御挨拶

2002.7.14第16回定演ザ・コンサートホール
「今度名古屋で、アンサンブルを立ち上げました。一度聴きに来て下さい」と、原さんから誘われたのは、もう15年以上も前のことになります。初めて聴いたのは、確か教会のような会場だったと記憶しています。それまで親しんできた、いわゆる“関西風の音色"とは異なる“色"に、少し戸惑いを覚えつつ、メンバーのテクニックの確かさと、呼吸の素晴らしさに驚きを覚えたのが、第一印象でした。

爾来欠かすことなく聴き続けた「HIRAD」のステージに助っ人(足を引っ張りに?)として、初めて参加したのは第10回のときでした。仲間と無理やり2部のステージを占領して(:マンドリンアンサンブル“まほろば"メンバーとして第6・第11回定演ヘゲスト出演)、下手な演奏を聞かせたりしましたが、何時の間にか“遠距離通楽"メンバー(:巣之内、矢島の両氏は大阪在住)として入れていただき、練習に参加するようになりました。そんな“遠距離通楽"の縁で、今回のコンサートにはお二人のゲストをお迎えすることとなりました。お二人とも“関西”の色が濃いほうだと私は思っています。いわば「きしめん」の中に「うどん」が混ざったコンサートになるのかもしれません。

3部の指揮者には、一昨年のこのコンサートに、手勢「エルマノ・マンドリン・オーケストラ」を率いて参加され、重厚なサウンドを聴かせていただいた木下正紀先生にお願いしました。先生はマンドリン・ギターの指揮者としても高名な方であり、その門下生の中からは「マンドリンソロコンクール」において、幾人もの第一位入賞者を始め
.幾多の入賞者を育てておられます。2部においてソロを聴かせて頂きます横山宏治氏も、木下門下のお一人です。

横山氏は第
9回目本マンドリン独奏コンクールにおいて第四位入口を果たされ、昨年まで東京の「ビアンカフィオーリ」のコンサートマスターをつとめておられました。現在は勤務の関係で名古屋にお住まいです。氏はマンドリンだけでなくマンドラ、マンドチェロの独奏にも素晴らしさを発揮され、本日もマンドラで、バッハを披露して頂きます。

1部に演奏いたします「TonalBlue」は、奈良にお住まいの新進気鋭の作曲家、河合摂子さんが、沖縄に題材をとられ「奈良マンドリンギター合奏団」の委嘱作品として1997年に作曲されたもので、それ以来の再演となります。河含さんは、大阪音楽大学作曲学科を経て同大学院で作曲を学ばれ、関西を中心にピアノ、作曲等に活躍されておられる、今注目の音楽家です。今回演奏を快く承諾いただき、中部での初お披露目となりました。

お楽しみいただければ幸いです。
本日のご来聴有難うございました。                巣