と値段は890円だった)。聴いた印象は,昔のまま。何だかよくわからないが,妙に感激した。