譜面台の陰から
>テーマを決める<
今年も発表会が近づいてきました。
毎年恒例となっていますが、
生徒の皆さんのレベルも上がってきていて、
弾かれる曲もレベルが上がってきていると思います。
名曲を演奏する。
それはなかなか一朝一夕でできることでもないので、
大変なことだと思います。
間違えずに弾きたい・・・。
これは演奏するからには当然考えることです。
それはそれで重要なことだと思いますが、
演奏する人がみな同じ目標である必要もないのではないかと思います。
間違えにミスなく演奏したいというのは、
もちろん当然の思いだとは思いますが、
もう一歩踏み込んでみてもいいような気がします。
それは一つ演奏する曲に対して、
テーマを絞って演奏してみるということです。
テーマを絞ってミスなく弾くことと言えばそれで終わりなわけですが、
ミスなくということをひとまず脇において、
もう少し音楽的なところで、
テーマを持って演奏してもいいのではないかと思う。
難しいことをテーマとして持ってくることはなく、
ビレた音を極力少なくして綺麗な音で弾く。
ギターの音の魅力を考えてみると、
以外に何の気もなく弾いてしまってることが多いのではないか。
ギターの音の魅力をテーマにしてもいいと思う。
これは曲の難易度とはおおよそ関係がない。
曲にかかれている音符の音を全部しっかり出す。
ギターは和音楽器であるという宿命を持っている楽器で、
曲に書かれた音が全部出しにくいということがあると思う。
これをしっかり全部の音を出せるように練習し、
実際に舞台で演奏してみる。
メロディーに強弱をしっかりつけて弾くのも大事なことだと思う。
この強弱というのがギターにはなかなか難しいことだと言える。
そもそも音量の少ないギターは強弱の幅が狭い・・・。
ピアノシモからフォルテシモまでの幅がいやに狭い。
強弱が出しにくいとなると、
なんとなくただ弾いてしまうというのがギターだと思う。
そこで少し強弱を聴く人に分かるように弾く、
これはいいテーマになると思う。
これも曲の難易度は関係がないことの一つだ。
演奏するテンポをテーマにすると意外に面白いと思う。
これは曲の音を全部出すということにつながる。
聞きかじりのテンポではなく自分のテンポで弾いてみる。
弾く曲がそもそもどんなテンポかというのは関係なく、
自分がしっかり弾けるテンポで演奏してみる。
聞きかじりのテンポでないとだめかということを考える必要はないと思う。
テンポというのは個人個人の持ち味であるわけだから、
遅いか速いかを気にする必要はない。
全部の音を出せるテンポでいいと思う。
しかしこれはそうたやすいことでもない。
やはりいろいろなテンポを試しながら練習する必要があると思う
初めて舞台に立つというのであれば、
とりあえず間違えずに最後まで弾ききるということは、
重要なテーマではあると思う。
これも演奏するうえでのテーマになりうると思う。
ただある程度経験を積んできたということであれば、
一つテーマを持って演奏に臨んでみるのも面白い。
これは練習するうえでもいい意味を持つと思う。
一つ目標を絞れば意欲が違ってくる。
この意欲を持つということは、
目標を持つことによって出現する心理状況だと思う。
意欲を持ってから目標を探すのでは、
探してる間に下手をすると人生が終わってしまうことも考えられる。
人生は思いのほか短いものだ。
まず目標とするテーマをもつことによって意欲を引き出す、
これは大事なことだと思う。
意欲を持ったから目標が出てくるわけではないと思う。
目標を持つから意欲が出てくるんだと思う。
ステージで演奏するという目標を持つから意欲が出てくるんだと思う。
そしてもう一歩踏み込んで曲に対するテーマを持てば、
練習に対して意欲を持つことができると思う。
学生のころは回りの大人が目標をぶら下げてくれたかもしれない。
大人になればだれも目標をぶら下げてくれることはない。
やはり自分で目標となるテーマを見つけていくしかないと思う。
よりコアな意欲を持って事に臨んだことは確実に身につくと思う。
少し極端かもしれないが、
100回のレッスンより一回の人前演奏ということだ。
発表会というのは意欲を引き出す、
いいニンジンをぶら下げられる場だと思う。
ギターを弾けるようになって、
自分の世界を広げるというのは当初の目標だと思う。
これは習いに来る一番大きな理由だと思う。
弾けるようになるという世界を広げたら、
さらにテーマをもって舞台に臨むことによって、
またさらに広い世界を獲得できると思う。
一つの狭い世界に安住するのではなく、
意欲をもってテーマを積み重ねることによって、
自らの世界を広げることはできると思う。
発表会前に一つの提案としてみたい・・・。
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