譜面台の陰から


                   >「深呼吸とは」<


 発表会まで二週間を切りましたね。

リハーサル会で練習テーマを見つけることができてるでしょうか。

発表会が近くなれば今まで以上に練習をしてるとは思いますが、

どうも練習の成果がどこまで発揮されているのか、

なかなか答えは難しいですよね。

舞台の乗って弾くときになにが一番壁になるのか、

だいたい同じ理由が出てくると思います。

「緊張」ですよね。

緊張したくないなと思っても、

これはなかなか意志の力でコントロールできるものでもない。

気合には自信があるという人でも、

この緊張する状態というのは、

なかなか解決できるものでもないと思います。

大人にとっては緊張するというのは条件反射みたいなものなので、

意志力でコントロールするというのが、

最も難しい部類の精神状態なんですね。

舞台に立って人前で演奏するという行為というのは、

まず普通の生活の中では存在しないですよね。

飲みながら友達の前で弾くのとはわけが違います。

それでもなかなか思うように弾くのは難しいですよね。

この緊張するという体の変化を少し考えてみたいですね

一人でボケッとコーヒーを飲んでるときにはまず出現しないですよね。

人の前で何か自分をアピールしようとするときに出現するんですね。

自分の意志でコントロールできれば何の問題もないんですが、

しかし、自分でなんでもなくコントロールできる状況であれば、

ほとんどそれ以上の上達はないというのが厄介なんです。

近況も何もしないで上達できれば一番楽ちんでいいですよね。

でもそう簡単ではないのが人間ですね。

上達していくということには、

今取り組んでることが、

一歩一歩上の段階が身についていかないとだめですよね。

これには自分の身の上にパニック状態を作り出さないあとダメなんですね。

人間というのはパニック状態になったことというのは、

体がその状態を覚えるんですよね、頭ではありません。

しかし、パニック状態になって、

なにもできなければこれがまたなんにもならないんですね。

この体におこる緊迫した状況を、

うまく回避できればこれに越したことはないんですね。

完全になくすことはできません。

では、この緊張感をうまく回避して、

少なくとも自分の練習していい状態を出現させるためには、

どうしたらいいのか・・・緊張するというのは、

体の筋肉が収縮してしまう状態ですよね。

収縮してしまう筋肉をなんとかしようとして、

震えるんですね。

舞台に出ると、

指が震度3くらいに震えてしまうというのはよくあることです。

これはもうちょっとやそっとのことで止めることはできないですね。

筋肉はパニックを起こしています。

この状態を完全になくすことはできません。

極端に言えばそれでいいのです。

しかし、うまく緩和することはできるんですね。

その方法というのは意外や意外「深呼吸」なんです。

緊張してる状態というのは極端に言えば酸欠状態なんですね。

下手をすると失神してしまったりしますよね。

ようするに筋肉の緊張によって呼吸が浅くなってしまって、

酸素が体に上手くいきわたらなくなる状態です。

体は必死に酸素を取り込もうとしますよね。

そのためますます筋肉は収縮してしまうんです。

この状態がもう舞台のそでに立つところから始まってるんですね。

この状態が舞台の演奏位置に行くまでに、

さらに強力になってしまうんですね。

筋肉が収縮しまってる状態だと細かい動きはなかなか難しい・・・。

アルペジオのような細かい動きに対しては地獄ですね。

この状態を少しでも緩和するためには「深呼吸」です。

運動選手なんかは無意識に腕を広げて、

「深呼吸」する動作をする人がいますよね。

これは少しでも胸を広げて多くの酸素を体に取り入れようということです。

緊張して筋肉が収縮してる状態では当然呼吸は浅くなります。

呼吸が浅くなれば体に取り入れられる酸素は少なくなってしまいます。

脳に行くべき酸素も薄くなってしまいますよね。

これが、ど忘れの原因にもなるんです。

人間の脳は大量の酸素を常に必要としてて、

十分に酸素が取り入れられてる状態であれば、

一生懸命に働いてくれるんですよね。

腕の筋肉も十分あ酸素が供給されれば、

緊張は解いていけるんですよね。

弾く前に「深呼吸」をしてるのに、

そうはならないという人もいると思います。

「深呼吸」をして酸素が体に回るには、

多少の時間を要します。

「深呼吸」した酸素があっという間に、

体全体にいきわたるというのは無理ですね。

ぜひ5分前には数回大きく息を吸ってほしいです。

腕を弾いて胸を大きく広げて、

できるだけ多くの酸素を体に取り入れてみてください。

人間の体というのは十分な酸素が取り入れられれば、

筋肉はリラックスできるんですよね。

ただもちろんこれだけで演奏のすべてが、

解決するわけではないですよ。

基本はしっかりした練習という土台があることです。


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