譜面台の陰から
>アンサンブルの力から<
>2月のあっ!という間にもう終盤・・・<
と先月書いたら、3月もあっという間に終盤だった
>なんだか早すぎない・・・と独り言で文句を言う<
と、この後続けたら、
2月以上に早く過ぎるので言葉が出なくなった・・・。
いわゆるグーの音も出ない状態(*‘ω‘ *)
次・・・って感じ。
楽器演奏には分けるとすると、
ソロ演奏とアンサンブル演奏がある。
ソロは一人で演奏するから形態はひとつだ。
アンサンブルは二人のデュエットからトリオ、カルテット・・・。
大人数による大アンサンブル。
合奏用のギターを使ったアンサンブルもある。
独奏から大アンサンブルまでこなせるのは、
これはギターの持ち味の一つだと思う。
ギターの持ち味が最大限に発揮される世界観ではありますね。
アンサンブルというのは簡単に経験できそうで、
他の楽器だとけっこう簡単にいかないのが実情。
普通のギターだけのアンサンブルは比較的できる可能性が高い。
しかし、合奏用のギターを使ってとなるとかなり範囲は狭くなる。
今や相当貴重という気がする。
楽器演奏のそもそもはなにか。
独断と個人的意見で考察すると、
楽器演奏というのは、
そもそもアンサンブルから始まったのではないかと思う。
それも楽器だけの演奏というのは少なくて、
だいたいコーラスが控えていてその伴奏が主だったのではないか。
そのアンサンブルの中から特に才能の際だった奏者が、
ソロを弾くようになった・・・。
こういう流れで来たのではないかと思う。
日本だととかくソロ偏重という気がしないでもない。
フィギヤスケートの世界を見てるとなんとなくそんな気がする。
日本では一人で演技することが主流で、
アイスダンスやペアはあったのというくらい地味。
テレビで見ることってほぼない。
しかし、欧米を見てみるとソロよりペア、ダンスの方が注目度が高い。
ソロはいまいちでもペア、ダンスは圧倒的に強い。
団体になると日本が勝てないのはそういうところが影響してると思う。
演奏の世界でもギターは特にアンサンブルは傍流、
もしくはついで感が強い。
独奏が弾けることがすべてになっているといってもいい感じ。
オーケストラ楽器の世界はどうかというと、
ソロはソロでしっかり意味を持ってはいるが、
アンサンブルの意味もそれと同等に高い。
アンサンブルがどういう意味を持っているのか・・・。
みんなで演奏するから楽しいはひとつの要素ではあり、
それがないとどうにもまとまらない。
それだけではないということも確かにある。
ソロの演奏を聴いていてよく思うのは、
技術力はそんなに変わらないのに演奏に差が出るのはなんでだろう・・・。
ソロの曲でもかなり難しい曲を演奏してる人は結構いる。
しかし、演奏の出来のレベルは一定ということはなくて常に差がある。
これはなんでだろうとよく思う。
ギターは比較的大人になってから始めることが多いので、
体感情報に差があるということは確かにある。
それはなんだ・・・といことになる。
やはりテンポ、リズムの維持力ということがあると思う。
年齢が若ければ若いほど体感力は大きくて、
体で覚える範囲が大きいと思う。
逆に大人になるとそれは逆になって頭で覚えることが多くなる。
いわゆる頭脳力だ。
子供時の体感力と大人になってからの頭脳力のバランスで、
人間というのは成り立ってるのですね。
音楽は体感力の影響力が大きいということがある。
技術力はそれほど変わらないのに演奏に差ができるというのは、
この辺が影響していると思う。
演奏というのは頭で弾くと不安定になるんですね。
頭というのは常に回りの情報に敏感であるがゆえに、
演奏中になかなか一定に働かない。
体というのは逆でなかなか周囲の情報に俊敏には動かない。
訓練を受けてる情報にしか反応しないという特徴があると思う。
置換力で演奏する子供の演奏が、
安定して弾き通してしまうのはそのためだと思う。
大人の演奏が不安定になりやすいのは頭脳力で弾いてるためともいえる。
技術力が変わらないのに演奏の出来に差が出るのは、
こここのところがポイントになっていると思う。
要するに大人は体感力が鈍く子供はその逆ですね。
子供の時にテンポ、リズムを体感的に鍛えられてると、
大人になっても周囲の情報に影響を受けにくいのです。
ということは演奏も安定するということですね。
では、この差というのはもう決定的で、
埋めるすべはないのかということになってくる。
実はそんなこともないんですね。
その体感力を鍛える場がアンサンブルなんですね。
アンサンブルがなぜテンポ、リズムの体感に役立つのか・・・。
演奏で隣の人に合わせるというのは実は非常に難しい。
だいたい隣の人が、
自分と同じ曲を弾いてるのかどうかさえ分からないで弾いてる。
まあ、アンサンブルの場にいて独奏状態で弾いてるわけです。
テンポ、リズムも自分の世界で演奏するわけだから、
ものすごい不安定になる。
これが参加する人、全員がその状態になればすごいことになるわけです。
テンポ、リズムを隣の人に合わせ続ける訓練というのは、
ソロ演奏には決定的な影響力を発揮する。
曲の演奏を最後まで安定的に弾き通せないのは、
技術力ばかりではないのです。
同じようなレベルの曲を弾いてる人の間には、
それほど大きな技術力の差はないのです。
差があるのは、テンポ、リズムの維持力です。
これを鍛えていけるのはアンサンブルしかありません。
アンサンブルをソロの添え物的にとらえる人が多い。
実は逆です!!
極端に言えば、ソロはアンサンブルの添え物です。
アンサンブルの実力は、ほぼ独奏の実力にイコールです。
アンサンブルの演奏力がだめで、
ソロの演奏力が高いなどということは100パーセントないです。
隣の人のテンポ、リズムを体感して合わせていける力をつけることが、
独奏力を高める近道であることは間違いないことです。
室内楽をやるとよく分かるのは、
メロディー楽器を演奏する人のアンサンブル力の高さです。
そういう人たちは独奏を弾いてもやはり力があるんですね。
そういう人たちの独奏力には裏付けあり、
また理由があります。
アンサンブル力を磨きましょう。
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