譜面台の陰から
>気になる演奏(二)<
7月の発表会の演奏を聴いていて、
もう一曲の演奏が引っ掛かった・・・。
本番でも感じたことだが、
録画されたDVDを見ていて感じたことだ。
ミスをしたかどうかということを気にしたということではなく、
そもそもそんなことを重要視しても意味がない。
一回勝負の舞台で完璧に演奏できるアマチュアギター愛好家が、
そうはいるはずもない。
そんなことに気を止めるというのはまったく意味がないと思う。
ところでこの演奏の何が気になったかというと、
まず演奏の上達ということ・・・。
この方の今までの発表会での演奏を振り返ってみると、
必ずお約束事のようにフレーズが崩れてしまう部分が出てきていた。
そういう演奏が何回か続いたと思う。
なぜ曲の途中で崩れる部分が出てくるのだろうかと、
演奏を観察していると、
ある点に気が付いた・・・。
まずテンポ感が出だしのテンポを曲の最後まで保つことができないでいる。
なぜテンポ感が保てずに崩れてしまうのかということを見ていると、
左右の指の運びにテンポが崩れることによって齟齬が出てしまう。
この状態を治すにはどのような練習が必要かということだ。
単純に根性で繰り返し練習しても全く意味がない。
メトロノームで合わせるだけでもたぶんダメだろう・・・。
では、なぜテンポが崩れるのかという原因を見つけることだが大事になってくる。
なんの原因もなくテンポが崩れるということはまずない。
テンポが崩れる現象を繰り返し見てみると、
どうも右の指の運びが早くなっていることが原因ということが分かった。
ようするに右の指の運びが早くなってしまうことによって、
左の押さえが間に合わず、
そこで音の出がなくなってしまってフレーズが崩れる。
右手の指の動きがテンポを崩す原因になっていたというjことだ。
単純に逆を考えると、
左の弦を押すタイミングに合わせて右手が動けば、
テンポは崩れなくなるのではないかということだ。
左がフレットを押さえない限り右手の指は弦を弾かない・・。
これが徹底されればフレーズが崩れるということはなくなるのではないか・・・。
しかし、だからといって簡単にそれが実行されてできるというものでもない。
そこで重要な練習として音階練習に注目した。
単純に押さえたら弾くということはなかなか目で見えることでもない。
しかし、指の押さえる形に注目しながら押さえれば、
少なくともゆっくり抑えることになり、
また、押さえない限りは右手は弾かないということになる。
要するにテンポが速くなるということはなくなるわけだ。
指の形を整えながらというのは簡単なようで意外と時間がかかるものだ。
その右指と左指の関係を曲の演奏に結び付けていけば、
テンポの走る状態にストップをかけられるのではないか・・・。
早くなったところでも破綻する手前で押さえられるのではないか・・・。
そうはいっても実際の演奏となれば、
緊張感というものが出てくることもある。
まったく自分だけで演奏してる状況は一緒にはならない。
ここのところが難しいところで、
実際効果が上がるまでには若干期間がかかったように思う。
しかし、今回の発表会の演奏を聴いていて、
今回で練習の成果は出すことが出来たと思う。
ミスがあるとかないかを俎上に挙げてどうこうと言うきはない。
先に書いたように意味がないからだ。
この曲の中盤以降テンポが崩れやすい音の並びで、
しっかり押さえることが出来たことが大きい・・・。
この中盤以降の音列は崩れやすい危うさを持ったところだ。
なんだかわけ分からなくなった演奏の例は過去に何回か見たことがある。
だいたいテンポが崩れてしまうことが原因に思えた。
このテンポの崩れやすい危うい部分を、
左指を中心に持ってくることで抑え込むことが出来たと思う。
左指の動きによってテンポは決めていかなければいけないということだ。
それが実行された演奏だったので気に止まった・・・。
上達ということがたんにギターを弾くテクニックだけをさしていうことでもないということが、
ここではよく分かる気がした。
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