素人リフィニッシュ道場
「ニトロセルローズへの道」

剥離


いよいよ作業に取り掛かる
大体スティングレイの塗装を剥いでリフィニッシュしようなんざ、よっぽどのバカか馬鹿だと思う。
ポリウレタンと言っているがミュージックマンのサイトでは正式には「High gloss polyester」と言うらしい。

何せ硬い、厚い!ほんと胴鳴りしないんじゃないの?って感じ。
ま、いいや!やるって決めたから剥離剤でも掛けて塗装剥ぐか。
と、おもむろにパーツを取り外す。

 

パーツを取り外したあとDIYなどで売っている市販の剥離剤をぶっ掛ける。
これが早い話きかねえんだ。びくともしないスティングレイのポリウレタン塗装。

物理的手段(ペーパーで削り落とす)はボディーの変形が嫌だった為最終手段にすると決めていた俺。
楽器のリペアマンに聞いていた方法で試そうとドライヤーで塗膜を暖めてスクレイパー(鉄ヘラ)で
剥ぎ取ろうとする。これも駄目。

頭に来たからアイロンを「超高熱」設定にしておもむろにボディーに乗せる。
あたりにこげた匂いが漂う・・・・・これはいけるか?すかさずスクレイパーを突き刺す!が
びくともしません・・・・・・・・若干表面は削り取りやすくなった程度。あきらかに失敗。
しかもボディーが焦げ損。あっと言う間にボディーは見るも無残な姿に・・
「死体」とまで呼ばれた・・あきらかにこれは「死体」だ


汚くムラムラな死体だ。泣けてきた。


そこで有名な剥離剤「ネオリバー」を作っているメーカー「三彩化工」をNETで調べて電話を掛けた。
親切丁寧な関西弁のおじさんが「市販されているのはほとんどがアルカリ性で、しかも業務用より効き目が弱くなってるよ。
ウレタン塗装には酸性タイプの強い奴じゃないと先ず無理だね。」(関西弁)と教えてくれる。品名は「ネオリバーSP751」
その製品は「関西ペイント」を代理店として一般のDIYショップでも入手できる事がわかった。

「只・・・」(関西弁)
「只・・なんですか?」
「酸性タイプはかなり強いので下地の木(今回はアッシュ)を変色してしまうんだ」(関西弁)
「その変色と言うのは木の中に含まれるタンニンやなんたらやらと化学反応を起こして変色するのであって、
木の種類や性質によっても変色の度合いが違う。またまた、木の部位によっても変色の度合いが違うので斑になってしまうよ。
しかし、下地の木そのものを変質や劣化させたりはしないので変色さえ気にならなければ
安心して使って貰えるよ」(関西弁)



物は試しと4kg入りを早速入手


かなりの有害薬品なので取り扱いにはくれぐれもご注意を!


脚立に吊るすようにネックの取り付け部分に木のハンガーみたいなものを取り付け
早速たっぷりと塗布した。


オブジェじゃないです。

が、しかし表面の艶やかなクリアが下の写真のようにガビガビと浮くだけなのである。
15分から30分で塗膜が浮いてくるのが普通だが俺は乾燥させないように留意しながら
1時間以上塗布したまま放置した、が・・・・×模様。


   

表面のクリアはスクレイパーでガリガリと削ぎ取るような感じで剥がす。
しかし下のポリウレタンはびくともしない。多少削ぎとりやすく柔らかくなったような気はする。
ただ、普通の塗装を剥離剤でペロンと剥くようなあの感じは全く見えてこない。


注)今回、この剥離剤がポリウレタン塗装に効果が無かったのは、スティングレイの塗装が特種なものだったように
感じます。表面のポリウレタンは確かに剥離できました。下地の塗装幕?が塗料で無いような気がします。
特にクリアの場合は下地と塗装の接着が強固に結ばれるのも一つの要因かも。
メーカの話では確かに「ネオリバーSP751」はポリウレタンに効くそうです。



科学的手段が失敗に終わり、残された道は物理的手段・・
紙やすりで削り取る事をついに決意した。



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