西欧文化の背景には、キリスト教があります。映画やビデオの題名だけを見ても、
その数に驚くと同時に、知った題名が多くあることにおどろかされます。
2006年には、「ダ・ヴィンチ・コード」が、上映された。
十字軍の遠征、魔女狩り、新しい思想や科学への弾圧、キリストは神だったのか、人だったのか
なども背景として描かれていましたね。
はじめに
キリストの教えは、支配階級に迫害されたが、民衆に支持され、ついにはローマの国教となる。
その後、教会(教皇)は、絶大な権力を持つようになり、暴走する。
十字軍の遠征、魔女狩り、宗教裁判、自由思想への弾圧などを歴史に残す。
「魔女」とは教会の権威に服しない自由な精神をもつ女性といえそうだ。
教会は自らの権威をおびやかす「自由思想」の普及を最も恐れたのか。
その後、教会の権威に反発し、正そうとする宗教改革がおこる。
そして、教会の権威から開放されたルネサンス(人間性復興の文化)がおこる。
その後、新しい思想、科学、新しいキリスト教がたくさん生まれ、今日にいたっている。
今日、日本の多くの仏教が、「死んだ人のための宗教(葬式仏教)」となっているのに対して、
キリスト教は、今も昔も「生きている人のための宗教」である とのことです。
参考・・・朝日新聞社出版局 「キリスト教がわかる」、日本基督教団出版局 「聖書辞典」など。
1 キリスト教の歴史| 成立 |
後期ユダヤ教の時代、宗教官僚主義と貴族主義の社会の中で、人々は抑圧され、苦しんでいた。イエス・キリストは、これらの人々に「神の国」を説き、多くの人々を引き寄せた。これにより、ユダヤ教祭司貴族たちの不安と不興をかい、迫害され、ついには、処刑された。 イエスの死後は、使徒が布教したが、なおも迫害された。ローマ皇帝ネロ(在位54〜68)、ディオクレティアーヌス(在位284〜305)による迫害が有名である。 その迫害にもかかわらず、キリスト教の奉仕、援助、看護、施しなどの活動は、抑圧された民衆にとって、新鮮であり、大いに支持され広まり、ついには、権力側も抗しきれなくなり(1〜3世紀)、公認へと向かう。 313年、コンスタンチーヌス大帝(在位306〜337)のとき、公認される。 392年、テオドシウス1世により、国教となる。 395年、ローマ帝国は、東西に分裂する。 397年、新約聖書がまとめられる。 キリスト教の基本原理、「三位一体論、キリスト論」が制定される。 476年、西ローマ帝国、滅亡する。 まとめ 〜 キリスト教は、迫害されたが、民衆に支持され、ついにはローマ帝国の国教となる。 ローマ帝国・・・前8世紀、イタリア民族が住みつく。異民族が侵入し、前6世紀ころ、共和制ローマとなる。その後、諸都市と抗争を繰り返しながら拡大していく。各都市は、ローマと直結され、都市どうしの連携はとれないようにした。奴隷の反乱が治められたのは、アウグスティヌスのときで、前31年以後、帝政ローマとなる。その後、2世紀ほどが全盛期となる。領土は、地中海を取り囲むようであった。「地中海は、我らの海」。その後、社会が硬直化し、衰退していく。 |
| 中世 |
初期には 〜 教皇権と帝権との確執(権力をめぐる不和、争い)が生まれる。 中期には 〜 修道院より、改革運動が起こる。 末期 〜 教皇庁の風紀は、おおいに乱れ、宗教裁判も狂気じみていた。 1453年、オスマントルコにより、東ローマ帝国は滅び、中世(封建時代、主従関係、土地に縛られ、支配される時代)は解体した。 まとめ 〜 教会側は、絶大な権力をもつようになり、極端な悪弊をおよぼす。十字軍、異端裁判、魔女狩りなどを歴史に残す。 |
| 近世 |
ルネサンスが興る 〜 教会の権威から開放され、人間性を尊重する運動が興ってくる。 コペルニクス(1473〜1543年) 〜 地動説 ルター(1483〜1546年) 〜 「免罪符への抗議」により、宗教改革が起こる。 カトリックとプロテスタントの戦争が起こる。1572年バルテルミー祭の大虐殺や30年戦争(1618〜48年)など。 デカルト(1596〜1650年) 〜 「われ、思うゆえに、われあり」 ルソー(1712〜1778年) 〜 「自然へ帰れ」 〜 科学主義の偏狭さを批判する まとめ 〜 宗教改革により、新しいキリスト教が、生まれる。また、教会の権威から開放された、新しい文化、思想、近代科学が生まれる。自給自足の中世から、営利主義、資本主義が誕生する近世へと移る。 |
| 聖書とは、旧約聖書と新約聖書の2つをいう。「約」とは、「契約」のことで、「神の人間にたいする恵の申し出(約束)」をいう。 |
| 派 | 新・旧・他 | 発祥地 | 特色 |
| 東方正教会 | カトリック | エルサレム | ローマ帝国時代の国教であった教えを厳格に継承する。 |
| カトリック教会 | カトリック | ヴァチカン |
キリストの弟子の12使徒が広めた。4世紀に、使徒のひとりのペトロの墓の上に、サンピエトロ大聖堂が建てられる(15世紀に建替えられた)。代々のローマ教皇が継承。 |
| 聖公会 | カトリック | 英国 | 16世紀に、ローマカトリック教会から独立し、国王(ヘンリー8世)が、首長となり、国教会を設立する。その後、独立したアメリカ合衆国で、最初の聖公会が設立される。 |
| ルーテル教会 | プロテスタント | ジュネーブ |
ルター(ドイツの大学の聖書教授、1483〜1546年)派の教会。最初のプロテスタント(抗議派)の教会。「免罪符の購入販売で、罪が消える」というのは、間違いで、聖書が根本であると抗議する。この運動は、全ヨーロッパに広がり、宗教改革の発端となり、ルネサンスの布石となった。 〜 音楽家バッハ |
| 改革派教会 | プロテスタント |
教会自身によって改革された宗派。 「み言葉によって、常に改革される教会」 〜 画家レンブラント | |
| 会衆派教会 | プロテスタント | イギリス発祥 |
16〜17世紀に、プロテスタント思想に触発された人々(ピューリタン)による教会。ピューリタンは、国王が、カトリックにつくときは、迫害された。クロムウェルのもとでは、政治的主導権を握った。イギリス国教会体制のもとでは、非国教徒とされた。 1620年、信教の自由を求めて、102人が、アメリカ、マサチューセッツ州プリマスに上陸する。大きな苦難にあい、多くの犠牲者をだしたこの旅は、「巡礼」といわれている。 |
| バプテスト | オランダ発祥 |
17世紀初、イギリス国教会を離脱し、オランダに渡り、設立する(ジョン・スミス) マーチン・ルーサ・キング牧師(公民権運動指導者) | |
| メソジスト(几帳面派) | イギリス発祥 |
18世紀の産業革命下、富と快楽を求め、社会は、荒廃し、道徳は乱れ、多数の労働者は、苦しんでいた。この時代に登場する。聖書を学び、礼拝を守り、規則正しい生活をする。伝道と教育に力を入れる。賛美歌を普及し、大多数の字の読めない人々に聖書の内容を伝えた。 〜 青山学院、活水学院、関西学院など | |
| アナバプテスト(再洗礼派) | スイス発祥 |
幼児期の洗礼を認めず、国家と教会の分離を主張する。新約聖書に描かれた、初代教会の姿を再現しようとする。絶対平和主義で兵役は拒否する。メノナイト、フッタライト、アーミッシュ(矢次綾さんのページ)などが現存する。相互扶助、結束がかたい。 | |
| クエーカー |
絶対平和主義。真理は、各人の魂に呼びかける「神の声(内なる光)」に見出されるとする。形式や権威を否定し、瞑想や沈黙を重んじる。 ジェームス・ディーン、内村鑑三、新渡戸稲造 | ||
| 救世軍 | 制服を着用し、軍隊式の規律や組織をもつ。一般信者を兵士、牧師を仕官と呼ぶ。慈善事業に群を抜く活動をする。 | ||
| ペンテコステ派 | 現在、もっとも、元気がある。 | ||
| クリスチャン・サイエンス | 「神の似姿である人間は、完全である」と前提する。 | ||
| ユニラリアン・ユニヴァーサリスト | かつては、「異端」とされ迫害された。「イエスは、私たち神の子の中で、もっとも神に近い人間であり、究極の師である」とする。 | ||
| 再臨待望信仰 | 日曜日ではなく、土曜日を安息日として、聖日礼拝をし、イエスの再臨を待ち望む。 | ||
| エホバの証人 | ものみの塔聖書冊子協会 | すべての教義のよりどころを聖書に求める。クリスマス、イースターなどは、聖書にないので祝わない。兵役は拒否する。自派への絶対的忠誠を要求する。輸血拒否と熱心な訪問勧誘が有名。 | |
| モルモン教 | 一夫多妻、黒人差別、女性差別など批判される。 |
全編キリスト教的なものから、ワンシーンだけに背景として信仰をだぶらせているものなどいろいろ。
「天地創造」 〜 旧約聖書の「創世記」の映画化
「十戒」 〜 イスラエルの民をモーゼが、約束の地へと導く
「サレムの魔女」
「クルーシブル」
「ホーム・アローン」 〜カトリック
「シックス・センス」 〜 カトリック
「13デイズ」 〜カトリック 〜 ケネディー大統領のときのキューバ危機回避の物語だったと思います。
「ゴッド・ファザー」 〜 ゴッド・ファザーとは、カトリックで洗礼を受けるときの代父の呼び名
「天使にラブソングを」 〜 カトリック教徒なので、尼さんを殺せないギャングたち
「地獄の黙示録」〜 沼から顔を出すシーンは、洗礼を暗示し、生まれ変わりを意味する。
「ジャンヌ・ダルク」 〜 15世紀の英仏100年戦争が舞台。信仰をもととした、短くも壮絶な一生を描く。宗教裁判、異端、魔女などのいんちきさも、描いてある。500年後、ヴァチカンは、ジャンヌを聖人の列に加えた。
「ピアノレッスン」 「グリーンマイル」 「ペイ・フォワード」 「ライブ・フレッシュ」 聖職者や修道者が主人公
「サウンド・オブ・ミュージック」 「 テレーズ」 「炎のランナー」 「エクソシスト」 「わたしは告白する」
「尼僧物語」 「野のユリ」 「ポセイドンアドベンチャー」 「司祭」 「オスカーとルシング」
「サイモン・バーチ」 「レッサーエヴィル」 「僕たちのアナ・バナナ」
天使が出てくる
「素晴らしき哉、人生」 「天使とデート」 「ベルリン・天使の詩」 「シティ・オブ・エンジェル」 「エンジェルス」
「俺たちは天使だ」 「マイケル」 「普通じゃない」 「ドグマ」 「天使のくれた時間」
悪魔が出てくる
「エンゼルハート」 「ディアポリス・悪魔の扉」 「悪いことしましょ」 「くたばれ、ヤンキース」
「ローズマリーの赤ちゃん」
天使と悪魔の最終戦争(ハルマゲドン、ヨハネの黙示録)が下地のもの
「オーメン」〜 ゾクッとはします。
「エンド・オブ・ザ・デイ」〜アーノルド・シュアルツネガー 〜 ヴァチカンの教皇も出る大胆な構成。最後は感動的。
「ロスト・ソウルズ」
「ブレス・ザ・チャイルド」
「ファウスト」 〜 見ごたえありました。
参考は、 朝日新聞社出版局 「キリスト教がわかる」、
日本基督教団出版局 「聖書辞典」などです。
2006/06