=街道をほんのチョビッと行く=
志馬遼二著


=白峰三山縦走記⑥=

2020年はコロナ禍により旅に出られず・・・。
仕方がないので2008年に登った北岳を盟主にする、
白峰三山を縦走した記録を連載します。
「街道をほんのちょびっと」なんてことはなく、
結構な大縦走だった・・・。
コロナ禍終息まで連載します。






北岳山頂での至福のひと時を過ごし、
いよいよ「濃鳥小屋」を目指して下ることになった。
目前の巨大な山塊「間ノ岳」を目指していったん下り始める。

岩のガレた若干緊張させられる登山道を、
慎重に下る・・・。
下手に足を引っ掛けて転べば大怪我になる。
落ちればこの世とさよならとなる・・・。






しばらく下ると、仲間の一人が「サルがいますよ」と、
前方の崖の下を指をさしてくれる。

はじめちょっと分からなかったが、
目を凝らすと確かにサルが何かを食べている。

サルがこんなところにまで登ってくるというのは、
ちょっと驚きだ!!
温暖化で個体数が増えて、
えさが不足してきてるのかもしれない・・・。
妙なところに温暖化の影を見たような気がした・・・。






岩のガレた崖の道に出た。
ここはなんとも道というにはあまりにも狭い。
岩場の不安定な状況を考慮してか鎖が張ってあった。

しかし、それにしても足元には要注意だ!!
ここで落ちてはレポートを報告できない・・・、
てなところまでは考えませんでしたが、
ちょっと緊張した場所でした・・・(ーー;)






危険地帯を通過して歩いていくと、
今度は雷鳥の親子に遭遇した。

かなり近寄っても逃げようとしない。
脅かせばあっという間にいなくなるだろうが、
そういう悪さをする人間もいないということだろう・・・。

親子でチョコチョコ歩き回っていた。
これはバッチリ撮影することが出来た。
結構珍しい写真になった・・・。






ようやく「北岳山荘」に到着。
「肩の小屋」は青い屋根だった。
「北岳山荘」は赤い屋根だ。
南アルプスの山小屋もなんとなくモダンになったもんだと思う。
北アルプスの小屋に対抗しているのだろうか・・・。

この鐘を鳴らしてみたい・・・、
と、思うのは自分だけではないと思う。

和田アキ子の歌とは関係なく・・・だ。






アルプスの空は雲がすぐ目の前にある。
いろいろな形に変化して、
同じ形にとどまることもない・・・。

その雲のはるかに、
幾重にもアルプスの山々が果てしなく連なっている。




=つづく=

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