第23回紅白歌合戦

1972.12/31 21:00〜23:45(165分) 東京宝塚劇場

総合司会=山川 静夫アナウンサー(39)
得点集計センター=金子 辰夫アナウンサー
実況=荒川 修 アナウンサー

紅     組   白     組
佐 良  直 美 (27) 司会 宮 田  輝  アナウンサー(50)
水 前 寺  清 子 (27) 応援団長 堺   正  章  (26)
ダン 池田とニュー・プリード 演奏 小野 満とスイング・ビーバーズ 
オープニングトーク(21:01)
信号が赤ばっかり…で紅の勝ち?まさかね。
入場行進(21:02)
ロールをするために紅白別々の入場となった。
優勝旗返還
審査員紹介(21:05)
池内 淳子(女優)
中原 誠(棋士) このころは林葉と付き合うような人には見えなかった。
森 英恵(デザイナー)
小林 桂樹(俳優)
中村 汀女(俳人)
井上 ひさし(作家)
中野 貴代(婦人警官)
神田 好武(飛行士)
真木 洋子(女優)
輪島 大士(相撲)
地方審査員の皆さん(10人)
NHK加藤番組制作局長(審査委員長)
地方審査紹介(21:07)
北海道函館市/福島県福島市/名古屋市東区/大阪市阿倍野区/広島県広島市/愛媛県松山市/福岡市南区/沖縄県那覇市
選手宣誓(21:09)
紅組/佐良 直美  白組/宮田 輝
オープニングショー(21:10)
踊り/スクールメイツ
フレ!フレ!紅組! フレ!フレ!白組!
氏 名 曲目 備考 時刻 氏名 曲目 備考
天地 真理(21)
<CBSソニー>
ひとりじゃないの
(1972.5/21)
レコ大大衆賞受賞。しかし歌のうまさはNHKの基準すれすれだった。本当にトップバッターでよかったのかな。
 歌手席では全員が全員立ちながら手に汗握っての応援。
 この人も当時は「トイレにも行かない」アイドルと言われただけに、凋落ぶりはひどいもんだった。90年代にまたちょこちょこテレビで見るようにはなったが、最近はまた影を潜めている。
(6位/60.1万)
21:12→
←21:15
森 進一(25)
<ビクター>
放浪船
(1972.10/25)
3年連続トリだと思ったらこんどはトップ。 「さすらいぶね」と読みます。あえて大物を起用したということであったが、トップバッターからかなり暗い。無理だろうけどもうちょっと明るい歌のほうが良かったかも。
 「世間が許さぬ恋をして 石のつぶてを受ける人」なんか聖書に出てきそうな表現だが、今じゃ不倫したってどうってこたないよ。ね、中原さん。
(週間最高8位/18.3万)
和田 アキ子(22)
<ビクター>
孤 独
(1972.9/25)
いきなりの美空ひばり登場。そういえば2年前の司会経験者だったんですよね。天地真理に対し「堂々としてたわよ」とか言っているがさて本心かどうか。でも、佐良の司会ぶりに太鼓判を押す気持ちは本当だったかな。
 さて、ガリバー旅行記のアッコは先ほどのレコード大賞で最優秀歌唱賞をもぎ取ったが、なぜか「あの鐘を…」は歌わなかった。TBSの方がなかなか映像を出してくれないだけに歌ってほしかったところだ。
(週間最高43位/4.3万)
21:18→
←21:21
フォーリーブス
<CBSソニー>
夏のふれあい
(1972.7/21)
ジャニーズの力はどこまで素晴らしいか。を見せ付けられる彼らの連続出場。
 バック転をしたりして会場を盛り上げようとはしているが、いまいち歓声は足りないですね。NONO... NONO...
 2002年に彼らも復活しているが、これから先の紅白の出場はないだろう。
(週間最高12位/13.1万)
朱里 エイコ (24)
<パイオニア>
北国行きで
(1972.1/25)
この日、上野から北国に出る電車が180本だという。当時は準急・急行・特急はひっきりなしにあった。今はめっきり減ってしまった。
 これは和田アキ子にも負けない音圧の持主。な〜にっもあなった〜はっしらっなっいのほぉ〜〜〜
 だが、本番では緊張のせいか、長く伸ばしていると音が下がってしまい、本来の迫力は出せなかった。
 衣裳はかなりのミニ。あれで北国へ行くと下半身が凍るだろうとは、宮田アナも思ったところだろう。
(26位/36.0万)
21:25→
←21:28
堺 正章(26)
<日本コロムビア>
運がよければいいことあるさ
(1972.6/25)
あんな格好でファッションショーやるのは彼しかいないでしょうね。そんな余興の後に歌うのも彼しかいないだろう。
 この曲自体はそれほどの売上ではなかったが、元気のいい明るい曲だ。9年前の似たようなタイトルの歌とはまるで違う。西郷・布施・沢田・菅原もバックで盛り立てた。
 あと、帽子のキンキラが照明に反射してカメラに照射して非常にまぶしい。
(週間最高61位/2.5万)
渚 ゆう子
<東芝EMI>
風の中のバラード
(1972.7/25)
京都シリーズ2発屋の感がある。しかしこの曲も売れなかったわけではない。ただ、方向転換を十分に図れなかったのは失敗だったろう。
 現在は容貌も変わってしまった。歌手を本業にはしていないらしいが、たまにテレビでは見る。
 佐良が大胆不敵に会場からリクエストを聞くとか言っていたが観客が手を上げる前に自分で判断してしまった。
(週間最高25位/10.4万)
21:31→
←21:33
にしきの あきら(24)
<CBSソニー>
嵐の夜
(1972.4/21)
歌謡グランドショーからポピーズが応援する。
 せっかく完全な映像が残っているが、過去二回の肝心の彼の代表曲が抜けてしまっている。
 それでも嵐の夜は、僕が君を守ると張り切っている。それを本気で受け止めてくれる女性がいるかどうかはわからんが。
(週間最高19位/9.4万)
奥村 チヨ (25)
<東芝EMI>
終着駅
(1971.12/20)
ねずみ年だからって奥村チューさんってこたないでしょう。
 さて、過去の猫みたいな曲とは違いしっとりとしたバラード系の曲。彼女の歌唱力がそれなりにあったから実現できたこと。個人的に大好きだ。 売上の方もまずまずで、路線転換成功かと思ったがこれから後が続きませんでした。
(21位/37.8万)
21:36→
←21:39
鶴岡 雅義と東京ロマンチカ
<テイチク>
くちづけ
(1972.6/10)
彼らにしては珍しいアップテンポの歌。三条さんもノリにのっておりますよ。鶴岡さんのギターも冴えます。
 さて、曲の間にくちづけ…って何回歌ったでしょうかね。くちづけ くちづけ それはすすり泣き… と最後はシックスで締める。
(週間最高25位/10.4万)
由紀 さおり(24)
<東芝EMI>
故 郷 もちろん、童謡の「ふるさと」ではありませんぞ。
 かなり斬新なメロディーで、これも名曲の部類。それほど売れていなくても、彼女の歌は名曲が多い。
 別れてしまった恋人に呼びかけるように主人公のふるさとを訪ねるように言うが、なんで故郷に戻れば彼女が十五歳に戻れるのかわからんな。妹?
 そんなくだらないことはよして、もう当時の顔は今の顔そのものでありました。
21:42→
←21:45
石橋 正次 (24)
<クラウン>
夜明けの停車場
(1972.1/25)
柔道をやっているが暴力反対ですよ。しかし、宮田アナが下の名前を思い出せないとは…。もちろん、この曲はかなり売れた。しかし子供が六人もいたので養育費に全部取られたという笑い話が。そうか、だから好きなのに逃げたのか。
 まあ、そんな哀愁が漂う素晴らしい歌であります。幸せを捨てる男心は女にはわからないだろうとかって言うかと思ったら自分にもわからんのかよ。だめだこりゃ。
(11位/49.3万)
佐良 直美(27)
<ビクター>
オー・シャンゼリゼ
[クラリネット:北村英二
踊り:デキシーランド・オールスターズ他]
村田英雄にお孫さんが出来てよござんした、公園にでも散歩するがてら歌ったらどうですかと喋っている途中でこの曲が始まる。なかなかいい演出でしたね。
 芦野宏のシャンゼリゼもいいが、彼女の歌う女からみるシャンゼリゼもすばらしい。途中で宮田を呼んだが、歌詞に合わせて追い返してしまう。本当に盛り上がったよろしいステージでござんした。
20:47→
←20:50
村田 英雄(43) ここで一番 12 これを歌うのは2回目である。ここでいちばんというのぼりを持った白組軍団が後ろで盛り上げた。
 歌が終わった後、のぼりを翻して「しろぐみのかち」として、またまた盛り上がりました。
中間審査発表(21:53)
<中継>柳家小三太(27)[現:7代目柳亭小燕枝]が名古屋の含笑寺から中継
「尾張名古屋はシロでもつ」なるほどね。
ブザーが鳴って得点ドン!

不明
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不明
紅 組 優 勢 !
 60 llllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllll

函館市
福島市
名古屋市
大阪市
広島市
松山市
福岡市
那覇市
会場審査員

合 計

不明
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不明

lllllllllllllllllllllllllllllllllllllllll 41

天神ばやし

茨城県常陸太田市の方々と共に、紅組メンバーが出てきて踊りを披露したが、何かをいうのを忘れた模様。

応援合戦21:56→
←21:58

ザ・ドリフターズ [いかりや長介/荒井注/高木ブー/仲本工事/加藤茶] 登場!

「さぁ〜いってみようか〜!」といつもの調子のいかりや。今回は応援団風。珍しく加藤が大きな声を出し、誉められるが押忍を求められてもいないのに続け(実は後ろで仲本が足を開いていた)、結局突き飛ばされる。その後応援団長いかりやの合図で応援が始まるが、メンバーは全くやる気なく、いかりやが客席の方を向くたびに帰ろうとしてしたり、怠けたりする。気付いたいかりやは彼らを下手に追っかけまわして応援は終了。

山本 リンダ(21)
<キャニオン>
どうにもとまらない
(1972.6/5)
ダン池田のコンガにのせられて、リンダ奇跡の復活。かわいいイメージはどこへやら、完全に大人の女性になっていました。しかしこの人は本意かどうかは知らないがこの世で一番可愛いのは私よといっているような感じが本当にした。
 当時にしてはかなり過激なへそ出しルックで踊り狂った印象。それでもリンダにはこれが似合うのがいいよね。ちょっと伴奏がうるさすぎたような感もある。
(32位/33.5万)
←21:59
22:02→
尾崎 紀世彦(27)
<フォノグラフ>
ゴッド・ファーザー〜愛のテーマ〜
(1972.7/5)
ハイセイコーなどの頑張りで活況だった競馬界、サブちゃんと馬トークが盛り上がった宮田さんであったが、キーヨは乗るほうが好きなんですってね。
「こころの炎燃やしただけで」のB面だが、こっちの方が有名。
 さすが和製トム・ジョーンズ、洋楽もうたう。でも、日本語の詞ってやっぱり様にならないなと思うのは、僕だけかなあ。英語の方が売れたしね。
(48位/23.1万)
うつみみどり(29)・小鹿ミキ・天地総子(31) 登場!(22:08)
「浅丘ルリ子でございます」「池内淳子でございます」「丹下キヨ子でございます」ってこれはオチなのか?
とりあえず紅組のために花束を持ってきたということで、誰にあげるかを議論しているところへ
笑福亭 仁鶴(35) 登場!(22:09)
最初は変な格好していて、「どうせ白組の勝ちですから」と花束を3人から奪う。小鹿が驚異的な追いかけで仁鶴をとっつかまえるが、実は変な格好をひとつ脱ぐとタキシード姿の好青年?に早がわり。それならと3人もよろこんで花束をあげるが、
それには仕掛けがついていてビヨ〜ンと棒状のものが出てくるはずだったが、なかなか出てこなくなり失敗。
収拾のつかない応援になってしまった。
いしだ あゆみ(24)
<日本コロムビア>
生まれかわれるものならば
(1972.11/10)
佐良が会場のお客様に直接インタビュー。生まれ変わったら何になりたいですかなんていきなり質問されて答えられたら、かなりの芸達者ですよね。 まあ今のカチカチのNHKよりは数段いいでしょう。曲はいい曲でした。
 生まれ変わるというよりは、なんだが夢の中へ逃避行している感じの歌詞ではあるが、まあいいか。生まれ変わったってそうはうまく行きはしないだろう。
(週間最高43位/4.2万)
←22:06
(曲間↑)
22:10→
青い三角定規
<日本コロムビア>
太陽がくれた季節
(1972.2/25)
レコ大新人賞受賞。ボーカルは女性だが多分女ひとりなんで白組にしたんでしょう。
「ニカクがだめならサンカク」だそうな。
 こういう青春系とか、汗を流す系の歌はこの年あたりにだいぶ流行った。さわやかさが前面に出ている歌唱だったが、ちょっとボーカルの女の子がオーバーペーズに踊りすぎ、最後は息も絶え絶えになっていたのは残念。
(10位/50.2万)
南 沙織(18)
<CBSソニー>
純潔
(1972.5/21)
そうですよ。沖縄が日本に返還されたのがこの年ですからね。
 「女の子は夢の中で明日も生きていくのよ」なんて普通の人が歌ったらふざけんなと思うかもしれないが、この人自体純潔という感じだったので全然文句はなかった。 文句を付けるとしたら「私愛してる 彼も感じてる」の後のアアアア…は一体何を表しているのか?それって純潔な行動ではないのでは?まあいいか。結構売れたし。
パンダの中身は天地真理と、小柳ルミ子と久しく見なかった谷啓。
(28位/35.1万)
←22:12
22:15→
野口 五郎(16)
<ポリドール>
めぐり逢う青春
(1972.9/1)
なんと新御三家で最初に紅白に出たのは五郎。堀越学園高校からやってきました?
 歓声がバカみたいに凄い。本当に細い体で目いっぱいに歌うので今にも倒れそう。まあ、これは、振り切れるほどの歓声を上げるお客さん達にも言えることなんですけどね。
「離さない 離したくない…」のところでは絶叫も最高潮、一体何を考えて彼女達は叫んでいるのか?
 まあ、何も考えてないというか、考える暇すらなくひたすら叫んでいるんでしょうけどね。
(週間最高12位/15.2万)
ザ・ピーナッツ
<キング>
さよならは突然に
(1972.9/10)
14 もうすっかりお馴染みの宮川泰の応援指揮である。「飛び入り」とアナウンスしたわりにはきっちりテロップが出るのは飛び入りじゃないという証拠です。
 まあそれにしても指揮が変わるだけで演奏の質もガラリと変わってしまうのですよね。これは凄いなあと思ってしまうのですが。
(週間最高27位/12.2万)
←22:17
22:20→
ビリー・バンバン
<日本コロムビア>
さよならをするために
(1972.2/10)
ギターデュオ。いいハーモニーを聞かせてくれる。さよならを するーたーめに〜 それだけでもいいのだが、この人は特別に上条恒彦・鶴岡正義のギターの応援があった。ムードとロシアが一緒になった面白い顔合わせである。
 ビリーバンバンは他にも名曲をたくさん出しているが、なぜか出場はこの一回だけ。今も精力的に活動していて、なおかつ話も面白いのである。
(3位/66.7万)
「藍より青く」の出演者 登場!(22:22)
真木洋子とのトーク炸裂しましたが熊本弁で何言ってるか分からん。
え?年越しラーメン?そんなのがあるんかい熊本には!
そしてお父さんの手締めは猟師の手打ち、2-2-3だそうだが、
おそらく事前練習を全くしていなかった会場のお客さんには、というか日本国中理解不能。
3-3-3の手拍子になってしまいました。これが元で次の年はオイルショックになったんですよ。?
本田 路津子
<CBSソニー>
耳をすましてごらん
(1972.7/21)
「藍より青く」を受けての出場。
 耳をすましてごらん あれははるかな海のとどろき… なんか母性が湧き出る歌い方ですなあ。
 しかしその中にも母親としての強い心が表れているような気がしますよ。
 素晴らしい歌でした。
(週間最高11位/21.5万)
←22:24
22:26→
西郷 輝彦(25)
<クラウン>
愛したいなら今
(1972.7/25)
もうすぐオジサンになるので? というギャグは程ほどにして、
 うしろで踊っていたのはフォーリーブスだということだが、どうも違う人が一人交じっていた。女性に見えたけど…?2番からはワールド・ダンサーズが後ろを飾った。
 新御三家も、現在出ているのは2人。この人の売上も減少傾向で、時代が変わりつつある印象は拭えなかった。
(週間最高?/通算売上2.7万)
森山 良子(24)
<ビクター>
美しい星 なんだったかの原因で1年間の休養の後の再出場である。作曲した村井邦彦が指揮で応援し、東京放送合唱団もついてのスケールの大きな歌唱となった。
 この曲は恋愛ものというよりは、地球を大切にしようといった意味合いのなかなかの曲である。時代が時代だっただけにもうちょっと長く歌って欲しかったところだ。
←22:29
22:32→
菅原 洋一 (39)
<ポリドール>
知りたくないの
(1967.11/5)
初出場のときの曲。
 このときはハンブルグにいるハウゼから電話が届いたそうである。このころになると菅原洋一も世界的な歌手になりつつあったということを示しているだろう。
 応援指揮は福村芳一。
(週間最高41位/2.0万 但し集計期間外の売上あり)
クレージーキャッツ 登場!(22:35)

白組の応援をしようとする一同だが、なぜか谷啓(40)だけ様子がおかしい。号砲を鳴らしても、ハンケチを振っても、上着を脱いでも赤。赤いチョッキの下にはさらに赤いネクタイ。そして白組の為に捧げるはずの白い花は赤だった。メンバーに呼びつけられた谷はハナに頭をたたかれると、口から白い花を吹きだして大団円。

藤 圭子(22)
<ビクター>
京都から博多まで
(1972.1/25)
あわれ恋人を追っていった女性は博多のクラブに住み着き京都弁が抜けて博多っ子になったのでした。
 本当にお人形さんみたいなドレスを着て顔もお人形さんみたいで、娘よりかわいいね。でも娘さんも最近は本当にお母さんに似てきたよね。
 拍手はひときわ大きかった。
(週間最高20位/13.8万)
←22:36
22:39→
美川 憲一(26)
<クラウン>
銀座・おんな・雨
(1972.5/20)
そんなに売れている印象がないが、なぜか紅白には続けて出ていると言うのはすごい。
 1番と2番の間に銀座の夜景が映ったが、車のヘッドライトだけで夜景という感じではなかった。まあ裏返すとそれだけ紅白を見ている人が多いということで、平日の夜景は30年前のこととは言えこんなものではなかったはずだ。
 あとで紅組に後押しされるが、もちろんこの頃は中性的なイメージではなかった。
(週間最高50位/4.5万)
欧陽 菲菲(23)
<東芝EMI>
恋の追跡(ラブ・チェイス)
(1972.4/5)
 去年は惜しくも出場ならず。ということで紅白で雨の御堂筋は歌っていない。
 派手な踊りはポピーズでした。
 しかし、この曲も売れなかったわけではない。背景を真赤にしての登場であった。サビの部分の語尾は、振りがあるためにちょっと聞きづらかった。歌詞がテロップで出ない限り一寸理解できにくいのではないか。
(36位/29.0万)
←22:41
22:44→
上条 恒彦(32)
<キング>
出発(たびだち)の歌
-失われたときを求めて-
(1971.12/1)
いろいろな職を転々とした彼がようやく上った紅白の舞台。「木枯らし紋二郎」のテーマソングだったが、独立した曲としても十分素晴らしい歌である。ギターは小室等。
 歌っている途中勢いあまりメガネ吹っ飛ぶ。踏み潰されたくなかったので?すぐに拾いに行く。意外と細目でチャーミングだったような、気がする。
 曲が終わったかと思った後の大合唱は涙を誘うものだった。
(34位/29.1万)
中間審査発表(22:47)
池内淳子は紅の方がよろしいということでした。

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紅 組 優 勢 !
 54 llllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllll

函館市
福島市
名古屋市
大阪市
広島市
松山市
福岡市
那覇市
会場審査員

合 計

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lllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllll 46

てんぷくトリオ 登場! (22:49)
白い牛を持って来て牛についてあれこれ言っている間に、由紀さおりがカルメンの踊りをして登場、華麗なステップから
続いて紅組の闘牛士が現れて、白かった牛が赤べこに変わってしまう。
そしててんぷくトリオが心変わりをしてしまったというものである。
小柳 ルミ子(20)
<パイオニア>
瀬戸の花嫁
(1972.4/10)
実は新三人娘の1人。このころはこれを歌っても似合ういい女の子だと思ったのだが。 まあ、人は外見では分かりませんよね。
 「ふるさとアイドル歌謡」の第一人者で、この曲もその一環であった。前年の最優秀新人賞の流れから、レコード大賞の線もあったが、残念ながらそううまくは行かなかった。しかも、実況が曲間を間違えるハプニングを起こしてしまった。
(2位/70.0万)
22:51→
(曲間)↓
←22:55
三波 春夫(49) 「大忠臣蔵」より
あゝ松の廊下
15 本当にこの人は忠臣蔵ものをよく歌うし、それが似合っている。 とくに紅白においてこのジャンルは重要な意味をもつのである。
 どちらかというとこれは浪曲の意味合いが強く、やはり彼の鬼気迫るセリフのところではひときわ大きな拍手が起こった。恨むべきは時間の少なさということになるだろうか。
コント55号 登場! (22:53)
まだNHKと仲たがいしていなかった頃の彼らが登場。萩本欽一(31)が白い忍者、坂上二郎(38)が紅い忍者で、本当は紅の応援をするはずの坂上はなぜか紅を茶化すような発言をしながら白のベンチと紅のベンチとを行ったり来たりする。
以下は彼らの全コメント。先攻萩本。

白勝てよ
紅負けろよ
紅ぜんざい(?)
紅ダハァー(嘲笑)
「言わない」
紅ペンペン
信用してもらわなくたっていいよ、本当は白の味方だ







白勝てよ
白頑張れよ
白バンザイ
紅、あいつ信用すんな
白立派
紅、あいつはダメ
白、紅、あいつ信用するんじゃないぞ
と言いながら坂上は紅い服を脱ぎ、下に着ていた白い服を見せる。その瞬間マイクまで落っこちる。
だがこれでは終わらず、何を隠そう萩本はちょっと時間がかかったが服を脱ぐと黄色で、
「黄組なんかないじゃないか!」とどつく。そのたびにこける萩本はもうお家芸。
かなり出演時間が長かったが、「NHKに紅白しかでらんないんだもんね」だからだそうだ。
平田 隆夫とセルスターズ
<徳間>
ハチのムサシは死んだのさ
(1972.2/15)
ちょっと見方を変えると反体制的な歌で微妙だが、ストレートに「勇気ひとつをともにして」の現代版ということで。意外にもその前の年に出した「悪魔がにくい」はこの年の5位、65.1万枚を売り上げている。
 でも、歌唱力があるわけでもなく、ただのママさんコーラスみたいな感じなんだけどね。
 ところで最近川瀬智子という歌手がTommy february6 という名前でCDを出しているが、向って左側の人が微妙に似ている。
(43位/26.0万)
22:58→
←23:00
水原 弘(37)
<東芝EMI>
お嫁に行くんだね
(1972.3/5)
一風かわった披露宴ソングで、彼女に振られた人にも配慮している。よっぽど強い女の子だったんだろう。
 ハワイのレイを首にかけて元気に歌う水原だが、実は新曲を紅白で披露するのはこれで最後となってしまった。「あなたのメロディー」の前年の最優秀歌で、それだけに素晴らしい歌である。最後の「倖せにね」がバッチリ決まりました。
(週間最高81位/1.0万)
島倉 千代子(34)
、日本コロムビア>
すみだ川 16 そういえばこの年、昭和47年は柳家金語楼(享年71)、東海林太郎(享年70)が亡くなった。
 島倉千代子はその東海林の歌を引き継いで持ち歌にしているのだから凄い歌手だと言えるのだろう。
 その後、若き日の坂東玉三郎が現れ、情感たっぷりの舞台となった。
 23:03→
←23:07
フランク永井 君恋し 16 これも一回 どころか二回歌っている。遠い昔の話。トランペットにニニ・ロッソを迎える。 有名な「夜空のトランペット」の伴奏から導入するなんて、なかなか小粋なことをするじゃないですか。今までとは全然違う曲調に仕上がって、素晴らしかったですよ。
都 はるみ(24)
<日本コロムビア>
おんなの海峡
(1972.10/10)
演歌は日本人の心とは言うが、それほどこのころはメジャーとはなっていなかった。しかしファンの多いこと。
 途中函館山からの中継があったが、いきなり画面の淵から暗くなっていったので、最初は事態を飲み込めなかった。いくら顔が…といってもこんな中継をされたのではたまらない。
(週間最高76位/3.8万)
 23:10→
←23:13
橋 幸夫(29)
<ビクター>
子連れ狼
(1971.12/25)
13 こんな遅い時間に子供は出てこれないのでコーラスにはキャンディーズとスクールメイツを採用した。え?キャンディーズ??
 大五郎が殺人容疑で逮捕されてしまってはちょっと感動も薄れるだろうが、しかしこの子役がとてもにくかったのである。
 しかし、橋幸夫もこの曲は売れてホッとした一曲だろう。但し、最後の売上年間ベスト50に入った曲である。
(23位/37.5万)
ミニ応援合戦(23:15)
音無美紀子(23)・松坂慶子(20)が白組の方に「おみやげです」と箱を渡すと赤いタコの風船が紅組の方に飛んでいった。
これに対し志垣太郎(21)が義経の姿で登場し舞台の上の方に矢を射抜くと「白組の大勝利を祈る」という垂れ幕が下がった。
ちあき なおみ(24)
<日本コロムビア>
喝采
(1972.9/10)
日本歌謡史中最高の名曲。 さほどの売上ではなかったが、恋人の死という悲しい物語と、曲の作り方、そして歌唱と全てはまっている。
 ちあきはここでアイドル色を脱したと言っても良いだろう。しかしトリじゃないのはかわいそうだね。でもレコ大を取ったから売れた、といっても過言じゃなさそうだな。 まあ、レコード大賞は必ずしも売上だけでは決定しないということを強烈に知らしめた曲であったのだ。
(週間最高2位、'72は18.0万)
 23:16→
←23:19
沢田 研二(24)
<ポリドール>
許されない愛
(1972.3/10)
タイガース解散後長髪解禁?で初出場。とんで もなく黄色い声が飛んだ。 初出場にしてはラスト4組という非常にいい位置での登場だが、それ以前の実績がありすぎるくらいある。かなりのオーバーアクションでの熱唱。
 演奏はザ・いのうえバンド。
 応援合戦のときから宮田アナのマイクが切れてしまっていたというハプニングも起こった。
(27位/35.2万)
青江 美奈(25)
<ビクター>
日本列島・みなと町
(1972.10/5)
舞妓さん?姿の佐良が「次は紅どすか、白どすか、青江〜」と冴えないギャグ。
 演歌のテイストを少々見せながらやはり彼女のブルース色を存分に見せ付け、なかなかの名曲に仕上がっている。この歌も釧路〜東京〜沖縄となんと日本の領土が広がったからってそこまで南下することもないじゃないかい。
(週間最高39位/7.3万)
23:22→
←23:25
五木 ひろし(24)
<徳間>
待っている女
(1972.5/10)
このころからあの五木のフリが出てきたような気もする。こ〜れっきーりで〜〜
 青のキンキラとした結構派手なドレスで、なぜか黄色い声援もちょこっと聞こえてきた。
 初出場の面々がコーラスで応援した。しかしなぜかにしきのあきらも応援。ようはどうでもいいんじゃないか。
(40位/27.3万)
水前寺 清子(27)
<クラウン>
昭和放浪紀
(1972.10/20)
この人が女歌を歌うとはそれだけでびっくりだが、演歌というジャンルを外れた歌を紅白で歌うこと自体異例。本当に演歌とは思えない曲調だ。
 って歌詞見たら女歌じゃなくてやっぱりそういう女の心を歌った男から見た歌じゃないかい。
 しかしチータは歌は売れなくても全てに力強いし、見てて好感が持てるキャラクターである。
(週間最高66位/4.2万)
23:27→
←22:30
布施 明(25)
<キング>
マイ・ウェイ あのすごい歌唱力でマイ・ウェイ?
 最初はわりと静かな入りだったが、段々と壮大なスケールの音楽になった。しかし、テンポにやや遅れる歌唱は、ストレートには伝わってこなかったと言った方がいいのだろう。
 それと、前年宮川泰に大半の場面を持っていかれたので、今年はもっと派手に行こうとして、胸に400個あまりの電球で作ったバラを灯したらしいが、全然目立たず、本人も後で「失敗だった」と認めている。
美空 ひばり(37)
<日本コロムビア>
ある女の詩(うた)
(1972.11/10)
16 9年連続トリ。最多出場記録更新。
「この方の歌声を聞かなければ新しい年がやって参りません」と持ち上げるぐらいの存在にまでなったが、売上はトリをとるほどのものではさすがになくなってしまっていた。しかしそのあとなぜか宮田アナが曲紹介をするというのは、やはりかくが違う歌手だからだろうか。
 売上自体はそれほどでもなかったが、それでも素晴らしい歌い方で場を盛り上げた。これが現役出場での最後の歌唱となってしまった。
 ということで、NHKとケンカ?して次の年は選ばれず、紅組は大黒柱を失うこととなった。
22:33→
←23:37
北島 三郎(36)
<クラウン>
冬の宿
(1972.11/20)
10 10回目の出場にして初トリ。サブちゃんもよく耐えました 。
「ああ…遠い人になってしまった…」というで出しは成功。これもどちらかというと演歌ではなく、歌謡曲のジャンルで、3拍子で朗々と歌い上げる、まるで五木ひろしのような曲調である。
 サブちゃんにしては本当に珍しい。
 売上はなんとか週間100位に入るぎりぎりぶり。
(週間最高100位/2000枚)
最終結果発表(23:40)

 6 ●●●●●●
 9 ●●●●●●●●●
 5 ●●●●●
  8 ●●●●●●●●
5 ●●●●●
6 ●●●●●●
5 ●●●●●
7 ●●●●●●●
 8 ●●●●●●●●
紅 組 優 勝 !
 59 lllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllll

函館市
福島市
名古屋市
大阪市
広島市
松山市
福岡市
那覇市
会場審査員

合 計

●●●● 4
● 1
●●●●● 5
●● 2
●●●●● 5
●●●● 4
●●●●● 5
●●● 3
●●●●●●●●●●●●● 13

lllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllll 42

 優  勝     紅  組 (12勝11敗)