JIMI HENDRIX

Gibson Flyng V

Fender Stratocaster

Fender Stratocaster

Jimiの使用アンプといえば、やはりマーシャルでしょう。100ワット3段積みを2セット並べて使っていました。
他には、SunnやSound-city、フェンダーのデュアルショーマンなども使っていましたが、長続きしなかった
ようです。
左から、Vox WawPedal、ユニヴァイブの代わりに使用しているDejaVibe
ロジャーメイヤーのOctavia、FuzzFace

(管理人所有)
これが本物のユニヴァイブ。ウッドストックで、シュワシュワいっていたあの音です。日本製だったのに、国内でみかける事はありませんでした。71年頃のミュージック・ライフにシンエイの広告が載っていましたが、ユニヴァイブは無かったように記憶しています。
Jimiが比較的、後期に使用していたのと同タイプのモデル。ギブソンは他SGCustom.Lespaul Customなども使用していました。
最も有名なのが、白の貼りメイプルのストラト
キャスターでしょう。初期にはスモールヘッドの
サンバーストなども使用していました。
このタイプの黒もけっこう使用していました。
ここでは、ジミ・ヘンドリクスのギタープレイを中心に書いてみたい。
まずは、彼の使用機材を見てみよう。

JIMI HENDRIXの奏法について

ジミの奏法を日本人がやる場合、ネックとなるのは、まずその手の大きさです。異様なまでにでかい手でにぎられるネックを見ると、上から出た親指で全弦押さえられる程です。その結果ジミは低音弦を親指で押さえながら他の指で、かなり離れた位置の高音弦を押さえる事ができますし、ミュートもやり易いように思われます。ミュートの話がでたところで、ジミのミュートについて少し書きたいと思います。モンタレーのジミの映像をみますと、キリングフロアーのイントロにおけるコードカッティング、ライク・ア・ローリングストーンの歌のバッキング、等でみられる、ネックを鷲づかみにして、全弦ストロークしているのに、鳴っている弦は3本ぐらいというのが、ジミのコード弾きの特徴ですが、これは、あのでかい手だからできる技だと思います。まあ、手が小さくても、できることはできるんですけどね。それとピッキングについてですが、かなり小さいティアドロップ形のピックを摘まむように持って、黒人に多いピックの弦に対する進入角度が逆のスタイルみたいです。それからピッキングの際、ピックの他に人差し指の爪や腹も同時に弦にあたっている事が多く、独特の音色を生み出す要因の一つになっています。もう一つ、ピッキングフォームについてですが、右用のストラトを左で持っているため、インプットジャックが上にくるので、通常のフォームでは、腕がジャックにあたり、弾き辛いのですが、jimiの場合、腕が長いので、ジャックの下から腕を回しても弾くことが可能なので、この問題をクリアしています。そして、手首の力を抜いて、ブラブラしたような状態で、軽くピッキングしているようです。それから、Jimiの場合、ジョニー・B・グッドのような8ビートの曲でも、コード・ストロークは常に16ビートの動きをしています。これは、下積み時代にR&Bのバックをたくさんやってきたのと、黒人独特のリズム感によるものと思われます。


Martin Scorsese Presents the Blues:
Jimi Hendrix
(輸入盤)



                                  
JIMIが使うコードと音階について
ジミがよく使うコードは7th,9th,11thなどを含んだテンションコードが多く、R&B、ジャズ、ブルーズからの影響が伺えます。最も代表的なコードはE7(#9)で、通称ジミヘンコードと称して、広く親しまれています。このコード」を弾く際、長3度を押さえる人がいますが、ジミの場合、ミュートしている事が多くm7とも取れる曖昧な響きになっているのでより自由度の高いメロディーラインが組み立てられる一因となっています。また、AngelやHave you ever been toElectric Lady Landなどで聴かれる、メイジャー7th,9th系のコードに装飾音を加えるスタイルは、カーティス・メイフィールドの影響と言われていますが、完全に自分のスタイルとして消化し切っています。その集大成といえる演奏は、Little Wing等で聴くことができます。次に、スケールについてですが、基本的には、マイナーペンタトニック、メイジャーペンタトニック、ブルーノートにドリアン、ミクソリディアンをからめるといった感じですが、たまにスパニッシュ風のコード進行で、フリジアンを使うこともあります。

                                    
JIMI HENDRIXサウンドの出し方について
ジミのサウンドを出すために、まず大切なのは、エフェクターの結線です。ギターの次はワウ、そして、オクタヴィア、ファズフェイス、最後にユニヴァイブがいいかと思います。(ただ、ユニヴァイブのかかりがキツイと思う場合は、ファズの前につなぐといい。)普通、ワウやユニヴァイブをファズの後ろにつなぐと、ファズ音が潰れてよろしくないのですが。(アーニー・アイズレーは、これをやって自分の個性にしていますが。)ファズフェイスは例外です。ただし、ちょっとしたコツがいります。それは、ギターのヴォリュームを必ず少し絞ることです。そのファズフェイスですが、このエフェクターはファズのくせにギターのヴォリュームを絞った時にクリーンになるようにセットすることができる優れものです。モンタレーで演奏されたCan you see meのピーピーいいそうなイントロの後、歌のバッキングになったとたんペケペケな音になっていますが、あれは、ファズフェイスのスイッチを切ったのではなく、ギターのヴォリュームを絞っただけなのです。筆者は、ファズのつまみは、ファズと書かれてある位置の前後で(ジージーいいだす手前)ヴォリュームはオンにした時にはっきり音量が上がったのが分かるぐらいにセットしています。ただ最近流出した68年のロイヤルアルバートホールのDVDを見るとファズフェイスは常にオンではなく、ブースター的にサスティーンが欲しい時のみ踏んでいるようです。

VOXのワウペダルは、クライベイビーなどと比べると、かかりが柔らかく、レンジが狭いのが特徴です。最近のモディファイワウなどは、レンジが広すぎるように思います。また、ワウ全般に言えることですが、ファズフェイスとの相性が悪く、ファズをオンの状態で踏むと音やせ、ゲイン落ちする事がありますが、この場合はギターのヴォリュームを少し絞る事で、解決できます。ウリ・ジョン・ロートはワウをファズの前後に1個づつ用意して、使い分けていました。

オクタヴィアは、Purple Hazeのスタジオ録音のギターソロにかかっている、1オクターブ上でチリチリ鳴っているあの音です。これはファズボックスの一種なので、基本的に歪んでいます。バンドオヴジプシーズのライヴでは大活躍していました。使い方としては、ギターのヴォリュームを8ぐらいにして、フロントピックアップで弾くと綺麗にオクターブ上が出ます。Who Knowsのギターソロではリングモジュレーターのように聴こえる所もありますが、ハイポジションの巻き弦(4〜6弦)を弾いた時や、和音弾き、チョップ奏法などをすると、ああいう音がでます。また、ギターのヴォリュームをフルテンにするとPower of Soulのギターソロのような、ハイエナジーなディストーションサウンドを作る事も可能です。


次にユニヴァイブについてですが、筆者は現物を持ってないので、なんとも言えませんが、代用品として使っている、フルトーンのデジャヴァイブでは、コーラス/ビブラート スイッチをコーラス側にして深さは7ぐらい、スピードはウッドストックを思い浮かべて、その都度気分でセットしています。ただファズフェイスがオンの場合は深さをフルテンにしないと、効きが悪いようです。次にギターについてですが、ギターはやはりストラトキャスターが一番かと思います。前期の音が好きな人はローズ指盤を、後期が好きならメイプル指盤のモデルがいいと思います。蛇足ですが、筆者が昔、ワイト島のレッドハウスをコピーしていて、どうしてもフレットがひとつ足りない箇所に直面した時、「これは、驚異的な指の力による三音以上のチョーキングなんだ。」と自分に言い聞かせていました。しかし、何年か後に、当時日本初公開の映画「ジミ・ヘンドリクス」を見たら、使用ギターが22フレットのフライングVだったので、愕然としたのを今でもはっきり憶えています(笑)。この時筆者は、「ギターの音色は、指で作るものだ。」と悟りました。それから皆さん既にご存知かと思いますが、ジミは、元祖、半音下げチューニングをやった人です。自分の歌声のキーの問題や、チョーキングのし易さなどを考慮したものと思われますが、まさか、これほどまでに普及するとは、ジミ自身、思っていなかったでしょう。

最後にアンプについてですが、スタジオでは、フェンダーなどの小型アンプも使っていたように思われますが(確認した訳ではない)、ライヴは、もっぱらマーシャル等の大型アンプを使っていたようです。デビュー当時のマーシャルとJimi晩年のマーシャルとでは、音がかなり違うので、初期のファズフェイスのカラーがはっきり出た音が好きな方は(特にAXIS BOLD AS LOVE)、現行のマーシャルよりもフェンダーのデラックスリヴァーブあたりを使った方がいいかもしれません。68年以降のライヴの音なら、マーシャル現行モデルでいいと思います。

                                         Jimi Hendrixのフレーズ集



次に、ヘンドリクスの特徴的なフレーズを幾つかあげてみたいと思います。まずはリードギターにおける一聴してジミと分かるブルーズリックを2,3聴いて下さい.
近日アップ予定。

ジミのブルーズだけを集めたアルバム、いろんなスタイルの
ブルーズを自分の物にしている事が分かります。手、でかい
よね。

Axis Out Takes
発売中。

ニューリリース!