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Chiba, 2003.2
text by Yoshiyuki Suzuki
interpretation and translation by Momoko Iwata

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ニューヨーク新世代、およびポスト・パンク・リヴァイヴァルという大きな流れの中から、先陣を切って飛び出して来たバンド=レディオ4。バンド名は、パブリック・イメージ・リミテッドの曲からそのまんま。この時点での最新アルバム『ゴッサム!』を聴いてみれば、まさしくギャング・オブ・フォーのギター・カッティングと、ジャー・ウォブル風のブイブイ・ベース。さらに以下のインタビューをお読みいただければ分かる通り、口を開けば二言目にはクラッシュ、クラッシュ。――こういう若い子達が登場してきたことを、30代も半ば過ぎのオリジナル・パンク/ニューウェイヴ世代は、嬉しいようなむず痒いような、なんとも不思議な気持ちで迎えたわけだが……いやでも、本当に頑張って21世紀のポスト・パンク道を極めていってほしいと思う。記念すべき初来日となったマジック・ロック・アウトの楽屋裏にて、クラッシュ大好きアンソニー・ローマン(Vo/B)に話を聞きました。

「ポスト・パンクって、途中で投げ出されてしまった方法論だと思う。だから自分達なりに“パンクとダンス・ミュージックの組み合わせ”という発想を、きちんと最後まで追求してみたいんだ」

Anthony:(インタビュアーが持っていた、クラッシュが表紙の「ロッキング・オン」03年3月号を見て)あ、この雑誌、見たよ。昨日、ラジオ局で取材を受けたんだけど、そこにあったんだ。

やっぱりクラッシュが表紙だったから、興味を惹かれたんですか?

Anthony:そうだね。それで中を見たら、自分達も載ってたし、クラッシュの写真もすごくいいのが何枚かあって。いい雑誌だね。

編集部に伝えておきますね。さて、まず、あなたの最初の音楽体験とか、どういう音楽環境に育ったのかを簡単に教えていただけますか?

Anthony:昔、パンクにハマッて、そこからいろんな方面に広がっていったんだ。特に、ここ4〜5年はダンス・ミュージックを聴くようになったね。レディオ4ではポップとダンスを組み合わせたいんだ。クラッシュを聴くようになったのは13歳くらいの頃なんだけど、クラッシュもいろんなものを取り込んで、また違ったスタイルを生み出してたよね。そういう意味でも、クラッシュには大きな影響を受けてきたと思う。ポップにレゲエ、ダンス・ミュージックって、ほんとにいろんなものをミックスしてたからさ。というか、クラッシュが一番好きなバンドなんだよね。

マジで大ファンなんですね。ちなみに一番好きなアルバムは?

Anthony:う〜ん、全部好きなんだけど……『ロンドン・コーリング』と『サンディニスタ!』かな。どっちも好きだな。

その辺のアルバムは、リアルタイムで聴いていたわけじゃないですよね?

Anthony:いや、聴き始めた時には彼らはもう解散してたよ。

では、過去のバンドであるクラッシュを、あなたが聴くようになったきっかけは一体なんだったんですか?

Anthony:僕の家族が住んでた家の地下室に叔父さんが住んでて、その人がパンクやロカビリーが大好きで、マックス・カンサス・シティっていう、CBGBと並んでニューヨークで有名なパンク系のライヴハウスによく出入りしてたんだ。それで僕も音楽を聴くようになったんだよ。ジョニー・サンダース、ニューヨーク・ドールズ……僕はツェッペリンとかの前に、パンクを聴くようになったクチなんだよね。

自分でも音楽をやりたいと思うようになったきっかけも、やはりパンク?

Anthony:そうだね。パンクはすごく基本的なものだけでできてるから、やる気さえあれば誰にでもできるんだって思わせてくれたからね。そういう意味で刺激を受けた。他の音楽だったら、こんな風に自分でも音楽を演奏するようになったかどうか怪しいと思う。

いつ頃から自分でも演奏するようになったんですか?

Anthony:高校生……15、6歳の頃かな。クラッシュやイギー・ポップのカバーをしてたよ。

ちなみに、レディオ4の前はどんなバンドで活動してたんでしょう?

Anthony:フガジとかハスカー・ドゥとか、ああいう音楽をやってるようなバンドで活動してたんだ。

その後、レディオ4を結成するようになった経緯について教えてください。

Anthony:レディオ4を立ち上げたのは……まず僕とトミーが知り合ったんだ。その頃、僕はギャング・オブ・フォーとかポスト・パンクものをよく聴いてたんだよね。だから……何がどう始まったなんて、説明しづらいんだけど……ポスト・パンクもの、リズムがいろいろ変わってるものがやりたかったんだ。その時点で、トミーと僕がやりたかった音楽がそれだったというか。そういう音楽が耳に入ってくることが少なかったというのもあるね。とにかく自分達が好きな音楽をやろうって感じだったんだ。あんまり今の世間では聴かれてない音楽をやろうってさ。でも、今じゃもう、こういう音を鳴らしてる人は多いよね。いいことだと思うけど。

つまり、こういう音を鳴らしたいという意識が先にあって、レディオ4を結成したということですね。

Anthony:ああ。リズミックでダンサブルである一方で、パンクの攻撃性やエッジを持った音楽をやろうと考えたんだ。

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