21世紀へのメッセージ Vol.1
高橋悠治/鳥も使いか−三絃弾き語りを含む合奏(1993)
一柳 慧/室内交響曲 第2番「アンダーカレント」(1993)
新実徳英/生命連鎖−室内オーケストラのための(1993)
西村 朗/鳥のヘテロフォニー(1993)

指揮/岩城宏之 独奏/高田和子(三絃弾き語り)
●発売/ポリドール株式会社(1994.1.26)
●DeutscheGrammophon POCG-1719 ¥2,718(税抜)
●録音/富山県・小杉町文化ホール ラポール(1993.9)

評価の高い「21世紀へのメッセージ」シリーズの記念すべき第1弾。OEKには国内のオーケストラでは珍しい制度であるコンポーザー・イン・レジデンス(座付き作曲家)がいるが,その方々の新作を中心にOEKのために書いてもらった新曲ばかりを集めたものである。 収録された作曲家は,日本の現代音楽作曲家の中でも実績のある人ばかりで,一柳と西村が,OEKのコンポーザーインレジデンスを務めたことがある。それ以外の2作品もOEKの公演で初演されている。

どれも聴きやすい音楽とはいえないが,新作を取り上げようとする岩城の意気込みが伝わってくる。古典派〜ロマン派の音楽に比べるとかなり趣きが違い,困惑する人もいると思うが,「現代音楽=難しい」と最初から拒否するか,「とりあえず聴いてみるか」と興味を示すかが,まずポイントになる。

岩城の声も入っている「鳥も使いか」は邦楽なみの渋さだし,ヘテロフォニーという独特の複雑な音の動きを持つ西村の曲も演奏効果の非常に上がる曲である(生で聴くと特にそう感じる)。他の2曲も聴き込むと味が出てきそうである。