=街道をほんのチョビッと行く=
志馬遼二著
=白峰三山縦走記⑤=
2020年はコロナ禍により旅に出られず・・・。
仕方がないので2008年に登った北岳を盟主にする、
白峰三山を縦走した記録を連載します。
「街道をほんのちょびっと」なんてことはなく、
結構な大縦走だった・・・。
コロナ禍終息まで連載します。
前回ご来光を紹介したと思います。
そこから「肩の小屋」を出発して、
天下の高度第二位の「北岳」を目指します。
頂上を目指して一気に高度を上げます。
一息ついて下を振り返ると、
もう「肩の小屋」の青い屋根が小さくなっている。
朝起きたとき頭の芯が痛んだ。
軽い高山病の症状だ。
登るほどに痛みはきりきり痛んでくる。
こういうときは無理をせず持参の薬を飲む・・・。
3000メートルを超えてくるとどうしても若干頭痛がする。
まあ、これ以上ひどくならなければ大丈夫だ。
明け方見た「仙丈岳」が目の前に迫る。
その優美な稜線と仙丈カールが見事だ!!
以前、登山九周年記念で登った時に、
そうめんを作って食べたのが懐かしい・・・。
なかなかおいしくて、みなの箸が一斉に動くと、
あっ!という間になくなってしまった・・・。
アルプス一万尺、そうめんもなかなかのものだった。
はるかに「鳳凰三山」の主峰「地蔵岳」が見える。
このぴょんと飛び出したオベリスクが、なんといっても有名な山だ。
アルプス系に挑戦した最初の山だ。
これも懐かしい山だ・・・。
親指を立てて「イエ〜イ」かなんかしてるように見える・・・。
地蔵だけ遠望。
小ぶりながらなかなか険しい登りが続く山だ・・・。
「北岳」の山頂に到達する。
午前7:10。
頂上にてコーヒーを沸かして飲む。
北岳の山頂で飲むコーヒーはまた格別だ。
渇いた喉に心地よいコーヒーの刺激。
インスタントコーヒーがおいしいと感じる一瞬だ・・・。
去りがたき思いを残して山頂を下る。
岩肌が荒々しいガレ場を下っていく。
足を引っ掛けて転がると、助かりそうもない・・・。
結構慎重になって下る。
山は常に危険と隣りあわせだと思う・・・。
下り始めてから前方に「北岳山荘」と、
重厚な「間ノ岳」が見えてくる。
さすがに南アルプスのスケールの大きな山の風景に、
圧倒されそうだ・・・。
「間ノ岳」の巨大な山塊を見ると、
南アルプスが日本の屋根といわれていることもうなづける。
思わず大丈夫かなという気分にさせられる・・・。
=つづく=
topへ