譜面台の陰から
>決定力不足はテンポから<
いよいよ発表会までに二週間余り・・・。
けっこう迫ってきたかなという気がしますね。
プログラムに並ぶ曲がまたすごい!!
名曲、大曲、難曲がずらり・・・。
出来上がってきたプログラムを見て、
最初の感想「すごいな!・・・」と。
曲の長さもなかなかのもので、
二ページに及ぶなんて曲も普通に載っている。
それぞれのレベルに即しているとは思うのですが、
やさしいと思われる曲が一曲もない・・・。
レッスンにもグループレッスンと個人レッスンがあるのですが、
これは個人レッスンの成果という気がしないでもない。
これだけ曲が大曲化し難曲化してくると、
簡単に成果を上げるのは大変という気がする。
それを見越してリハーサル会というのを開催している。
発表会も二十回くらいまではなかなかかわいらしい曲も多く、
それほど大きく曲が崩れるということもなかった。
リハーサルl会なども必要なかったと思う。
回数を重ねるにしたがって名曲、難曲に挑戦する方が増えてきて、
それに伴って大きなミスも散見されるようになってきた。
そこで出現したのがリハーサル会。
当初は、前もって腕試しができればいいかなという軽いノリの会だった。
ここまでくるとそういう簡単なものでもなくなってきた。
いろいろ試す項目が増えてきて、
なかなか侮れない会になってきた。
こちらとしても本番の発表会の舞台よりも、
こちらのリハーサル会の方が緊張する事態になってきている。
ここでどのように演奏されるかで、
本番の演奏というのはある程度把握できるからだ。
過去を振り返ってみると、
リハーサル会であまりに完璧に弾けてしまうと大体結果はよろしくない。
リハーサル会が本番化してしまって、
完璧に弾けてしまうと内面で終了感が出てしまうのだと思う。
これでは本末転倒というということになってしまう。
しかし、この心配もここまでくるともうそういうことはないと思われる。
それだけ曲が大変になってきているということだ。
これだけ大曲、難曲が並んだ中で、
本番に向けてどう結果を出していくのか。
ただなんとなく本番の舞台に座って、
なんとかなるということでは済まない曲が並んでいる。
では、何を考える場にしておきたいのかと考えると、
まず暗譜の状態。
とにかく長い曲が多いので、
そこは特に重要だと思う。
ぶっつけ本番で演奏してみると、
暗譜の弱いところは、はっきりしてくると思う。
ある程度の歔欷になると非常によく覚えてる部分と、
意外に弱い部分がはっきりあると思う。
そこをしっかり把握して本番までの練習に生かせればかなり違うと思う。
次に技術的に難しいところがどこまで克服できているかということ。
レッスン段階ではまったく弾けないところというのは無くなっていて、
そこではもう弾けるかどうかの判断はできない。
やはり人を前にしてみないとホントにこなれてるかどうか、
分からないということだ。
それとよくあることですが、
普段気にするところでもないところで忘れる。
これもよく聞く話ですよね。
「なんで???」ってなところでのど忘れ・・・。
これも人を前にしてみて初めて出てくる現象ですよね。
難しいと感じてるところでは脳みそも緊張感があり、
難しさを乗り越えるベくエネルギーを発揮するので、
意外となんでもなく乗り切ってしまうのですね。
しかし、普段なんの問題もなくスラスラ弾けているところでは、
脳みその緊張感もない状態なんですね。
慣れてる道で目標のお店を通り過ぎてしまうのと似てますね。
こういう、ど忘れをしっかり発揮しておくのも、
リハーサル会では重要なことだと思われます。
あとから修正して練習することはいくらでもできますから・・・。
一曲を弾き通すという過程では、
とにかく山あり谷ありの連続ですね。
これは曲の長短で差はないです。
では、この山と谷をできるだけ平たんにするにはどうしたらいいのか。
ここからが本題と言えば本題で、
タイトルの意味を書いていこうと思います。
決定力不足・・・どこかで聞いたことのある単語。
今ワールドカップで快進撃をしている侍ジャパンですね。
今日が最大の山場のデンマーク戦・・・。
ま、それはここではどうでもいいのですが、
決定力不足はテンポから・・・。
今回のように難曲、大曲が並ぶとその曲の中には、
高度差のある山と谷が並んでるんですね。
この高度差で大体うまくいかないということが起こるんですね。
難易度の高度差が大きいとテンポの設定が大きく影響するわけです。
比較的やさしいところでテンポを合わせてしまうと、
難しい箇所でコケる。
やさしいところではテンポは確実に早くなりますからね。
そのテンポで難易度の高いところを登ろうとすると、
なんとなくずり落ちてしまうのです。
人間というのはやさしいところで早く歩こうというのが、
大人では特に身についてしまってるから、
高度の高い難しい難所があるのが分かっていても、
自然に早くなってしまうのですね。
それは自然なことでいいとか悪いとかで片づける問題でもない。
だいたい高度の高い難所というのは左手であることがほとんど、
要するに左手がついていかないということですね。
そもそも右手というのは利き腕であることがほとんどですから、
早く弾こうとするわけです。
移動も少ないですからね。
それに反して利き腕でない左腕は移動の距離が長い。
これが実はギターの難しさなのですが、
これを無視してはまず高度差の大きい難曲大曲は、
上手く乗り越えられない。
ではどうするか・・・。
まずは曲の出だしのテンポです。
人を前にするとテンポというのは大体早くなるのが自然です。
レッスンの時にはありえないテンポで本番で弾いているのを見て、
唖然とすることがよくあります。
このテンポじゃ無理だろ!
というようなテンポで弾き始めるのです。
やはり人前に出たときの緊張感が、
テンポを勘違いさせるのだと思います。
まずは出だしのテンポを、
少なくともレッスンの時に弾いているテンポで、
弾き始めるということはかなり重要なことだと思います。
ある程度曲が長くなってくると、
テンポも速くなっていくことがほとんどです。
これはふつう誰でもそうですね。
この場合どうするのか・・・。
技術的に難しいところの手前のフレーズの始まりのところで、
冷静にテンポを修正します。
フレーズという観念がないところは難しいかもしれないですが、
メロディーの切れ目というところです。
技術的難度の高いところというのは、
高度が高いところですね。
低い高度のところの速度で登ってしまうとまず息切れします。
まあ、うまくスムーズにいかないということです。
高度の高い難しいところのフレーズの出発点で、
テンポを調整することが必要です。
一曲を弾き通すことは、
メトロノームのようなテンポで弾きとおすことは土台無理です。
特に高度の高い難しい箇所を無事に登りきるには、
左手にやさしいテンポが必要です。
一昔前の山岳部のようにケツをひっぱたいて急登を登らせようとしても、
絶対に無理!!
左手はついてきません!!
難しい高度の高い箇所で左手にやさしいテンポを選択することが、
一曲の結果を出すには非常に重要です。
ここでタイトルの一言、
「決定力はテンポから」です。
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