第32回紅白歌合戦

1981.12/31 21:00〜23:45(165分) NHKホール

総合司会= 生方 惠一 アナウンサー@

紅     組   白     組
黒  柳   徹  子 (48) B 司会 山川 静夫 アナウンサー (48)G
ダン池田とニュー・ブリード
東京放送管弦楽団
アントニオ古賀(ギター)
演奏 小野満とスイングビーバーズ
東京放送管弦楽団
木村 好夫(ギター)
オープニング ファンファーレ(21:00)
京華女性高校鼓隊部・京浜女子大学中高等部トランペット鼓隊・PLレザンジュの演奏で
始まったが、吹奏楽経験者の私から言わせてもらうと下手な部類だろうなと思う。
当時は全国随一のレベルだったことを考えると、15年でだいぶレベルアップしたと伺える。
司会者紹介(21:01)
選手入場(21:02)
審査員紹介(21:04)
今年からスタイルが変わり、おなじみのボール得点方式に。
〜一般審査員〜
棟方 一正(北海道)/西田 良子(北海道)
佐藤 守正(東北)/鈴木 サツ(東北)
杉浦 正雄(関東甲信越)/フロランス・メルメ(関東甲信越)
浅蔵 五十吉(中部)/名取 玲子(中部)
中尾 修(近畿)/大槻 美貴子(近畿)
赤翼 洞水(中国)/水野 いさえ(中国)
青柳 裕介(四国)/渡辺 よし子(四国)
f地 三郎(九州)/仲底 まち子(九州)
〜特別審査員〜
石毛 宏典(野球選手/西武ライオンズ)
古手川 祐子(女優)
緒方 拳(俳優)
花井 幸子(ファッションデザイナー)
倉本 昌弘(プロゴルファー)
森 光子(女優)
坂田 栄男(棋士)
高橋 洋子(女優)
秋 竜山(漫画家)
澤地 久枝(作家)
渡辺 一雄(NHK番組制作局長/審査委員長)
合計27人
優勝旗返還(21:06)
田中武志放送総局長に、優勝旗が返還された。
チームリーダーによる選手宣誓(21:07)
水前寺 清子 VS 北島三郎
氏 名 曲目 備考 時刻 氏名 曲目 備考
河合 奈保子(18) スマイル・フォーミー 怪我をしていたが、何とか紅白には間に合った。コルセットをつけながらの歌唱であったが、そんなことは微塵も感じさせない元気いっぱいの歌唱であった。
個人的な感情がかなり入っているが、本当に八重歯のかわいいアイドルでしたね。しかしこの人かなり育てるのに苦労したんだとか。なんでも最初は2ビート以上はテンポが取れなかったんだそうで。 それをここまでのアイドルに仕立てたのだから素晴らしいと思う。
 スマイルフォーミースマイルフォーユー あなたがあなたがまぶしいわ〜というのは名詞。
←21:08
21:10→
近藤 真彦(17) ギンギラギンにさりげなく 昨年はただの応援だけだったが、この年は堂々の初登場。たのきんトリオから2人目の出場だが、田原よりは歌がうまそうだ。しかしこのころはまだどちらもどちらという感じ。デビュー当時は気性が激しく、歌番組のスタッフを大分困らせたということである。平気でランク下にいる歌手をけなしたりしていたのは印象的。
 もちろんこのステージではそういうことはなかったにしろ、お決まりの電球付きのギンギラギンの衣裳で、元気いっぱいに堂々と歌っていました。ただ、バックコーラスがうるさいうえにテンポが早いので。少々やかましい。
石川 ひとみ(22)<愛知> まちぶせ ユーミンのおかげで若い人も知っているがさわやかな歌い上げ。5年前の発売の曲だが、このとき歌ったのは三木聖子。これはそのカバーで、この前年にNHK人形劇「プリンプリン物語」の主題歌も歌っていると言うこともあり出場となったのだろう。それだったら「ハッピーアドベンチャー」を歌ってほしかった。 ミスプリンプリンとは一応黒柳がフォローしたが。
 青春とは、向っていくものなのよ、がんばっての名セリフも決まっていたが、歌に入ると涙が止まらず、殆ど歌にならなかったのはこれまた印象的。体が震えていたのは可愛らしかった。
←21:14
21:17→
田原 俊彦(20)
<山梨>
悲しみ2(TOO)ヤング 歌が下手なことがばれ始める?売上はちょっと減少気味。この年は他にも「君に決定!」とかいう歌もあったが。 しかし、大マジメなラブソングではどちらもない。
 それほどの歌唱力がなかったと言えばそれまでなのだが、今から聞くと虚しい歌にしかならない。
松村 和子
<北海道>
帰ってこいよ 前年のレコ大新人賞。81年の売上も好調だったことから出場決定となった。
 お父さんの津軽三味線太竿を引っさげての登場。衣裳はキンキラながらも民謡っぽい衣裳ではある。
 軽やかなリズムに乗せるニュー民謡の予感がしたが、どうもこれ一発しか売れていないのは残念。本人は歌唱力が余りあり、現在もものまねなどの番組でその多彩な実力を発揮している。
←21:19
21:22→
山本 譲二(31)
<山口>
みちのくひとり旅 念願の紅白初出場。サブちゃんの愛弟子としても知られている。 そのサブちゃんに「もう何も言うことない」とようやく免許皆伝を頂いての出場。
 当時は31歳であるが、まだまだ半人前だという気持ちでいたためか、20代前半ぐらいの年にしか見えない。苦節10年あまり、ようやくつかんだ紅白の座ではあるのだが、ワンハーフというなんとも味気ない短さでの歌唱となってしまったのは残念。
高田 みづえ(21)
<鹿児島>
涙のジルバ この年は松宮恭子の作詞作曲のこの歌で勝負したが、去年ほどの売上は記録できなかった。しかし去年に比べて派手な青いドレスで、堂々の歌唱ではあった。
 この年、弟が交通事故に遭って大怪我をしたが、弟に会いたくて病院をかえてもらったという凄い弟思い。
←21:24
21:27→
郷 ひろみ(25) お嫁サンバ これも結構売れた。もうこうなると、新御三家の中ではこの人が一番売れているといっても過言ではないだろう。
 若い人にもこの歌は浸透しているには浸透しているのだが、「恋する女はきれいさ〜」しか知らないと言う人と、「1,2,3ンバ、2,2,3ンバ〜」しか知らないという人と、この2つは知っているものの、別の曲だと思っている人が結構いる。
 でも、この曲はタイトルに「お嫁」がついている割には、結婚披露宴では歌われないのは、ちょっと質が違うのだという事情がある。
松田 聖子(19)
<福岡>
夏の扉 冬なのに夏の歌を歌うとは…秋もいやだけどね 「風立ちぬ〜」なんてね。まあNHK苦渋の決断だったと言えるのではないか。
 フレッシュフレッシュフレ〜〜〜〜ッシュ! と粋のいい歌である。アイドルの中でも割と歌唱力のあったほうであり、2年目ともなると安心して聞いていられた。ドレスも真冬なのに半そで短スカートで、よく寒くないなと思う。ところで、舞台下にあったテレビに映っていた映像はどうやら紅白の映像ではないようである。PVだろうか。
←21:30
21:33→
千 昌夫
<岩手>
望郷酒場 これは別に売れたわけではないのだが、前の大ヒットである程度の指定席を得た感がある。ふるさと陸前高田市の左官屋さんになろうと思っていたのがこんな大歌手になってしまっていたというのならいいが、酒のみにならぬつもりがなっていたというのは、東北人によくある自爆パターン。逆にならないと、おかしいとも言われそうだが。
水前寺 清子(36)
<熊本>
有明けの海 17 またまた手話を披露する黒柳さんだが、途中で山川が乱入する。まあそれはよしとして、不本意ながらこんなに早い時間の歌唱である。まあ、売れていないのだからしょうがないのだろう。
 でも、ある程度の指定席を得ているからいいのだろう。こういうときは歌の内容で勝負するしかない。そこで、ふるさとの言葉を入れたのだ、そしてこの人には珍しい女歌である。父親を思う気持ちはこの人は人一倍あっただろうから、勿論はまっていた。
←21:36
21:40→
三波 春夫(58)
<新潟>
雪の渡り鳥 24 「かっぱ〜 からげ〜て〜〜〜 さん〜〜ど〜が〜さ〜〜〜」とこの年は一昨年も歌ったこの曲を持って来た。この年は、時間もたっぷりあったのか花柳糸之社中が珍しく傘をかぶって旅人の踊りをしたのだが、これは本当に珍しい。
川中 美幸(26)
<大阪>
ふたり酒 苦節10年の初出場。 同じような境遇で初出場だった石川さゆり・小林幸子が踊りで応援していたが、この人の苦労も尋常なものではなかった。 一度は諦めた歌手人生なのだが、もう一度上京してこの弦哲也の名曲で羽ばたいた。
 もちろん今は明るいおばさんになっているが、底知れない不運は今でも付きまとっている。しかし、これだけ明るく振り舞えるのは相当な精神力があるのだろう。
←21:42
21:45→
西城 秀樹(25)
<広島>
ジプシー 演奏:ポップンロールバンド。
 タイトルがまわるまわる。客席後方からドアを開けてカメラを越えてステージに飛び出してきた。
 曲的には悲しい女の歌。そのため哀愁漂うロックになっている。ディスコで踊る女性たちはチャラチャラしているようにも見えるが、こういった一連の曲を聞くと、どうも心の満たされない部分を埋めに行っていると考えた方が良さそうである。
小柳 ルミ子(29) たそがれラブコール 11 踊りの為に八重歯を抜いたという根性を見せた。が、そこまでしなけりゃならないというなら、もっと宝塚で踊ってた方がいいのにね。やめてポップ歌手という誘惑にさそわれてしまったのがまず失敗の原因で。ヒット曲もなくなってくれば、まあ踊りに情熱をかたむけようという気持ちも分からないでもないけど。考えてみれば男役も全員女だった。なるほど、まだケンヤくんはいないってわけか。 ←20:48
20:52→
菅原 洋一(48) 慕情 15 「20世紀FOX」の慕情という映画の主題歌を原語詞で菅原洋一が歌う。映画と言えば、決まって山川静夫の淀川長治調の解説で、微妙に似ていない。
 グレースノーツのバイオリンと、合唱団の歌唱が映画に勝るとも劣らない壮大なスケールをかもし出していた。
紅白合同劇 「愛のコリーダ」(21:55)
まずは岩崎宏美のリードボーカルでの入りがあり、そのあと松田聖子・榊原郁恵などのコーラス。
打って変わって御三家のボーカルと田原・近藤のツインが入る。
最後は大合唱。
ところで、紅白歌合戦の長い歴史の中で、応援合戦以外の
共演というのはなかった。これは実験的なもので、この年以降こういう企画が本格化する。
島倉 千代子(43)
<東京>
鳳仙花 25 25回対決。どちらも人気が高く、ヒット曲がなくても視聴率の取れる組み合わせだった。
 だが、そうも言っていられないと島倉はこの曲に賭け、なんと歌手になって初めてキャンペーンを行ったり、紅白の為に着物を注文したりと生き残りにいろいろと策を練っていたが、まあこの曲はここ数年では売上的にはまずまずだった。
←21:58
22:01→
フランク永井 おまえに 25 連続25回出場の金字塔を立てたのはいいのだが、島倉とは違いもう新曲では勝負できないまでに弱体化していた。
 次の年は名曲紅白があって助かったのだが、その次の年は…。
牧村 三枝子(28)
<北海道>
みちづれ これも3年前の曲だが、ロングヒットとなった。 歌がうまいと言われてデビューしたものの、この人も大分苦労した人である。
 演歌ではあるが、この人自体にはあまりド演歌というイメージはない。紅白の舞台でもドレスで歌唱。そのせいか、長く第一線での歌唱は続かなかったのだろう。きめたきめたおまえとみちづれに。 だが、最後は紅組とみちづれに〜なんて言う。
←22:03
22:06→
細川 たかし(31)
<北海道>
いつかどこかで 6/8の、まるでクールファイブを思わせるようなメロディーである。
 どうしても、「北酒場」までの彼の代表曲は「心のこり」だから、どうしても6/8のイメージが強く残ってしまう。しかしこれも、次の年で吹っ切れる。
五輪 真弓(30)
<東京>
リバイバル 雷が鳴るオープニング。この時間帯は演奏隊も、歌手席もなくなっている。その代わり演奏は五輪バンド、セットはバカみたいに凝っている。この曲は前作ほどではないがまあ悲しく女心を歌っている歌第二弾ということで一応は売れた。 ←22:08
21:12→
寺尾 聰(34)
<神奈川>
ルビーの指環 元石原軍団。 それだけに裕次郎からメッセージをもらう。宇野重吉の息子で、そのせいか結構若いころに無茶をした。これにより、胃を全摘出したりしたが紅白出場するまでの歌手になった。 にしても、この人はこれがあまりにも売れてしまったため一発屋のイメージがあるが、他にも売れた曲はあるにはある。
 しかし、この曲自体が大名曲となっている。男の哀愁をさらりと歌うのだが、ルビーの指環なんて、本当に大人の恋って感じですよね。
ハーフタイムショー(22:16)
デュエットソングショー
「二人は若い」
山川静夫 & 黒柳徹子
音大出身だけあり、黒柳のオペラ声が凄い凄い。山川は意外と歌うまい。
「東京ナイト・クラブ」
五輪 真弓&五木 ひろし  河合 奈保子&森 進一
「銀座の恋の物語」
石川 さゆり&加山 雄三  都 はるみ&田原 俊彦
「愛して愛して愛しちゃったのよ」
松田聖子「愛しちゃったのよ」 三波・村田・菅原・千・フランクのおじさん軍団「ララランラン」
そ、それはちょっとおかしいんじゃないのかな。
「いつでも夢を」
八代 亜紀  &  近藤 真彦
「昭和枯れすすき」
小林 幸子  &  西田 敏行
西田の髪型がおもしろい。
「新宿そだち」
小柳ルミ子・松村和子・青江美奈 & 御三家
最後は「こ〜はくそだち〜〜〜」
榊原 郁恵(22)
<神奈川>
シャイニング・ラブ アイドル歌手としての評価はもう0に近いのだが、「ピーターパン」での演技が身を助けた。どんな時でも笑顔を忘れず歌うというのは評価できることです。 ←22:23
22:26→
西田 敏行(34)
<福島>
もしもピアノが弾けたなら 紅白の応援団長を務めたことはあるが歌手としては初出場。でもこれ一曲って感じ。
 この年は「おんな太閤記」で秀吉役を務め、「坂元源太80キロ」でも主役、好評を博し、この曲も大ヒットした。歌手としては、下手なわけではないのだが、一発屋である。しかし、俳優としてはこれ以上活躍できないぐらいの活躍ぶりで、人生って面白いもんだなとつくづく感じる。
桜田 淳子(23) This is a "Boogie" そのまま西田敏行がステージに残り、桜田淳子の手をとりダンスをするが、1番のところで突き飛ばされてしまう。その後、パッションレディーズとギャラクシーの踊りが入る。
 さて、曲前に「地元にジェットが飛ぶようになって」とあるが、この81年に秋田県河辺町にあたらしい秋田空港が出来て、滑走路が長くなったことにより東京便の余裕が出来た。それまでは、秋田市内の大森山に飛行場があったのだが、あの短い滑走路では国内線さえままならずという弱貧空港だった。閉鎖後の今もほったらかしにしてあるので、いい自動車練習場になっている。
←22:28
22:31→
加山 雄三(44)
<神奈川>
若大将ヒットメドレー
夜空を仰いで〜お嫁においで〜君といつまでも
雄三スーパーメドレー。こんなに豪華なのはうらやましい。 新曲も出してないのに、なんかフランクとか三波先生もたいな破格の扱いを受けているような気がするのだが…。
 で、この3曲当たり前のように彼の作曲なのだが、6/8はほとんど似たようなメロディーなのだ。一曲目と三曲目のリズムは非常に似ているというのは、これを端的に表している。
ロス・インエィオス&シルヴィア うそよ今夜も はっきり言ってこの曲は売れなかった。 でも、こういう大人の曲は近年なかったのでこういう人たちもいてもいいのかもしれない。
 それと、ブラジルで見ている人たちにも顔が立つしね。
 でも、好きさと言って騙そうとする男とうそうそよとだだをこねる疑り深い女との駆け引きはどうも子供っぽいところが見え隠れするなとは思う。
←22:34
22:37→
沢田 研二(33)
<鳥取>
ス・ト・リ・ッ・パ・ー これも結構売れた曲。自身の作曲であり、今回はEXOTICSを引っさげての登場である。
 曲自体は非常に過激である。朝でも昼でも夜でも春でも夏でも真冬でもどんどん脱げってのはどうかとも思うけどね。
 でさらに、俺の全てをみせてやるからお前の全てを見たいなんて、こりゃもう強迫だよと思うんだけどな。
 でも、ステージではジュリーは一枚も脱がなかった。
紅白玉合戦(22:40)
客席の3階席最後方からでかい玉を運んで、ステージ上にいる各歌手が背負うカゴに入れる
という、くだらない内容。
一応、紅の勝ち。
青江 美奈 あなたにゆられて 15 「盛岡ブルース」を最後にヒット曲は費えてしまった彼女であるが、生き残りを賭けて精一杯歌っている。
 ジェームス三木がまだ歌手だった頃一人の少女が歌っているのが目にとまったというのは多少不正確で、ジェームス三木の書く脚本に合う歌手をオーディション形式で探したら、青江美奈が選ばれたということである。そこで「恍惚のブルース」が誕生したのである。この名前は実はその主人公の名前で、それをずっと引きずって生きていたということになる。
←21:43
21:45→
村田 英雄(52) なみだ坂 20 熟練パワーを見せたとはいえ、この人はまだ余力が残っているようである。ヒットらしいヒットはたしかに費えたが、固定層がまだまだ支えているという感があった。
 そうですよ、そうですよ。辛い過去は誰にでもあるもんですが、この人が歌うと辛い過去がますます辛く見えてくるので、歌にもそれだけ味が増してくるということになりますよね。
研 ナオコ(28)
<静岡>
ボサノバ 今年の三月に結婚したんですよね、とはいえという感じになってしまうのはその後を知っているから言えるのかもしれない。
 だが、いくらこういう悲しい女の歌が似合うからといってこういう歌を歌わせるのも罪だなと思ってしまうのだが。結婚した後に抱かれてあなたの胸が冷たかったって最悪じゃん。あ、そうか。だから次の結婚ではできちゃった結婚したわけね。なるほど、これなら間違いはないね。
←22:48
22:51→
竜 鉄也
<奈良>
奥飛騨慕情 盲目の歌手が初めて紅白に初登場。紅白では北島三郎がエスコートをしていたのだが、普通の歌番組では女性の付添い人がいて、後にこの人と結婚することになる。
 ただ、はっきり言って、この曲はここまで売れた原因はわからない。名曲でもなければ、詞はスタンダードの演歌である。歌手自身もほぼ一発屋に近い形なのに、80年代で売上2位とは、日本歌謡史の中でも謎の残る曲である。
紅組応援 深川(22:56)
こんどはベテラン演歌組の都・八代・島倉の3人が色っぽい深川を披露。
最後は水前寺の口上で締めた。と思ったら次は
秋田県民謡のおこさ節(22:58)。
小柳・川中・小林などの若手演歌が歌っていた。
白組応援 黒田節(22:59)
五木が弓取り、西田・沢田が盃持ちで、
ベテラン達が朗々と歌い上げた。
殺陣「田村」(23:00)
その後前の三人に殺陣の森・野口・細川・前川が襲い掛かる。
が、沢田とか西田とかは面白い演技で、五木はさすがの演技であった。
石川 さゆり(23)
<熊本>
なみだの宿 普通にいけばこういう若手は何回も出られるものではないが、彼女の歌のうまさがはるかに超越していた。 本当にありきたりな不倫の歌であるのだけれど。まあ、観客に相当な応援団がいるのだが。
 平安神宮で結婚式を挙げた彼女は、2年後に妊娠、無事出産するのだが10年後に離婚してしまう。
←23:03
23:05→
野口 五郎(25) 裏切り小僧 10 病に倒れてしまったというのも辛い年になった原因であろうが、売上が激減したというのも苦しい原因だったのではないだろうか。
 今では西城にも郷にも抜かれてしまい、新御三家ではどん尻になってしまった。デビュー当時は誰がこんな結末を想像しただろうか。そしてついについに、この年で連続の出場が途切れてしまう。
岩崎 宏美(23)
<東京>
すみれ色の涙 悪い曲ではないがなんかの曲のパクリみたいな前奏である。
 ブルーな恋人同士がキスしてすみれが出来たなんてそんなメルヘンチックなこと考えるな、といいたいが、なんとなんと一度も紅白では涙を流したことのない彼女が2番になって声を詰まらせる事態が発生した。何が背景にあったのかは察しがつかないが、本当に流した涙は一粒。もしこれが、計算されていたものだとしたらこの人は天才だと言わざるを得ないだろう。
←23:08
23:11→
新沼 謙治(25)
<岩手>
待たせたね 今年は趣味の伝書鳩が素晴らしい成績をあげたとは、今から考えると面白い。これからどんどん鳩にはまっていくんですよ。そして歌手活動のほうはおろそかに…なるところだったが、久しぶりにこの曲は心に留められる程度の売上は記録した。
小林 幸子(28)
<新潟>
迷い鳥 これも名曲。だが、それほどの売上は記録しなかった。但しこの頃はまだ実力派と言われていたのである。
 苦労した時代があまりにもクローズアップされるので、この頃は苦しさ一辺倒の歌が彼女にはよく合っていた。
 しかしそれとはうらはらに、この頃から衣裳は派手にはなってきた。ジュディオングが落選したからではないだろうが、それと見まがうようなドレスである。
←23:13
23:16→
内山田洋とクールファイブ 女・こぬか雨 10 元祖6/8のコーラスグループ、クールファイブであるが、この年の曲はまた原点の長崎は今日も雨だったをかなり引用したようなサビと前奏である。
 ありきたりと言ってしまえばそれまでだが、この人たちにはそれが一番似合う。しかし、紅白に連続出場する理由は言われてしまうとない。
これより三役(23:19)
都 はるみ(33)
<京都>
浮草ぐらし デビューの時はなんでもなかったのに、ここ数年歌うことが怖くなってきたという感情が84年の引退につながってしまったのだろう。「ふつうのオバさんに戻りたい」などとたわけたことを言ったと思われた人も多いだろうが、これがなかなか大変なことなのだろう。しかし、それを乗り越えて歌うことこそ一流の歌手になれるのであって、その道を途中で断念したのが彼女だと言わざるを得ないだろう。 ←23:19
23:21→
森 進一(34)
<鹿児島>
命あたえて 14 第2回古賀政男記念音楽大賞受賞曲。そして彼の久しぶりのスマッシュヒット曲で、今でもカラオケで歌う人は多い。古賀政男賞になっただけあり、3拍子のゆったりしたメロディーの中でも女性の抑えきれない情熱が煮えたぎっている様が見て取れる。
 男を知り尽くしている女性が一人で燃えるときは体は燃えても心は冷えるというのは的をえていると思うね。まあ、知り尽くしてなくてもなんか虚しいという話は聞いたことがある。
八代 亜紀(31)
<熊本>
うしろ影 前年2年連続のレコード大賞まで受賞した彼女であり、今年も大ヒットかと思いきやスマッシュヒットでつないだ程度に終わってしまったのが残念。まだこれがつなぎだったら良かったのだが、この後2〜3年同じようなヒットを飛ばして、売上的に落ちていってしまったというのが悔やまれる。
 これ以降今のところ、彼女に目立ったヒット曲はない。
←23:24
23:27→
五木 ひろし(33) 人生かくれんぼ 11 お日様をまともに見ることが出来ないような人生を歌にしているように感ずるが、どうも前の森の歌唱に比べたらパンチ力に欠ける。売上もさほどではない。
 こういう交わすタイプの人にこういうことを言ってもしょうがないだろうと思うが。
森 昌子(23)
<栃木>
悲しみ本線日本海 「せんせい」でデビュー以来10年での初トリ。これまで何回もトリの機会は何度もあったのだが、全て「若い」という理由で拒絶された。しかし、8年経ってのようやくのトリ。当然のようだが、これはかなり売れた曲。
 森昌子と言えば、泣くことで有名なのだが、この初トリのときは、泣くというところまではいかなかった。近年ではなかなか見られなかった堂々とした若手演歌歌手が大成した瞬間である。
←23:30
23:33→
北島 三郎(44) 風雪ながれ旅 19 二年連続の歌唱で大トリを獲得。オープニングから、これ見よがしに紙吹雪が舞い降りる。曲が進行するにしたがってこの紙ふぶきの量は尋常でない 程に増え、こりゃ失敗だったと思うほどの量だったのだが、逆に何気ない風で歌いきったことでここ数年で一番の歌唱になったと言えるだろう。鼻に入り口に入り、 果ては観客や審査員にまで紙吹雪が吹き飛んだ。さぞかし大変だっただろうが見事歌いきったその実力たるやすばらしい。
 最後に山川アナが「サブちゃんの鼻に花吹雪が入るんじゃないかと思って」というセリフは、彼でなければ言えない。
得点発表(23:37)
今年から日本野鳥の会の皆さんが客席からあげられた紅白のカードを数え、それを
そろばん81年そろばん日本一の小林一人さんが暗算で数えると言うスタイルになった。
予想に反して全部白組に行ってしまった。これでは分かっちゃうよ。


371
548
379

11 ●●●●●●●●●●●

 11 ●●●●●●●●●●●

審査結果

客席審査
1階
2階
3階

審査員

合計

●●●●●● 
381
704
478

●●●●●●●●●●●●●●●● 16

●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●● 22

 優     勝      白      組     (15勝17敗)

なんと、史上初であろう。飛び入りだろうと予定していただろうと、応援と言うものが全くなかった。そして電報の読み上げもなく、昔を知っている紅白ファンから言わせてもらうとつまらないものになった。この年あたりから現在の紅白のスタイルが出来上がったと言ってもいいのではないだろうか。最後は結構時間が余っていました。