譜面台の陰から
>忘れますね<
地元の本屋さんの廃業まで一日余り。
いろいろ考えさせられるんですが、
アマゾンなどの躍進がこういう本屋さんの足を引っ張ってるんですかね。
通販というのは便利なんですが、
地元の文化を崩壊させる危険があるんだと今回改めて認識しましたよ。
いろいろな本のタイトルを見ながら立ち読みなどもする。
それだけで得る新知識というのはけっこう大きいんですね。
地元からこういう文化の発信基地が消えてしまうと、
なんだか籠の鳥って感じになりそうです・・・(/ω\)。
人間の脳の活動の一つに忘れるというのがありますよね。
この忘れるというのは人間にとって結構重要な地位を占めてるんですよね。
とにかく膨大な量の情報が脳には集まってくるわけですから、
入る情報とともに消していく情報もあるわけですね。
けっこう重要なこともいつの間にかポイしてしまっていて、
あとから大慌てなんてことも起こるんですよね。
歳を経るごとにこの自動ポイ機能は強化されていく気がしますね。
入る量よりポイする量のほうが増えていく気がするんですね。
脳も自己防衛機能が働くのか、
機能の低下とともにポイ機能を強化するんだと思います。
無意識に身についていたことも使わないでいるとポイしてしまうんですね。
難なく使えていた電気製品の使い方がわからなくなったり、
あまりひどいとこれはボケってことに分類されてしまいそうですが・・・。
楽器を演奏するという行為は強力な三権分立で成り立っているのです。
楽器を構える。
楽譜を解析する。
音符を音にして出す。
この三つが機能して音楽になってるわけですね。
このうち一つでも欠けると演奏は成り立たないですよね。
楽器を構えないと弾けないですからね。
発表会も近くなってきたので、
出演を予定してる人は、
今は演奏をするという行為が主になってると思います。
最初の音符の一つから、
最後の音符の一つまで通して弾くということですね。
今ちょうど一か月前という感じですよね。
そろそろ全体が弾けてきてる段階だと思います。
ここからどうしていくかで本番での明暗が分かれるんですね。
通して弾けるようになった曲というのは、
だんだん脳みそを使わないで、
ただ指を動かしてるだけということになりがちですよね。
いわゆる手癖で動かしている状態。
この状態になると楽譜も思い出すことはできないですね。
弾いてる楽譜をあらためて読もうとすると、
初めて見るような気がするもんです。
楽譜のここの部分と言っても全然理解できないという状況をよく目にします。
脳みそはとっくに記憶を放棄してしまっていて、
いわゆる単なる習慣化してしまってるんですよね。
この段階で出現するのがど忘れ・・・。
また人前を意識させられただけで、
できるはずのことが全部飛んでしまうような極端なことも起こる時期ですね。
二~三日どうしても楽器に触れないということも、
仕事などあればよくあることです。
このちょっと間が開いて改めて演奏してみると、
あまり変わってないということもあるし大丈夫と思うんですね。
ところがこの魔の空いた状態の時に脳みそはすでに楽譜は放棄してますから、
まったく思い出すことはできないです。
そもそも指の習慣化で覚えてるものですから、
習慣が途切れた時に指n動きのある程度は忘れてしまってるんです。
ところが一人で自分で弾いてるときはなんだか指は動いてるんですね。
ここが一番恐ろしいところで、
あまり変わりなく弾けてるという思い込みです。
一人で弾いてるときは良く弾けるのにレッスンで人の前で弾くと、
どうもうまくいかない、どうなってるんだろうと思うことがあると思います。
この現象は脳がいきなり異常事態を認識してしまうからなんですね。
要するにびっくりしてしまうということです。
習慣化していた指もいわゆるびっくりした状態に置かれてしまって、
前に進めなくなるんですね。
コンスタントに練習をしていると、
それでも指は危機を乗り越えていくんですね。
ところが練習をしていない間があるとその間のうちに、
細かい動きの連結の手ぐせが消えてしまうんですね。
その状況が人前に出ると大きくなってうまくいかなくなるんですよね
しかし、毎日練習できる状況にある場合はいいですが、
日常生活、そうはいかないですよね。
一つの方法として自分の演奏を録音して、
楽器を持てない状況でも楽譜を見ながら聴くことですよね。
自分演奏を聴くのはちょっと、なんて思う人が多いですが、
大丈夫です!、脳みそは関係のない空間から入ってくる情報は、
一人称では判断しません。
単に聴衆になって聞いてるんですね。
脳みそは自分が演奏してるなんて思ってないんですよね。
新しい情報として刺激を受けてるわけです。
脳みそというのは新しい情報というのは、
取り入れて保存しておこうとするので、
曲のイメージというのは残り続けるんですね。
脳の受けた刺激というのは指先まで達してますから、
間が開いて楽器を手に取った時にもちゃんと反応するんですね。
脳からの刺激を受けてる指先は、
動きを忘れないですんでるわけです。
人間というのは刺激を受けて反応する動物ですから、
自分で演奏した録音を聴いてるだけで、
脳からの情報は送られ続けるんですよね。
無意識に指先にも送られてるんですね。
自分の演奏したものでないと全く意味がないことを強調しておきます。
脳で刺激を受けた指の動きが、
まったく自分の動きと関係ないと指先は反応してません。
自分の演奏で脳を刺激しておくというのは結構重要なんですね。
自分の演奏を聴くなんて・・・と思うと思いますが、
習慣的な羞恥心が作用するだけで、
脳みそはなんとも思ってないですね。
来る刺激を取り込もうとするだけです。
けっこう面倒くさいことかもしれないですが、
面倒くさいことって、
結構人間にとって重要なことかもしれないですね。
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