譜面台の陰から




                    >右手、左手の親指を考える<
  

                          ◆左手の研究(クリック!)

                          ◆右手の研究(クリック!)


 手というのは右手も左手も同じ形をしている。
持っている機能もいっしょだ。
ただ利き腕というのがあって、
人によって左だったり右だったりする。

最近は左利きでも矯正するということもなく、
左手でペンを持って文字など書いている。
左利きの自分が見てもなんだか?ってな気がする・・・。

 ギターを習い始めた時に感じるのは、
はじめたばかりのころというのは左利きが有利だと・・・。

 ギターというのはネックがあってそこにフレットが付いていて、
そのフレットを左指で押さえる組み合わせで曲を演奏していく。
だからまず左手から入っていくのは当然だと思う。
最初というのはとにかく勘所がわからい状態でギターに接するわけだから、
極めてギターを構えて弾くことに抵抗感があると思う。
左利きというのはその最初の段階で指に力が入るだけで有利というわけだ。

 ギターを習って最初に取り組むのが、
まず左手の指一本づつを自由にしていく練習だ。
このときはやはり左利きというのは当然ながら器用だ。
動きに対して感覚が良い。
だからなにごともなくスイスイというのは・・・そこまではまあない・・・。

 そこで親指はネックの後ろに来るということを習う。
まったく初めて弾き始めた時は、
決められた場所に親指を置くということを強制される。

 この置かれた親指の状態が実は非常に重要だ。
親指を動かさないで他の指をフレットに置くことができるように練習する。
一見なんでもないことのように言えるが、
親指を固定したままで、
人差し指から小指まで動かすというのは結構大変で、
また、指の動きに気を取られてしまうと、
親指がどうなってるかまで気にすることができないと思う。
ほとんどその場の成り行きで押さえてしまっていると思う・・・。

 二つ三つの動きまでならそれでも何とかなるもんだと言える。
しかし、それが一曲トータルしてとなると、
ほとんど曲の長さに関係なく、
最初から最後まできちんと押さえて弾き通すことは不可能になり、
大体は途中で手の形も指の形も収拾がつかなくなり、
音も完全に出ない状態に陥って、
立ち往生という結果になってしまうことがほとんどだと思う。

 では、どこが崩れてうまく指がスムーズに動かなくなるのだろうか・・・。
どこがと言えばただ一つ、親指だ。
親指が全くほかの指とは関係なく動いてしまう、
また全く横に倒れてしまって、
指をネックから離して押さえることができない状態にしてしまっている。
人差し指から薬指までをまったく統一感のない動きにしてしまう。
これでは一曲を最後までスムーズに弾き通すことは不可能だ。

 こう見てくると左手の親指というのは、
やはりまず最初に注目すべき指であることは間違いないようだ。

 親指の確固たる位置取りで、
個々の押さえる指の連携は保たれているということだ。
親指がふらついていてはとても安定した押さえは望めないだろう。
左手の親指を見ると大体どのレベルで弾けるか判断がつくものだ。

 では、右手はどうだろうか。
右手の中心的存在というのはやはり親指だろうか・・・。
どうもそれも間違いないことの一つのようだ。
右手に関しては右利きが有利なのは当然と言える。
ただ左指ほど当初はインパクトがないので、
右利きが有利だとははっきり認識できないかもしれない。

 しかし、右手というのは弦を弾いて音を出していく指だ。
これがまた何もしないでただ弦をひっかいていると、
アルペジオなど細かい動きを伴う奏法には全く手が出なくなってしまう。
やはり人差し指から薬指まで使うわけだが、
これを何の制御もなく動かせば、
それぞれ指の付き方も違う、動く方向も違う、
まして長さも違う、
となれば全く統一された動きは望むべくもない・・・。

 こういう一本一本違う指をただその指の都合で動かしていては、
とても複雑なギターの奏法の動きを正確に実行することはできまない。
では、指を制御して統一した動きにするのに重要なことは何かとなる。
一番重要で中心的な役割を持っているのは実は親指だ。

 まずそれぞれの指を統一した動きにするために一番重要なのは、
親指の弦に触れる形が安定していること。
親指と人差し指が常に当間隔であること。
親指と人差し指は原則くっついていはいけない。
この二つは特に重要だ。
親指が人差し指の中に入るようではとても細かい動きはできない。
双方が邪魔をしあって動きを悪くしてしまうのだ。

そして、一番厄介なのは薬指と親指の関係だ。

薬指というのは中指より短い。
どうしても内側に向かって弦を弾いてしまう。
そうするとどうなるかというと、
手首が押されてしまって手首が伸びてしまう、
いわゆる手首が寝た状態だ。
こうなると親指というのは抑えが効かなくなって、
低音に圧力をかけられなくなってしまう、
そうすると音も満足に出せなくなってしまう。
しかも悪いことに人差し指も中指も、
動きが横の動きになってしまって、
しっかり弦にタッチすることができなくなってしまう。
いわゆる音をしっかり出せない状況が出現する。
ここまで来てしまうと、
いくら注意されてもできないものはできないという話になってしまう。
ま、ここまで来ることのないようにレッスンというのはあるのだが、
それ以上に本人の注意力が必要になる。

 結局、どの指も親指との関係で動く方向を決めるべきだし、
親指を無視して勝手に指を動かしてはいけないということだ。

 特に右手というのは左手のように、
見ながら動かしていくということができない。
要するに演奏しているときは、
ほとんどヤマカンで動かしているわけだ。
どのように形が崩れてもなかなか修正することができない。
曲の難度が進めば進むほど右手は難しくなる。

 最終的にどちらが利き腕であっても有利不利ということはなく、
左右の親指を研究することに変わりはないようだ。
楽器を演奏するということはかなり不自然さというのを伴っている。
特にギターという楽器はフレットを押さえる、
それも複数押さえて移動させて曲を弾きすすめる。
非常に力の入りやすい楽器だと思う。
力が入ると姿勢というのは指先からつま先まで崩れやすい。
ギターという楽器は姿勢が崩れやすい楽器と言える。
姿勢が崩れやすいということは演奏が崩れやすいということとイコールだ。
それを最小限にとどめるためには、
基本は重要であり、
特に押さえて弾く指の基本、すなわち親指は重要だと言えると思う。
初心者の段階から左右親指の研究は怠るべきではないと思う。






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