書 店 

     

 ソウルに、大型書店が2つある。地下鉄の駅からも直接いけるので、1つの書店は、よく利用した。

 書店に入るとまず、「ここは、図書館じゃないのだ!」と、私は心の中で叫ぶ。

 だいたい本棚の下は、ちゃんと腰掛けられるスペースもある。その棚にある本、見たいんだけどなあ、

 と思っても、座っている人がいて見えない。言わないともちろん、どいてくれない。

 音楽書のコーナーにプリントを持った人が4、5人来て、みんな売り場の本を開きながら、メモをとって

 いる。やっぱりここは本屋じゃなくて資料室か・・。

 これを見るたびに、私はおかしくてたまらなくなる。ここは本屋なのになあ・・・といつも行くたび思う。

 でも、このサービス?を考え出した人もすごいけど、そんな椅子サービスがなくても、韓国の人は同じ

 ように、使いそうだ。でも、そんな地べたに座り込んで読まなくても・・。

 休日の大型書店は、家族連れでも賑わい、若者でも賑わい、わさわさしている。静かな、本に囲まれ  

 た空間が好きな私は、このちょっとした食品売り場か、服売り場のような賑わいでは、ゆっくり本を見る

 という感じがしないのだが、デパートっぽくて本に親しむのには、子供にとってはいいのかなあ・・・?

 でも図書館代わりに書店を使うのは、まだ私には気が引ける。

 といいながら、棚から本を取り、座って読む味もしめているのだが・・・。