譜面台の陰から



                   


                         >左右の指を考える<





ギターは左右の指を使って弾く楽器です。
ま、当然のことですが・・・。
足の指だと短すぎて無理ですね。

この合計10本ある手の指を少しジッと見てみたいと思います。
手のひらが広く手指が短い、小指がいやに長い・・・。
いろんなことが発見できたりするわけです。
この指について少し考えてみたいと思います。

人間左右の指が五本づつあって、
それが当たり前ということで成長してきてるわけですが、
左右の手を広げて指を眺めてみてほしい。
一見同じように見える指ではありますが、
実は一本づつ性格が違うのです。
普段特に意識して使っているわけでもないので、
性格と言われてもぴんとは来ないと思いますが、
やはり一本づつ持ち味は違うのです。

この持ち味の違う指が連携して、
一つの作業を完成させていくわけです。
それぞれなんとなく勝手に動いて、
一つの動きを形作ってるわけではないのです。
はっきりとした役割分担があって、
その役割をきちんとこなすことによって、
頭で要求したことを完遂するわけです。

特に右手と左手では全く性格は異なります。
右利き、左利きというのがありますが、
右利きの右手と左利きの左手は同じ動き、
また働きをしてるわけではありません。

一見すると右利きの右手の働きと左利きの左手は、
同じ動きをして生活してるように見えると思います。
しかし、これは自分が左利きであるということからして、
絶対に右利きの右手と左利きの左手は全く違うと言い切れます。

また右利きの人の手と指が横並びに誰でも同じということもない。
左利きも同じです。
何人集まってもすべて違います。
そして集まっただけの指の性格があります。
すべて同じということはないのです。

このすべて性格の異なった指を動かして、
ギターという楽器は弾かれるわけです。

もう少し具体的に指を見てみたい。
指というのは人差し指と中指、薬指と小指、
ちょうど中指と薬指の間を境にして世界が全く違います。
もっと細かくすると人差し指と中指も性格は違うと言えます。
小指と薬指もやはり持っている世界は違います。
要するに指よいうのはバラバラな世界をそれぞれ持ってるわけです。

このバラバラな世界を持つ指を、
ギターを弾くための動きに統一していくことが、
必要になってくるわけです。
そこに一つのトレーニングというのが出てくるわけです。
このトレーニングを通じてそれぞrバラバラな世界を持つ指を、
ギターを演奏するという一つの目的のために、
必要な動きへと変えていくわけです。
変えていくというより一つの新たな動きを覚えて、
それぞれの指の世界に加えていくといったほうが当たってると思います。

この一本づつ持っている世界を無視して、
強引にギターを弾こうとしてもなかなか難しいということです。

ギターは左右の指が全く違う動きをして演奏する楽器です。
しかも弦は6本あって指板は広く弦と弦の間は狭いです。
左指はこの指板の上を狭い弦の幅をかいくぐって、
音を出していかなければなりません。
かなり微妙な感覚が要求されるわけです

右指はこの6本の弦を狭い感覚をすり抜けて、
隣の弦に触れないように弾かなければならないわけです。
ほかの弦に触れる時は消音するときぐらいです。
これまた狭い間隔の中を素晴らしい速さで弦をはじいていくわけです。
デイビッド・ラッセルのように世界的なプロになると、
ほとんど神の手って感じです。
しかし、やはり当初のトレーニングは、
それほど一般の人と違ったわけではないでしょう。
その後は持っているものの差にはなっていくとは思いますが・・・。

では、どういうトレーニングが必要なのだろうかとなります。
一言でいえば各指の性格を理解した上でのトレーニングとなります。
確実にギターを弾けるようになるためには、
最初の段階で指の性格を理解して、
その指の持つ世界に合ったトレーニングをすることが、
弾けるようになる一番の近道と言えるのです。

しかも弾けるようになってからも、
このトレーニングは必ず有効に働くと思います。

基本練習というと何となく退屈なイメージを持つ場合が多いと思いますが、
実はこのことを理解して向かうと、
とくに退屈感というのは出てこないと思われます。
この「なぜ」が明確になると基本の基本練習というのは、
面白い研究テーマに変貌していくもんです。

左右の指の性格と世界を理解し、
有効なトレーニングをしていくことが、
ギターの持っている世界を広げてくれるといえるわけです。
ギターという楽器は持っている世界が広いので、
もしかしたらほかの楽器の何倍も楽しめる楽器なのかもしれない。




 
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