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Tokyo, 2002.3.20
text by Yoshiyuki Suzuki
interpretation and translation by Kaori Yoshida


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今日はせっかくNAHTのお2方にも来ていただいてるので、まずは昨年11月に行なわれたバーニング・エアラインズのアメリカ・ツアーで2つのバンドが対バンした時のお話を聞かせてください。両バンドが出演したのはリッチモンド大学とワシントンDCのブラック・キャットというクラブですよね。

Bob:リッチモンド大学で共演したバンドはここにいるNAHT、DEATH CAB FOR CUTIE、BURNING AIRLINES、NEW END ORIGINAL、THE PROMなどで、とにかく大きなショーだった。ちょうど同じ時期にツアーに出ていた知り合いのバンドが一同に会したような感じだったな。そんな大きなショーがリッチモンドで行われたなんて、よく考えてみると不思議な気もするけどね。場所が不思議と言えば、ライヴが行われた会場自体も不思議なところで……体育館だったんだけど、ステージの後ろにはバスケットボールのゴールがあったりしていつもとは一味違った雰囲気だった。

Todd:ショーが始まる前、まるで大学の体育会系クラブの壮行会みたいだね、ってジョークを言っていたんだよ。

Bob:そうだったね(笑)。高校の卒業ダンス・パーティーのような雰囲気でもあった。凄く楽しかったよ。もちろん、広い体育館だったからサウンドはそんなに良くなかったけど、BURNING AIRLINESのサウンドマン、ジョン・バードは凄く上手に対応してくれていたよ。とにかく、友達バンドがたくさん集まっていて、出演者側も凄く楽しめたショーだったね。NAHTにもそこで初めて会えて、ライヴも見れたし。ブラック・キャットのライヴも凄く楽しかった。DCにはたくさんの友達が住んでいて、DCの人達に久しぶりに会えたのも嬉しかったよ。サウンドはリッチモンドのライヴよりはるかに良かったね(笑)。

Seikiさんは、その時に初めてHEY MERCEDESのライヴを見たのだと思いますが、どんな感想を持ったか教えてください。

Seiki:以前、メンバー3人が在籍していたBRAIDの来日の際に新宿JAMというライヴハウスでライヴを見たことがあったんだけど、とにかく演奏力に圧倒された。ショーの運び方にも感心した。セットの終盤まで盛り下がることなく、高いテンションを維持していた。HEY MERCEDESになってから、余計にそのあたりが強く印象に残ったね。

では、HEY MERCEDESから見てNAHTのライヴはどうでした?

Todd:グレートだったよ!

Bob:マジで気に入ったよ。ヴァイオリンの使い方が凄く新鮮だった。全体的なサウンドも気持ち良かった。楽曲は複雑な印象がありながらキャッチーなところも面白い。ヴォーカル・メロディーと楽器類の絡み方が独特だった。

Damon:凄いパワーを感じた。全身全霊を捧げてプレイしているような感じたね。時々、ただ突っ立ってプレイにばかり集中するようなバンドっているよね。NAHTはそんなことはなくて、観客を惹き付けるパワーを持っていると思った。

Todd:自分達で楽しんでのめり込んでいるのがよく分かったよ。

ライヴが行なわれたのは11月の頭でしたけど、9月11日の事件の余韻はまだアメリカに残っていたのでしょうか? その時のツアーの雰囲気はいつもとは違うものがあったりしましたか?

Bob:その頃にはもう落ち着きを取り戻していた感じだったね。あの事件後、ツアーに出て久々にいろんな知り合いと顔を合わせて、事件について話したりはしていたけど。実は、9月11日はちょうどジミー・イート・ワールドとのツアーの真っ最中だったんだ。当然、その晩のショーはキャンセルになった。翌日はミネアポリスでのショーだったんだけど、予定通り行われた。そのショーではかなりのテンションを感じたね。事件直後なのに、多くの人出があったよ。でも、ふさぎ込んでいないで、ステージに上がってプレイして、いろんな人と話しできたのは僕達の精神面にとって良かったと思う。観に来ていたファンも、事件のことは一瞬でも忘れて楽しい時間を過ごしたい、という雰囲気だった。テンションは高かったけど、ポジティヴな空気が流れていたよ。

なるほど。それにしても、リッチモンド大学のラインナップを見ても凄いメンツだし、このあたりのバンドは現在のアメリカのロック・シーンの中でも一番熱く盛り上がっているような気がするのですが、特別なムーヴメントのような空気なり、独特なエネルギーを現場でも感じたりしますか?

Todd:リッチモンドでのメンツもそうなんだけど、同じ時期に活動を始めたバンドがようやく最近、一気に注目を集めるようになったのは確かかもね。BRAIDで知り合ったようなバンドの多くが、今、若干のブレイクを体験していると思う。コミュニティという雰囲気があるんだ。フレンドリーなんだよね。例えば、僕達がDCでプレイする時は、なるべく昔からの知り合いのバンドと共演するようにしてるし、シアトルに行っても、昔からのバンド仲間がまだ活動しているのを見て、嬉しかったり、安心したり。長くバンドでツアーをしていると、全米のインディ・バンドをつなぐネットワークのようなものができるんだよね。互いに助け合いの精神でやってるんだ。僕達がツアー先で世話になったバンドが僕達の地元に来た時は面倒を見る、というような和気あいあいとした雰囲気の中で活動してるよ。

なるほど。Seikiさんは、NAHTとして、アメリカ・ツアーで感じた何か特別なエネルギーなどはありましたか?

Seiki:僕らは1週間しかアメリカに滞在していなかったわけで、僕らがその間に見たこと、体験したことというのは、全体のシーンから見れば極々一部でしかないと思うので、総括して話すのは難しいけど、どの場所に行っても、どのバンドからもライヴでの瞬発力を感じた。実力のあるバンド、エネルギーのあるバンドというのは、セットの最初の5分間だけ見れば分かってしまうんだよね。風船に針を差して爆発するような瞬発力をね。全体的に音楽的に成熟しているのが印象に残った。

さっきToddの話の中でネットワーク。という言葉が出てきましたが、昔なら、例えば、DCシーンとか、シアトル・シーンとか、それぞれの都市のシーンは独立している印象がありました。それが今ではDC〜シカゴ〜日本と、インディペンデントなスタンスをとって活動するバンドの結びつきが昔に比べて緊密になってきているように思えるのですが、どうでしょう?

Damon:インディペンデント・シーンのネットワークは大きくなってきてるし、絆が強くなってきてるね。インディペンデントなバンドの中には、メジャー級の人気を誇るバンドも出てきているし、そういったバンドが他のバンドを引っ張る感じで、シーン全体が大きくなってきてるんじゃないかな。

Todd:それに、少し前から活動を始めているバンドは、当初、自分達でブッキングしたり、まさにDIYスタイルでやっていたのが、最近はビジネスサイドやブッキングなどの面倒を見てくれる人がいて、それだけ内容が濃くなってきてるんじゃないかと思う。つまり、マネージメント的な活動をしてくれる人が増えて、バンドが音楽に専念できるような環境が整ってきたと思う。さらにブッキングとかを、それ専門に面倒を見てる人がいるからこそ、クラブ間の繋がりもより濃くなってきてるんじゃないかな。もちろん、それによってビジネスサイドの様子は以前とは変わってきてるけど、大切なことはそのまま残っているんだ。友達バンド同士とハングアウトしたり、ツアーしたりするのは、昔から変わっていないことだよ。

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