Me and Janis Lyn Joplin



 

Vol.1 私が彼女の歌に出会ったことで何が変わったのか?

 

 

私とジャニスの出会い...それは、ある月の綺麗な寒い夜でした。家路を急ぐ私の耳に割り込む様に入ってきたしわがれた歌声は凍てついた私の心をつつみ込み、二度と忘れえぬ強い衝撃となって、私はすっかり虜になってしまいました...。

というのはまるっきりウソです。おぉ〜っ、さぶ〜。書き慣れない文体で書くもんじゃぁないですね。次から普通に書きます。

正確にはいつなのか思い出せないのですが、中坊の頃FMで何気に「サマータイム」を聴いたのが最初でしょうか。その頃は有名なスタンダード・ナンバーをイイように歌っているなぁ〜と、当時の私にはシド・ビシャス(SEX PISTOLS)が歌う「マイ・ウェイ」と同程度の認識しか持ってませんでした。頭悪いっしょ?お子様だったからつーても、スキル低すぎるよな〜。 (今もかな?)

そして、時は流れ、20歳になったぐらいの頃、バイト先で知り合った友人宅で色々聴かせてもらっているうちに(それまではHR/HMとプログレしか聴いてなかったのに、彼のおかげでジェイムス・ブラウン、スライ・ストーン、オーティス・レディング等を知る事が出来たのです。勿論、ジャニスも。THANX!)ジャニスにたどり着きました。カートン・ボックスに入った2枚組ベスト、誰だか忘れたけど「ジャニス〜、何で死んじゃったんだよおぉぉぉー!!」と酔っ払いがくだを巻いてる風のイカしたライナーノートがついてて、最高でした。

その翌日、すっかり感化された私は渋谷のタワー・レコード(昔は東急ハンズの近くにありました)チープ・スリルを購入しました。もう、それから先は書かなくても実際こういうサイトを作っている事でお解りいただけると思います。

 

 

Vol.2 なんだかんだいって大好きな歌い手には違いあるまい

 

私はジャニスの何に惹かれているのだろう?勿論、ルックスではない。破滅的な生き様?これも違う。歌手なんだから当たり前なのだけど『歌』。彼女の歌には何でしょう、「やりきれなさ」が常に漂っています。愛を求めるけれどむくわれない歌が多いですが、単に愛する男性との肉体的/精神的な駆け引きだけでなく、大きな父性愛を求めたり、逆にしょうがねぇ奴だなぁと母性愛で包んだり、だけど、やりきれなさ、もどかしさは否めません。

すごい乱暴で失礼な言い方かもしれないけれど、もしジャニスが容姿端麗で、誰からも愛される幸せな日々を送っていたら、きっと歌手にはなってないし、なっていたとしてもあんな歌は歌っていなかったでしょう。ジャニスが最初に人前で歌ったのは、場を盛り上げる為でもあり、「私を見て!」という思いだったと思います。そして彼女はステージに立って、歌い、オーディエンスと一体になることによって満たされるのです。この感じ、プロ・アマ問わず、表現が音楽でなくても、人前に立ってなにかをやりとげた時、それが上手くいった時の高揚感は本当に何よりもイイものだから、尚更、ライヴ終了後はよけい孤独感に苛まれるという不条理さ。たまんないでしょうねぇ。

もしも、側に誰かがいてあげていたら、もっと長生きできたのかもしれません。というか、いても誰も彼女の本質を見抜けなかったのかも...実際身近にジャニスがいたら、なんせあの気性だから友達以上にはなりたくないというのが、男としての正直な気持ちです。多分ジャニスが求めれば求めるほどエキサイトしすぎて、思わず男は退いてしまったのでしよう。

だからジャニスの破天荒なトコロも笑ってつつみ込んでくれるオトナの男性を求めていたのかな?って思ったりしました。ジャニスっていわゆる『ファザコン』?思春期に保守的な町ポート・アーサーで「変わり者」と呼ばれて過ごして、それに輪をかけて保守的な父親、上手くいくワケがない。歌詞にもDADDY!」 と心情をわかってほしいと訴えかける歌があるから。「理解して欲しい」「愛して欲しい」と混沌としたトラウマがジャニスの歌の源ではないかと私は勝手に思う次第なのです。

そして私は今日もJANISの歌を聴くのでした。

 

 

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