Poem 心の声を言葉にして

 


それは羽を広げる季節
草花や鳥達がいっせいに
それぞれの羽を広げて
風雪に耐え忍んだ冬を越えて
どこまでも羽ばたく季節
子供たちも野原を駆け巡り
新しい世界へと羽ばたく季節
羽を広げて自由に飛びまわる
心にも春がきた
いつまでも厳冬の季節を生きるより
赴くままに飛び出して
オリジナルの羽を広げればいい
誰にも似ていない
自分だけの羽を
心までは縛れないさ
どんなしがらみの嵐にも
立ち向かってみせる
そんな強い気持ちで
さぁ羽を広げよう

 

心ひとつ

進みたくて進む道もあるだろう
まだ見つからない未来
キミは進みたくないんだろう
まだ迷っているから
キミがひとつ決意をするなら
ボクがどこまでも手を取って
一緒に飛んであげるのに
この暗闇の世の中を
光に向かって進めるのに
キミがひとつ心に決意するなら
なんだって飛び越えられる
すべては
心ひとつで決まるんだ
誰の気持ちでもない
キミの心ひとつ

 

大好きな人に好きと言えない時

大切な人にありがとうと言えない時

困っている人に手を差し延べてあげられない時

私の心は朽ちている

潤いが足りないせいだ

心に水をあげよう

潤った気持ちで居られるように

やさしさの花を咲かせる為に

心からの声を届ける為に

 

幸せな時間

大好きな石鹸の香り
風にはためく洗濯物
無造作につるした
キミのトレーナーが
バイバイ
っと手を振る
何気ない日常の
小さなひとかけらを
毎日重ねていった時
そこには
大きな幸せの時間が
大海のように広がっている
大好きなこの町で
大好きなキミと
平凡な木漏れ日の午後

 

種を蒔く

心に種を蒔きました。
やさしさの野菜と
あたたかな花と
寛大な実のなる木の種。
それぞれの種を
それぞれのフィールドに
少しずつ蒔きました。
やさしさの野菜は
困っている人を助けてあげる心の畑へ
あたたかな花はいつでも笑顔で居られる畑へ
そして
寛大な実のなる木は
ゆっくりと物事を判断できるよう耕した畑へ
心が大きく育つように
涙のエッセンスも添えて。
いつか
爛漫の春が来て喜びの花が咲き
真夏の太陽に照らされて熟した心が世界を知り
収穫の秋が来てとれたてのやさしさを
あなたに届けてあげられるように。

 

太陽の光に照らされて
見透かされた心の影が

ふっと湧き上がって
あなたに届きそうになった
久しぶりの会話
懐かしい響き
月影に隠れていたあたしを
そっとはじき出してくれた
岩陰に咲く
すみれのような存在のあたしを
見つけてくれた人
存在しない影を映し出す
陽炎のような素敵な人よ

 

テレパシー

頭は考えるところで
心は想うところ
頭で考えたことを
心で想って言葉にする
そうじゃない
頭で考えるより先に
心が想ってしまう
これが恋?
言葉にしなければ
伝わらないなんて
そんなの信じない
想っていればきっと
心は伝わるはず
心は通じるはず
想いは届くはず
真心なら。

 

りんごくん。

りんごのくせに。
マンゴーみたいな顔しちゃってさ。
すましたってダメさ。
キミにはお仕置きが必要だね。
そうだなぁ、あと3日は冷蔵庫で正座だな。
がんがんに頭を冷やせよ。
青くなったって許さないさ。
甘い顔をすると気を抜くからね。
来週友達が来るからキミを紹介するよ。
その前にその真っ赤な衣装を脱いで貰うぜ。
そして艶々の肌を保つために塩水漬けだ。
覚悟はいいね。
りんごくん。

 

か弱いものになって。

素晴らしくか弱いものになって
あなたに守られたい
いつもはどんどんひらめいて
ずんずん引っ張って
がんがん突っ走るおてんばだけど
たまには
小さな子猫みたいに
泣きそうな潤んだ瞳で
何も考えられなくなって
しょうがないなぁと言われながら
あなたにくるまりたい
突拍子もなくて
いつもどこか抜けてて
どうしようもなく見栄っ張りだけど
あなたの前だけでは
か弱いものになってもいいよね。

 

愛しのレシピ

ひとりにしないで
キミが居ないと思う
ひとりにして
キミが居ると思う
どっちも本当の気持ち
どっちも私の気持ち
人は
ひとりでは生きていけない
でも人は
ひとりの時間も必要
この両端且つ一致した気持ちは
人として生まれた以上
ずっと背中合わせに
想いを馳せていくのだろう

 

流れ

清いときもあれば
濁っているときもあるし
1の淀みを
1000の攻撃にしなくても
気持ちの休まる方法は
いくらでもあるはず
1の愁いが
10の喜びに変わればいいじゃないそれで
わざわざ遠くの流れにのることはなく
自分のいるこの場所で
今の流れに身を任せ
時々そっと周りを見渡せるくらいがいい
焦って大きな波にのろうとするから
その勢いについていけず
不埒な溝にはまってしまうのだ
自分の流れを見失わないように
自分の流れを信じなくちゃ

 

言葉にしたら
たやすいことでも
手の届かないものがある
すれすれのところで
かすかに触れたような
でも一度だって
この手に掴んだことのない

遮られても
まっすぐに届こうとする
強い想いがなければ
乱反射して痛むのは心
光になりたい
まっすぐにキミを照らす光に

 

祈り

1日の終わりの時
今日を締めくくる瞬間
あなたは何を想いますか
壊れてしまったMDウォークマン
道端の猫
笹目通りですれ違った男の子
つぼみのままの花瓶の花
今日やろうと思ったことたち
明日やろうと思うことたち
些細な喧嘩
やさしいメール
沢山の想いの中から
たったひとつ祈ることは
明日もあなたが幸せでありますように

 

未来

いつでも真っ白なキャンパスに
戻すことが出来るなら
未来はたやすい
いつでも割れたグラスを
パズルのように繋ぎ止められたなら
未来は永劫
弱い自分を
確かめなくては
見届けなくては
未来は来ない
真っ暗闇でも
前に進む勇気を
割れたグラスの破片を
捨てられる強さを

 

花言葉

ひまわりの花が
咲いていたのに
何故だか泣けてくる

意味もなく
哀しくなったりして
時々不安になる
そうでなくても
色とりどりの気持ちたちが
飛び交う空中に
言葉を送り出すのには
勇気がいるのに
あまりにもあいまいすぎて
この密やかな想いは
君の元まで届かずに
宙に舞ってはじけて消えた