22歳の別れ(かぐや姫)

 

学校を卒業するとき、友達ともそして恋人とも別れ、みんなばらばらになってしまう。

「最後にいいホテルに泊まって、おいしいもの食べよう。」

そう彼女に切り出した。

部屋から見える冬の日本海はとても荒れている。

いつものように冗談をいいながら楽しく食事をした。

いや、いつもより明るく振舞っていたような気がする。

部屋に戻り、ドアを閉めると同時に、どちらともなくキスを求める。

お互い話すことはもうない。ただ…。

その夜、彼女の温もりを確かめるように何度も何度も抱いた。

 

♪あなたにさよならって言えるのは今日だけ

明日になってまたあなたの暖かい手に

触れたらきっと言えなくなってしまうそんな気がして♪

 

大通り駅の改札口で彼女と別れた。

彼女が小さく手を振る。

僕も笑ってこたえる。

何回も何回も振り返った。

そして彼女は雑踏の中に消えていった。

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