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第一回 闇の中



2002年、初夏。
春が去り、夏の跫音が近づく季節。

S.O.T活動休止、そして音信不通のEDGE
徐々に暑さを増していく陽気とは裏腹に、俺の心には寂寞とした闇が広がっていた。
折角心血を注ぐに足るバンドを見つけたと思ったのに・・・
世の中、うまくいかない・・・

だが・・・
明けない夜はない。
そう、信じてS.O.Tの掲示板にメッセージを書き続けた。

ある日。
一つの書き込みが俺の目に留まった。
「タルミさん・・・か。どんなバンドなんだろ」
リンクを辿り、そのページに行き着く。
「Neck Hunt Restaurant」
白を基調にシンプルながらセンスを感じさせるロゴ。
「バンド名・・・?」
右手でコンテンツを覗いていくと、ふと、その手が止まる。
少女がこちらを見上げている、不思議な光景。
「sound」
01. Blinker
02. Amazing World
03. Candlelight
と、ある。

「・・・ジャケ?」
どうやら、そうらしい。

「Blinker...か」
触れると、0から100へバーが伸びていく。
ハードディスクの回る音。
刹那、
スピーカーから、魂をさらう波長。波紋。波形。
瞳を閉じビートに身を委ねると、漆黒の闇に再び曙光が射し込み、眼前に遥かな地平が啓けた。
今年の夏は、「熱く」なりそうだ・・・
2002年、初夏。
そんな、匂いがした。

to be continued...

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