=イタリア記=
             (十四)

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ここは男性用の脱衣室です。
保温性を重視したせいか明り取りのようなものはなく薄暗い部屋です。
人が多く一部しか撮影できませんでした。
脱衣室では盗難が多かったということです。




脱衣室の奥にある「冷浴室」。
「フリギタリウム」と呼ばれてます。
二段式の大理石の浴槽になってますね。
夏の暑いときとか運動した後にはここに一番先に入ったのかもしれないですね。




ここは浴場の中央の部屋で「微温浴室」
「テビダリウム」呼ばれている施設です。
部屋の空気が熱せられていて浴槽はありません。
巨大な火鉢などで空気を温めたようです。
適度に汗を流したり、次の高音室に移る時の温度変化を和らげる部屋だったようです。
天井は脱衣室と同じようにアーチ型ですが、
美しい模様が描かれた漆喰で飾られています。
これらアーチ型の天井はローマ時代から始まるコンクリート製だったそうです。
木製天井より湿気に強く、柱を省いた広い空間を作るための建築技術だったようです。
唖然とさせられる技術力ですね。2000年前ですよ・・・。




男の立像が左右に並んでいて
天井を支えてるという風情ですね。
この時代も男は今と変わらず大変だったようですね・・・。




「微温浴室」二は大きな火鉢が置かれていて、
白い灰の上に木炭を燃やし部屋を温めたようです。
もう少し立つと床暖房に替わって火鉢使われなくなったということです。




壁には男の立像です。
装飾は細かく凝ってますね。
立像と立像の間の空間は脱衣置き場に使われていたようです。




「高温浴室」にある浴槽です。
「カルダリウム」と呼ばれてました。
ポンペイの市民は、午前中に仕事を終え、
昼寝から夕食まで公衆浴場で、のんびりと過ごしていたようです。
うらやましい生活をしていたんですね。




高温浴室の端に半円形に突き出したスペース(アプス)に水盤が置かれてました。
天窓が多く作られていて一番明るい場所でした。




中央に噴水が出ていたという水盤です。
ここで水を飲んだり熱くなった顔や体を冷やしたと思われます。
水盤の淵にはアルファベットが刻んであり、
選挙での投票を期待して寄付した有力者の名前が刻んであるそうです。
けっこうな選挙運動があったんですね。




「フォロ(フォルム)浴場を出て、
向かいの「悲劇詩人の家」の玄関を見学です。
ポンペイの図録などには必ず出てくる絵ですよね。
絵の下には、影で分かりづらいのですが、
「CAVE CANEM(カーベ・カーネム)という文字が書かれていて、
「犬に注意」という意味だそうです。
番犬を飼っていたということですね。
このモザイクの本物は「ナポリ美術館」にあって、これはレプリカです。




長い通路が奥に伸びてました。




これは石畳についた車輪が行き来した跡ということです。
荷車を引いた跡でしょうか・・・。
石がへこんでますね。
車輪の跡が残ってました。
かなり多くの往来があったことがわかります。




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