コンデンサーテスト
 〜それはポット交換から始まった(ぽっきん事件)〜
「そろそろポットが重くなってきたし、換えるか〜」と500Kのポット(所謂可変抵抗器)を4ヶ買い込み、半田を片手にレスポールのポット交換をはじめた。
つつがなく終了するかに見えた交換作業だったが、

「イマイチ、アースの半田付けが気にいらん」

と再度はんだごてを持ち直し

「ちょっとコンデンサが邪魔」

と親指の腹で
「くっ」
と押したところコンデンサー足の付け根より
「ぽき」
と折れた。
「あ゛゛〜゛〜゛〜゛!゛!゛」
と絶叫するも後の祭り。階下では女房・子供が
「又なんかヤリやがった」
とケーブルテレビのアニメ番組に目を戻す。苦闘(?)の日々が始まった。

とりあえずリペアショップ等あらゆる所に電話を掛け、在庫を確認するも同じ物はない。たまたま某雑誌に載って居るのを発見し、電話をするも余りに高価で話にならない。どうもアメリカでは”2個で$800”するらしい。その昔53年コンバートのレスポールに載せたときは1個¥5000だったのに・・・。最悪ピンバイスで穴をあけ、錫線をつっこんでアロンアルファで留めてやるか・・・(これで何とかなるんでしょうか?なんないですよね、きっと)なかば諦め、”某こだわりパーツならここ”という所に電話するとブラックビューティーを入手する事が出来た。
その後、Yahooオークションを毎日のようにチェックし、”オイルコンデンサ スプラグ”で検索しまくり、果ては女房に
「今月、電話代がすごいことになって居るんだけど」

と怒られ、友人がお茶の水に行くと聞けば、
「コンデンサ見てきてくれない?」
と御願いし、小さくて丸い筒状の物を見ると皆コンデンサーに見えて来るようになり、オークションで落札し発送されてきた封筒を開封し夜な夜なコンデンサーを見つめニタニタしているという完全に
「危ないおじさん」
と化してしまった。
で、気が付くとなかなかのコレクションになったので、
「さあて、どれを載っけようか?」
となったときに、同じ物を載っけるのが本当だろうが
「ホントにコンデンサーで音が変わるのかしらん?」
との疑問がわき、おもむろにレスポールの裏蓋を開け、残っているフロント側のコンデンサーを外し、わにぐちクリップははめ、テストを開始した。尚、値は全て0.022μFである。
スルー(コンデンサ無し)
”こんなにハイ出たっけ?”っていうくらいブライト。P-90特有のハイ(”ガキボキ・ベキバキ”って表現で伝わるでしょうか?)が顕著にでる。絞ってもコンデンサが無いため変わらない(あたりまえだっつーの)
国産(?)ケミカルコンデンサ(耐圧15v)
比較するのが可愛そう。でも付けたとたんハイもローも落ち音が細くなってしまった。 何だか安いラジオみたいで”あっれー?”って感じ。絞った時のレンジは一番狭くブーブー感は無く単に細いまんまハイが落ちた音。”やっぱりちがうんだー”って感じ。耐圧のせいなんだろうか?
ブラックビューティー(耐圧400V)
バンブルビー200V以上にドンシャリ感あり。雰囲気は1960年頃のレスポールカスタムって感じ。(名前が名前だけに?)締まった感じで品のいい音。P-90よりPAFあたりのハムバッキングには良いかも。絞ったときの音像は一番ハッキリしておりブーブー感が無く自然でしっかりしている。
コーネルダブラー(耐圧200V)
ややバンブルビーに比べると明るい音となっている。 (高域はスルーに近い感じで、中音域がやや削られた様な音)ブラックビューティーよりブライト。ハムバッキング向きかも。アタッキーさはなかなか。絞った感じはバンブルビーに近い。
ビタQ(レプリカ耐圧1000V)
結構落ち着いた音。チョットびっくりするくらい品のいい感じの音になる。(えっ!っておどろくくらい。スプラグビタQと同じオイルを使っているとのふれこみだが何だか全然違う感じ)レプリカと侮るなかれ。太くていい音。一番お買い得かも?
ビタQ(スプラグ耐圧400v)
もっともスルーに近い。P-90では一番暴れる音。ややドンシャリとなっているか?ハムバッキングにアタッキーな高域を求める人向け。絞った感じはコーネルダブラー同様バンブルビーに近い。
バンブルビー(耐圧200V)
600V・400Vよりやや下の周波数(中音域)が落ちる感じ。よって適当にやれた感じ(枯れた感じ)の音となる。とは言えやっぱりオリジナルの音に近く遜色がない。新しい物(hystoric・aged)なんかに載っけるといい感じになると思う。
バンブルビー(耐圧400V)
やっぱりオリジナルと変わらず。(一番近い。当たり前か?)ただやっぱりNOSパーツのため、もう少しハイが出て澄んだ感じになってくる。私的に言うと、枯れ具合が丁度いい。
バンブルビー(耐圧600V)
一番品が良い。(何だかフルアコっぽいイメージ)P-90特有のアタックの強い嫌らしい音域ががきれいに削られ、フラットな音に近付いて出てくる感じ。絞るとブーブーなウーマントーン(太いまんまハイだけ落ちる感じ。)では有る。
ブラックキャット(耐圧600V)
スプラグ+CDE(コーネルダブラ)の中間的な感じ。良いとこ取りで最も中庸。ハイが適当に押さえられ、絞った感じもブーブー感はブラックビューティー的。上記コーネルダブラに比べバンブルビー(600v)及びブラックビューティーに近く品がよい。(同じメーカーなのに全然違う)
最も一般的(?)
サンガモ(耐圧600V)
S・CORTさん(wahのページ参照)からの情報で入手したサンガモ。値が0.027mfと実は他の物と値が違う。
でも上記どれに似てる?と尋ねられてもどれとも似ていない。他の物が中高域(やや高めの周波数)を押さえ、枯れた感じになるのに対し、明らかに高域が押さえられ、MIDがちゃんと出てくる。特に3・4弦の10フレット付近のミッドが集まった”ブイブイ”って音は圧巻。絞ると値がやや高い為、チョット必要以上にこもるきらいが有るが、トーンポットをBカーブにして上手に使える人には最高のコンデンサ。
P90を元気に使おうとする人にはベスト。
レスリーウエスト(知ってる?)みたいな音をトーンコントロールだけで行けてしまう感じ。
Jr辺りに付けると、はまってしまうかも。
コーネルダブラー(耐圧600V)
トーン10ではドンシャリ傾向だが前記200Vと比較すると、ややブラックビューティー寄りの品が良い感じになる。絞るとやや不自然な高音の落ち方をするが、WAHのペダルを起こした様な音になるのでこのへんの音が使える人向き。(ブーではなくモーって感じ)緑コーネルダブラーと比較するとこっちの方が品が良い感じがする。
ピラミッド(耐圧400V)
やや明るめの音でバランスがいい感じになる。ハイのきっちり出るピックアップに組み合わせると良い結果が出ると思う。(スモールハムバッカーのSGスペシャル辺りで使ってみたいと個人的に思っている)開ける(トーン10)とCDE、絞るとスプラグといった感じ。とはいえCDEともスプラグとも違うのは流石。
グレイタイガー(耐圧400V)
値が0,05mfである。各弦のバランスで言ったら一番良い。高音の嫌らしさがきれいに削られ”ディープ”な音となる。(P90付きレスポールが335みたいになるって言ったら言い過ぎか?)
その昔、gibsonがバンブルビーを使う前はこのコンデンサを使っていたのもうなずける。又、トーン10から下げていくとなかなか自然な感じで高音が落ちていく。ただし値が大きいのでトーン0はちょっとつらい。トーンを2〜4位で上手に使える人向き。
結論
個体差は有ると思うが、上記結果の通りコンデンサのキャラクタを理解していただいた(?)だろうか。私自身これほどの違いが出てくるとは思わなかった。音質で個人的にどれがベスト(P-90との相性とも勘案して)か?となると

1.バンブルビー600V
艶っぽさは一番。適当に枯れててジャズっぽく決めるなら迷わずこれ。
2.ビタQ(レプリカ耐圧1000V)
枯れてるけど、艶っぽく行くならこれ。オールマイティに使える音。
3.バンブルビー400V
やっぱりこれかぁ?やっぱり高音の枯れ具合が”スカッ”ってかんじ(分かりますぅ?)でいい具合です。

オリジナル・バンブルビー400Vが3番目というのは良い・悪いという基準でなく、個人的趣味も絡んだ結果である。
もし歪み系で使うとすると

1.ブラックビューティー
60〜70年代のマーシャル使うんだったらこれ。スムースなディストーションを求めるならこの組み合わせがベスト
2.バンブルビー(200V)
枯れ具合が一番良い感じ。(やややせ気味な枯れ方)クランチ気味でいくと、”カッキン”と帰って来る音。
3.ビタQ(スプラグ400V) or コーネルダブラー(200V)
P-90の品の無さ(?)を遺憾なく発揮してくれそうな音。歪ましてもエッヂを残すので有ればこれ。

結論2
ブラックキャットを入手したので今回の追加となった。
上記結論を鑑み、手っ取り早く入手しやすさをランキングすると

1.コーネルダブラ
ヒューマンギアで取り扱っているので、案外大きめの楽器屋さんで置いている。近所の楽器屋さんでも見かけたので最も入手し易いはず。
2.ブラックキャット
お茶の水界隈では結構スタンダード。パーツを置いているところでは結構見つかりやすい。がNOS品なので見つけたら入手してみる事をおすすめする。
3.ビタQレプリカ
yahooのオークションで結構出ている。
4.オレンジドロップ
試してはいないが、結構スタンダードらしい。秋葉原のラジオデパート辺りで探すと見つかる可能性大。
5.バンブルビー
お茶の水のI楽器店でよく見かける。(営利目的で購入はやめようね。)
結論3
サンガモを追加してみた。
”枯れた”とか言う感じではないが、やっぱり古い(1940年代)コンデンサ。侮れませんぞ!!
当時のオイルコンデンサ(捨てるときは燃えないゴミにならないコンデンサ。カドミウム・6価クロム等を含むので産業廃棄物で処理してもらわないと地球を壊します。)のすごみでしょうか?
サンガモは正真正銘のオイルコンデンサです。(一説によればバンブルビーはオイルではないそうです。詳しくはこちら
この音、なんだかP90が元気になったみたいなあくの強さが凄く好きです。
まだまだ、このネタは”深いなー!”と感じました。
結論4
コンデンサ3種を追加した。
だんだん結論2辺りが時代に則さなくなってきたような気がする。
バンブルビーはとうとう”おいおい”って金額になってきたし、ヤフオクもだんだん元気がなくなってきた。
いい加減いい大人なんだからグレイタイガーでjazzでもやってみるかぁ?
なんて思いながら夜な夜なコンデンサコレクションを眺めつつニタニタしている変態親父状態である~~;
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