譜面台の陰から



                   


                       >09、クリスマス会後記<





クリスマス会が終わって一週間以上が一気に過ぎた。
出演した方たちも次の目標にむかって、
新曲にチャレンジし始めたところだと思う。

今回のクリスマス会で弾かれた曲は総じて難度が高く、
コンサートで弾かれるような曲も多数演奏された。
何年か前では考えられないプログラムになっている。
それだけレベルが上がってきたということだろう。
今年の発表会といい今回のクリスマス会といい、
皆さんのレベルアップには目を見張るものがあります。

同じ人前演奏でも発表会とクリスマス会では、
かなり演奏する状況に違いがあることに、
気が付いている人も多いと思う。

どのような違いがあるかというと、
発表会はステージの上に乗って演奏する・・・。
クリスマス会は聴き手に囲まれて演奏する・・・。
同じ演奏するにしてもこれはかなりの違いがある。

演奏者からよく聞く話として、
発表会のステージのほうが弾きやすい。
クリスマス会は緊張する・・・。
これはこの二つの話になると必ず出てくる感想だ。

ではなぜステージに乗ると弾きやすく感じて、
クリスマス会では弾きにくく感じるのだろうか・・・。

気付いてる人もいるとは思いますが、
ちょっと整理してみるのもいいかもしれない。
この二つの会の違いを理解して演奏に臨むことは、
演奏経験として個々の財産になると思う。

ステージというのは単純に聴衆からまず離れている。
離れているとまず息遣いを感じずに演奏できる。
ようするに自分の世界に引き籠ることが容易だということだ。
だいたいはステージから見て、
聴衆は暗いせいもあってよく見えない。
これだけでも演奏する時の集中力は高め易いといえると思う。

場所を変えてクリスマス会の場所はどうだろうか・・・。
まず聴き手と演奏者が同じ床の上に位置している。
目線が同じ位置にある。
しかも演奏者と聞き手の距離がかなり近い・・・。
ようするに息遣いを感じる距離に演奏者がいるということだ。
人間といのは人が隣にいると、
まったく無視できなようにできている。
ということは演奏者は、
聴き手の息遣いを常に感じながら演奏することになる。
これは集中しにくいという状況だと思う。

最もクリスマス会も回数重ねて出てる人が、
全体として多くなったせいもあり、
あまり極端な差は出にくくはなっているかもしれない。
人間ある程度慣れというのは確かにあるわけで、
人の息遣いを感じつつも、
それをうまく回避して演奏する、
そういういわゆるつぼを心得てしまうということがあると思う。

しかし、もう少し初心に戻って、
この息遣いの違いを感じて演奏するということは、
ケースバイケースに対応できるようになるということだと思う。
発表会、クリスマス会に臨むときに、
演奏しながら息遣いの違いを感じることができれば、
また違った感想を持てるのではないかと思う。

ギターは指先の繊細な動きを駆使して音楽を奏でるという、
きわめてメンタルな部分の影響を受けやすい楽器だと思う。
少しこの場所による状況の違いを意識して、
経験として積んでいくと、
またより演奏に強くなるのではないかと思う。




 
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