『CRYING DESTINY』

IRON-CHINO&まいなすいょん という、IRON ATTACK!オリジナルメンバーによる久々のアルバムであり、また、同メンバーによる初の東方アレンジ作品。

 〜まいなすいょんによる解説〜
■GETTING LOST ROSES (原題:少女幻葬)
ゆかりんが登場する前に私たちの前に立ちはだかるのは、藍。
そんなゲームの流れを頭から消す事はできず、ネクロファンタジーを
アレンジしてもらいました。
ギターの響きがもたらす頭の中に浮かんで消えない情景は、流石としか言えません。
でも、浮かぶのは刑事ドラマのラストの港の風景なんですが・・・


■TRUE EVER ROSE (原題:ネクロファンタジア)
幻想郷に彷徨いこんだ、ひとりの少女。
あらゆることに悩み苦しみ、心の迷路から抜け出すことができない日々。
気付けば、いつしか幻想の郷に立っていた。進むことも戻る事もできず、
周りのものは全て自分に襲い掛かるようにさえ見える。
その少女を迷い込ませたのは紫なのか、そうでないのか・・・
心の闇でもがくことしかできない少女に、ゆっくりと紫は語りかける。
生きる事、立ち止まる事、だれもが目には見えない大きな流れの中にいる事・・・
少女は歩き出す。
その先に、光があるのか、それともただ闇が続くのか・・・
救いはしない。行く先を決めるのは、自分自身なのだから。

■Le DEVIL rouge de Ville (原題:亡き王女の為のセプテット)
この曲が東方で初めて好きになった曲です。
それだけに、ヴォーカルアレンジでは定番ではあるけれど、
選択肢から外す事は出来ない曲でした。
そして、初めてこのアルバムで作詞をした曲です。
咲夜さんに対するレミリアの想い。そして、霊夢への想い。
本能は、簡単に衰えることはありません。紅魔郷の闘いが終わっても、
その後ともに楽しく過ごす時間があったとしても、いつかは・・・と隙を狙っていると
思うのです。
誇り高く、美しく、我侭で愛らしい吸血鬼のうたです。

■MOON PHASE (原題:竹取飛翔)
想像していた竹取飛翔のアレンジとはまるで違うものでした。でも、だからこそ
IRONがアレンジする意味があるというもの。
暗く押し寄せるような心の淵を覗いてしまった・・・そんな気持ちにさせる曲だと思うのです。
マイペースに、しれっとしているように見えたって、あの日を振り返る夜だってある。
見上げれば、そこには月が浮かんでいるのだから。
まるで、何かを語るように、責めるように…
だけど、いつだって傍にはあの人がいる。厳しく優しく、いつだって変わらず。
多くのものを失ったようで、多くのものを手にした。
あのとき美しく光っていた蒼い星に今、私はいる。もう戻ることはないけれど、
きっと、しあわせだと言える。そんな『ありがとう』が聴こえますように・・・

■over the rainbow (原題:ラクトガール)
他の曲は、そのキャラのことを考えると、わーーーっと自然と言葉が滝のようにふってくるので
苦労しなかったのですが、唯一作詞に苦労したのがこの曲でした。
パチュリーの心が、なかなか掴めなかったのです。
よくある設定ですが、幽閉された(ラクト)少女というだけあって、
この紅魔館に、図書館に閉じ込められているような環境で、そこから飛び出すこと
はできないんじゃないかという固定観念のようなものがあったのです。
ですが、大好きな本に囲まれて、紅魔館の人たちが好きで、パチュリーは決して不幸なんかじゃないな、って。
だけどもし、不幸なことがあるとすれば、同じ環境のなかで、変わることのない毎日で、
味わうことのなかった、あの感覚。
姿を見るだけで世界はきらめき、体は熱くなり、心臓の鼓動が周りに聴こえてしまいそう・・・
彼女の心の鍵が開いたときの、暗闇で廻りだす眩しいメリーゴラウンドのような気持ち。
それを、詞にしました。
好きな人と見たいよね、美しい空、風景、季節のやさしい流れ・・・
魔法をかければ、ほら、この図書館が美しい世界に変わっていくよ。

■〜AETERNITAS LUDOLOGY〜 (原題:エクステンドアッシュ×月まで届け、不死の煙)
来ました!
来ましたとしか言えません。私は慧音が本当に本当に好きなんです。
いつも妹紅の傍でやさしい瞳をしている、慧音。
自然と私のなかでこの2人の物語が出来上がっていました。
そのために、この曲は『物語』として出来ています。
慧音のことば、妹紅のことば。交互に想いを語り、歌を歌う。
二人は出会い、心の距離が近づき、だけどどうすることもできない妹紅の深い闇。
もし大事なひとが心に傷や闇を抱えていたら、どうすればいいのでしょうか。
永遠に答えや終わりは来ないでしょう。だけど、自分と居るときに見せるこの笑顔は、
絶対に守りたい。
二人とも、迷い、悩み、苦しみながらやさしく傷を舐めあっている。
『AETERNITAS LUDOLOGY』とはラテン語で『永遠の戦い』
永遠に相手と戦い、自分と戦い・・・
だけどいつしか安心して眠りにつけるようになりますように、
引きずり戻されることなく前を向いて笑いあえる日が来ますように。

■SPEADMASTER DRIVE! (原題:妖怪宇宙旅行)
儚月抄に収録されている曲です。
実は、これは『楽しんでなんぼじゃないの』というレミリアをイメージして
詞を書きました。
『面白そうだからやる、行く、それ以外に今何があるのよ?』
『全く、しょうがないわね;』
そんなレミリアと霊夢の声が聴こえてきたら嬉しいです。
IRONからリクエストがあったので、サビではみんなで叫べるように、
タイトルを歌詞に入れました。
もしライブでやることがあったら、みんなで叫びたいですね!

■CRYING DESTINY (原題:懐かしき東方の血)
来ました、慧音2曲目です。
これは、かつて自分も人間であった慧音の、人間に対する想い。
生きるとは何なのか。運命とは歴史とは何なのか。
慧音先生が、ひとりひとりの心に輝く星に語りかけています。
歳月が流れると、同じ場所にいたはずの人々も巡り、流れていく。
旅立つことが不安でも、皆、ちゃんと心に星を持っているから。
その輝きを信じて、生きていって欲しい。そんな想いを込めました。