譜面台の陰から
>気になる演奏(一)<
発表会が終わってからの猛暑は容赦がなく、
椅子に座ってるだけでバテるような厳しさ・・・。
今年は猛暑日が連続八日と新記録を樹立。
なんとも毎日ぐちを言い立てるような環境が出現しました。
そんな中でも発表会の演奏を聴いていて気になる演奏に遭遇。
気になったところを少し書いてみようということで、
お盆休みを〆ようかと考えてる次第です・・・。
この曲はカーノの練習曲ですが、
なかなかメロディーがギターらしくいいですね。
この曲に今回、Kさんがトライしてみたのですが、
この曲は左の指の移動で厳しいところが二か所程あり、
ここがなかなかスムーズに弾けないという欠点があります。
綺麗なメロディーのわりにはなかなかうまく弾ききれない。
よく聞く声ではあります。
難しい指の運びがある曲を舞台で弾くのは、
気合がいるところですが、
今回挑戦してみたというところだと思います。
まず、全体を俯瞰して聞いてみると、
全体としてテンポが少し遅め、
しかし、大きな破綻がなくしっかり弾ききっている。
しかし、前半たぶん自分で決めたテンポで、
弾き始めることが出来ていると思います。
弾き損じもなくメロディーもしっかり弾けてます。
しかし、前半の繰り返しに至って少しテンポが早くなりました。
前半を無難に切り抜けてホッとしたのかもしれません。
しっかり出ない音が出来てしまいました。
しかし、すぐに元のテンポに戻りました。
もう少し早くなったテンポが続くようだと、
大きなミスにつながったかもしれない。
後半、この出だしは少し嫌なところで、
弦と弦が接近していて指の動きを悪くするところです。
案の定というか出だしで少し弾き損じが出ます。
ここから少しですがテンポが速くなっていきます。
テンポが速くなると左指に少し力が入ってしまい、
押さえが弾く速度に追いつかなくなり、
しっかり音が出ないということにつながります。
後半には二か所左指の移動に苦しいところがあるのですが、
そこに至るまでにテンポは元に戻っていて、
難しい左指の移動はしっかりできてました。
この難所ではテンポをしっかり押さえる練習が出来ていたと思います。
ただこの難所で力が入ってしまったためか、
比較的なんでもない押さえがしっかりいかなかったのは、
少し残念という気がしました。
後半を繰り返すとしっかり動きを読めていて、
しっかり弾けたと思います。
若干、左指がフレットを押さえる前に右手が弾いてしまい、
音がビレたりしたところは少し惜しい気がしました。
この曲は、長さ的には長い曲には入らないですが、
常に左手が動いていて落ち着きません。
曲全体がアルペジオで少しの油断もできない曲です。
ギターはアルペジオ楽器なので、
比較的アルペジオは弾きやすいというのはありますが、
最初から最後までアルペジオで弾き通すのは意外に大変。
左手の動きが大きく振れると余計難しさはプラスされます。
ちょっとしたテンポの変化、、
力の入り具合で出来上がりに大きな差が出やすいというjこともあります。
今回、演奏者にとっては少し実力より難しさがあり、
キャリア的にも簡単ではなかった気がします。
しかし、一番影響が出るであろうと思われるテンポの設定は、
まずは成功していたと思います。
曲の持っているイメージより遅めのテンポを設定して、
それを確実に実行できたことは大きいと思います。
人前に出るとこのテンポというのはウナギをつかむようなもので、
掴んでも掴み切れないようなところがあります。
そこから大きなミスへつながっていくというのはよくあることです。
この曲を演奏する機会は三回あったと思います。
レッスンの時演奏するのは当然ですが、
リハーサル会、当日の舞台でのリハーサル・・・。
この三回の演奏の時にテンポが全く変わらなかった。
結局、本番の演奏の出だしもまったく変化せずに、
弾き始めることが出来てました。
レベルより曲の持つ難しさもあって完璧とはいかなかったですが、
最も左指の運びが難しいと思われる個所は完ぺきに乗り切って弾けてます。
こちらも一番不安視していたところは、
繰り返してもなんなく弾き通してました。
それ以外に弾きミスが出たのは惜しいところです。
姿勢もバランスが取れていてよかったと思うところの一つです。
やはりテンポというのは演奏と密接に関係してる。
どのテンポを取るかで演奏の出来は大きく違ってくることが分かります。
Kさんの演奏で特筆に値するのは、
常にきめられたテンポで弾くことが出来るところだと思います。
後は、設定したテンポに合わせて左指をしっかり押さえる。
しっかり押さえてから弾くという練習をすると、
もう一歩演奏の成果は上がってくると思います。
これは練習していて一番無意識になりやすいところです。
次回に向けて少し意識して練習すると結果は違って来そうです。
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