譜面台の陰から
>またまたテンポ考<
5月だというのに毎日真夏日が続いている。
この調子でいくとほんとの真夏にはどうなるんだろう・・・。
夏越えて秋風が吹くころは干からびてるかもしれない。
なんだか恐怖だ!!
テンポについては過去から何度もその都度の考えを書いてきている。
取り上げたテーマとしては一番多いのではないかと思う。
それでもなかなか結論というのは出ないですね。
それほど奥が深いというか・・・。
はっきりした結論が出しにくいというか・・・。
書いたときはそれなりに納得してるわけだが、
またまたという感じでてきてしまう・・・。
ギターという楽器の性格が大きく影響してるということは分かる。
いまやYou Tubeという最大の難敵を迎え撃つには、
という対策になってる気がする。
You Tubeというのは一面から見ると非常に便利ツールではある。
とにかくそれなりにほとんどの曲を知ることができる。
You Tubeが出てくる以前はとにかく曲にするまでに時間がかかった。
レコードの時代だとレコードに入ってる曲は分かりやすいが、
そうでもなければ延々と楽譜との格闘が待っている。
ギターはメロディーだけではなくメロディーにコードがくっついているから、
曲としてつなげるには結構大変だ。
You Tubeというのは、
そういう手間を省くことができるという利便性に長けている。
ちょっと難しい曲でも繰り返し聴けばだいたい頭に入る。
頭に入ってから楽譜を読めばこれはかなり楽というものだ。
メロディーが頭に入っててそれをつなげていけばいいということだ。
これは精神的にも楽だと思う・・・。
分かってることをなぞるのはそう困難が伴うわけでもない。
その状況が普通になってくると、
You Tubeなしでは曲は弾けないってことにもなってくる。
それがどうしたと言ってだから悪いということでもない。
難行苦行で曲をなんとかしていくには、
現代は時間がなさすぎるということもあるだろう。
できるだけ時間を節約して、
その分多くの曲を弾いてみたいというのもわからないわけではない。
暇を持てましてギターを練習してる人って、
ま、いないだろう・・・。
そういうことを考えてもYou Tubeは便利ツールだということは認めざるをえない。
しかし、便利ということにはだいたい何らかの落とし穴があると思ったほうがいい。
You Tubeにも大いなる落とし穴があるのです。
以前にも書いたかもしれませんが、
なにもない真っ白なところに、
You Tubeの情報がドカドカドカッ!と入ってきてしまうのです。
まさにドカドカドカッ!という感じです。
人間というのは不思議なもので、
真っ白なところに入ってきた情報というのは、
なかなか否定することができないものだと思います。
太陽が東から上るのが常識とインプットされているのに、
いや、西から上ると変更されました・・・、
と、言われてはいそうですかとは、
なかなか納得はできないと思う。
最初に入ってくる情報というのは、
それほど強力なエネルギーがあるのです。
一番強烈に影響を受けるのが実はテンポなんです。
You Tubeから入ってきた曲がいいと自分の感性が判断してしまうと、
これを否定するのはほぼ不可能・・・。
ほとんどはYou Tubeの演奏目指して突撃していくわけです。
しかし、当然ながらYou Tubeで演奏してる人と聴き手は全く別物です。
すべてにおいて同じ部分というのはないと思ったほうがいい・・・。
そこでYou Tubeで聴いたクローンを目指して、
いくら努力しても同じには到底ならないということです。
世の中にすべての持ち味が同じ人などというのはいないのです。
テンポに対しても一人一人の運動性というのは違うわけで、
いくらYou Tubeのクローンを目指してもまずうまくはいかないものだと思います。
やはり自分の持っている運動性をよく分析して、
自分に合ったテンポというのを探すのが一番だと思います。
テンポというのは速度指示でもない限り、
いやたとえあったとしてもその通りなんてことは考えなくいいと思う。
いま、アストゥーリアスのいろいろをアップしてますが、
ピアノの演奏はギターの比ではないテンポです。
もしこのテンポが真っ白な中に入ってきたら、
このテンポを目指すということになるんでしょうか・・・。
ま、永久に無理でアストゥーリアスの演奏自体を、
諦めるしかないということになります。
テンポというのは暴れ馬のようなところがあって、
無理やり押さえつけようとすると、
ますます大暴れして収拾がつかなくなります。
自分自身のテンポという暴れ馬を乗りこなす力量と間合いを図って、
上手く暴れ馬のテンポを誘導できれば、
必ずしも悪い結果は出ないと思う。
なかなか人間の感性というのは難しいところがあって、
理性ではコントロールし難い面もあります。
まず感性という部分を押さえて、
冷静に暴れるテンポを眺めて、
どこに切り口を求めるのか・・・。
テンポは暴れ馬ではあっても、
制御不能の暴れ馬ではないと思います。
音楽とは感性の芸術でもあるわけですが、
真逆の理性というのが非常に必要な芸術でもあると思います。
この二つのバランスをどうとるのかで、
一曲の出来がりは違ってくると思います。
テンポさえ制御できればそれほど弾けない曲は多くないといえる。
けっこう大胆な一言ではありますが、
弾けないと思っていた曲も意外と弾けてしまうことも確かです。
You Tubeを鵜呑みにせずに、
今、流行の第三者に精査してもらう・・・。
ま、客観的にということですが・・・。
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