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私のアンプリファー(増幅)回路の読解
(2011年5月更新)

 本を読み、回路のことを理解しようとしましたが、わかりづらい。
そこで、自分なりに考えてみました。自己流なので、間違いもあると思います。

電気の正体は自由電子。
交流は、流れているというよりは、行ったり来たりしている。
回路の中の、1本の導線には、直流と交流が一緒に存在できるし、流れている。
これを自力で知ったときは、大感動 しました。なんで、こんな初歩的なことを誰も教えてくれないのかと思いました。それまでの私は、直流と交流は、別々の導線に流れているんだ と思い込んでいました。

家電製品の中で、仕事をするのは、直流らしい。よって、交流を直流にしてから、使うようです。

回路内では、直流電気(電子)が走り回って、そのエネルギーを仕事(音、熱、光、運動など)として発散している。

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 @ まず、左の図、真空管のカソード(青)からプレート(緑)間には、直流大電圧(数十ボルト)がかかっており、カソードから飛び出した自由電子は、プレートに向かって飛んでいく。

A その電子の流れ(直流)に、左の入力ジャックから、微小な交流の信号が作用する。このことで、カソードから飛び出す自由電子の量が大きく変化する。

結果として、微小入力交流信号が大直流電圧に影響し、複写される。このとき、微小交流電圧の変化が、直流の大電圧に複写されることで、自動的に数十倍に増幅される ということになる。

 B さらに、コンデンサーを介して次段(出力増幅回路(右図))に出力されます。コンデ ンサーは直流を通さず、直流の変化する電圧によって、交流を発生させ、あたかも、交流分(つまり、信号)だけを通過させるかのように見える。直流分は、下 の250kΩの抵抗を通って、アースに落とされる。

 C 次に、右図は、左図と同じようですが、違う点は、出力回路ということで、スピーカーを動かすという大仕事をするために、真空管には、数百(200〜400)ボルトの大電圧がかかっています。

スピーカーは超低・抵抗(交流抵抗インピーダンス8Ωなど)であり、スースー電気が流れる。磁石の回りの、電線をグルグル巻いたコイルが、電気が流れると動くという仕組み(電磁誘導)によって、スピーカーを振動させ音を出すという仕事をする。

上の2つの回路を合わせると、ほぼ下のアンプ回路(シングルアンプ)に一致します。


SP_KAIRO.GIF - 28,264BYTES

電源回路は、100V交流をトランスで変圧し、一方通行のダイオードを通して半分を カットしてギザギザの直流にし、平滑回路の電解コンデンサーによって、一定電圧のきれいな直流を生み出すということになります。この直流の電気を増幅回路 に通して仕事をさせる ということになります。

以下は、自分のための勉強です、まだ分かっていません。

負帰還(negative feedback)

増幅器で増幅された出力の一部をプラスマイナスを逆にして入力に戻し、入力信号と引き算したものを増幅器の入力とするもの。出力の一部を入力信号と加算するものは正帰還(positive feedback)。

@ゲイン(利得・・・出力が入力の何倍か)が下がる A素子の変化(真空管の三要素、抵抗などの値)の影響が小さくなる B歪・雑音が減る C出力インピーダンスが変化する D周波数特性が良くなる

自己バイアス回路

グリッドへのマイナス電源(C電源、バイアス用マイナス電源)をカソードへの電源(A電 源)からとる回路。カソードに抵抗を入れる。グリッドは、抵抗を通してグラウンドに接地して、直流的には0Vに保つ。真空管は、グラウンドを基準として動 作するのではなく、カソードを基準として動作する。普通、カソード抵抗には、信号バイパス用のコンデンサー(カソードバイパスコンデンサー)を並列に入 れ、信号成分をバイパスする。これがないと、信号によるプレート電流の変化の応じて、カソードの電圧が変化してしまうから。

カップリングコンデンサー・・・直流を絶縁し、交流を通す(ように見える)コンデンサーの特質を利用する。コンデンサーは、低周波の交流は通しにくいので、信号に含まれる低域が十分に通過できるものを選ぶ。

負荷抵抗 ・・・ プレートと電源の間に抵抗を入れ、 プレート電流の変化を抵抗の両端に生じる電圧の変化に変換して利用する。回路の出力側にあって、エネルギーを消費するものを負荷といい、抵抗の場合を負荷 抵抗という。微小な電圧変化を与えて、負荷抵抗から大きな電圧変化を取り出す回路を電圧増幅回路という。プレート電圧は、電源電圧から電圧降下(負荷抵抗 で下がる電圧)を引いたものになる。たとえば、グリッド電圧が0〜−20Vまで変化するとプレート電圧は41〜250Vまで変化する。

バイアス ・・・ 音声信号は0を中心として、+と−に変化するが、グリッド電圧がプラスになるとまずいので、マイナス内に収まるように、信号の中心を0Vからずらすことをバイアスをかけるという。

カットオフ ・・・ 3極管などで、グリッドのマイナス電圧を大きくしたときの、プレート電流がまったく流れない状態。

過渡特性(過渡解析)・・・ 入力状態の瞬間的な変化に対して、出力が安定するまでの特性のこと。

ハム音 ・・・ B、C電源の平滑が不十分な場合や電源トランスなどからの漏れ磁束を拾ってでるブーンという音。

電源部分について
電子機器の動作に必要な安定した直流の電源は、コンセントからの交流電源から作り出すが、その方法は、交流電圧を電源トランスへ加え、降圧または昇圧してから、整流回路と平滑回路を通し、変動の少ない直流電圧に変換した後、制御回路を通して供給される。

平滑回路について
直流に整流された電流(脈動波)を 電解コンデンサー+抵抗+チョークコイル などを通して、さらに平滑な直流にする。

A、B、C電源について
A電源・・・ヒーターなどに送る 低い電圧の電流・・・回路図では省略。
B電源・・・プレート、カソード間にかかる 高い電圧の直流。
C電源・・・電力増幅用の終段管のグリッド電圧をカソードに対して負に保つために共有するバイアス用電源(カソードに抵抗器を入れた自己バイアス回路では不要)。

昔は、ABC電源は、電池(直流)で、とっていた。

 

スピーカーの効率 について

抵抗・コンデンサ・コイルの3種類の素子を組み合わせたときの交流に対する抵抗をインピーダンスという。記号はZ、単位は[Ω]である。数値が小さいほど、同じボリュームで大きな音が出ますが、数値が大きいものの方が音が良いようです。8Ωが一般的であるが、最近は6Ω、4Ωも使用されるようになってきた。

音圧測定・・・スピーカーに1Wの入力を入れて、スピーカーの前方1m のところに置いたマイクにどれほどの大きさの音が入るか(1Wの電気信号でどれだけ大きな音響音が出せるか)。

スピーカーの電気信号⇒音響信号の変換効率は極めて悪く、電気信号の1〜数%が実際の音になるにすぎない。

音圧レベル92dB(0dB=20μPa)で電気→音響変換効率(スピーカーの能率)は1%となる。同じ電力をスピーカーに入れたとき、この数字が大きいものは大きな音量が出ます。スピーカーの効率が高ければアンプの出力は小さくとも良い。しかし、効率の高さと周波数特性は相反する要素があり、むやみに効率を高くすることはできません。

販売店watzさんからの転載 <スピーカーの能率とアンプの出力の関係>
スピーカーの能率が3dB低いと、同じ音圧を得る 為にはアンプのパワーは2倍必要となります。1Wのアンプで能率100dBのスピーカーを鳴らした時と同じ音圧を得る為には、85dBのスピーカーを使用 した場合は32Wのアンプが必要と言うことです。スピーカーの能率・感度が悪くても大出力のアンプを使えばOKと考えがちですが、それでは当然歪みも多く なるのです。
スピーカーの感度は、口径が大きいほど良く、マグネットが強いほど良くなります。