譜面台の陰から





                           >初心にかえる<




初心にかえる。

思い迷った時によく使われる言葉だと思う。

人間生きていると必ず迷いが生じ、

どこにも出口のない状態に陥るものだと思う。

誰でもこのあたりのことは共通だと思う。

動けなくなれば人間座り込んでますます動けなくなる。

これも当然のことだと思う。

ある程度人生を歩いていれば誰でも共通ということだろう。

しかし、座り込んでるだけではこれまたどうにもならない。

この座り込んでしまった状態の時に使われる言葉が、

初心にかえれという言葉だと思う。

あまり状況を広げてしまうと、

話は多岐に及びすぎて収拾がつかなくなるので、

ここはギターのことに絞ってみたい・・・。

それでもなかなか奥の深い話ではあると思う。


 まず、ギターの演奏を志して、

教室の門を思いっきりかそっとかわからないが、

とにかく叩いて入門・・・。

弾けるようになろうと志して始まるわけだが、

まず第一の到達点というのがあると思う。

そこに到達したときに大きな喜びが待っていると思う。

さらにレベルを上げるべく練習していくわけだが、

人間ここらあたりから難しさが出てくると思う。

この第一の到達点までという時間の流れはそう短いものでもない。

やはりそれなりの時間がかかっての到達だ。

そしてそれ以上とのレベルアップとなれば、

さらに時間というのは長くなっていくものだ。

長くなっていくにしたがって人間というのは、

それ自体の状況も変化していくものだと思う。

なにもしないでボーっとしてるわけではなく、

日々仕事なり勉強なりしてれば、

当然いろいろな状況の変化というのは起こってくるものだと思う。

ま、それが普通だと思うが・・・。

そういう状況の変化をくぐるたびに、

最初の志はあいまいになっていくと思う。

しかも一つのレベルを超えて次のレベルに進むということは、

それだけ難しさも出てくるわけで、

なかなか最初の時ほど簡単には越えられなくなってくる。

しかもめぐる状況というのは刻一刻と変化していく。

ここまでくれば精神的に厳しくなってくるのが普通だろう。

だいたいここで座り込んでしまう。

出口のない状況という状態だ。

この状態の時に一番必要な言葉というのが、

初心に戻れ・・・という言葉ではないだろうか。

どういう志をもって始めたことなのか、

今いる自分を変えていくということは、

十分大きな志だと思う。

ところがさまざまな状況の変化というのは、

そういう最初の志を忘れさせてしまう。         

忘れるまでいかなくても曖昧にさせてしまう・・・。

忘れさせ曖昧にさせられる度に捨てさせられてしまう。

それを繰り返すたびに何も得るものもなく時間は過ぎていく。

人間というのは持ってる時間有限だ。

これは、なんとか人という区分けがあっても変わらない。

この一人一人持っている時間の中で、

新たにものごとを得られる時間というのは、

そうは長くなないと思う。

その長くはない時間の中でいろいろな状況が生まれてきては、

翻弄されていくわけだからなかなか大変だと思う。

そういう大変な状況の中で最後のよりどころになるのが、

初心に戻るということだと思う。

最初に持った志を再確認する。

自分の持っているレベルをさらに上げていくのは、

薄れてしまいがちな初心を取り戻すことだと思う。

薄れてというより薄れさせられてしまったというべきか・・・。

意欲をもって始まったことも、

長い間には意欲の部分というのは薄れてくるものだと思う。

同じ状況の中にいるわけではないから当然だと思う・・・。

だからといってそのまま座り込んでいたのでは、

もう一度明確な意欲を持つことは難しいと思う。

初心に戻るという精神的な行動を起こしてこそ、

意欲は湧いてくるものだと思う。

初心というのは実はエネルギー基地のようなものだと思う。

初心に戻るという精神的行動を起こさない限り、

自分をステップアップしていくエネルギーを得ることはできないと思う。

意欲を持って取り組んだことも、

時間とともに、取り組むことによって意欲がわく、

というふうに変化するものだと思う。

初心忘るべからずという言葉は、

いつの時代の人間にも共通している言葉のようだ・・・。




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