=街道をほんのチョビッと行く=
志馬遼二著


=白峰三山縦走記@=

2020年はコロナ禍により旅に出られず・・・。
仕方がないので2008年に登った北岳を盟主にする、
白峰三山を縦走した記録を連載します。
「街道をほんのちょびっと」なんてことはなく、
結構な大縦走だった・・・。
コロナ禍終息まで連載します。






(その一)

登山開始の8月8日の朝の始発で渋谷に行くと、
なんと山手線内回り全線運転見合わせ中という状況だった。
来る間の車内放送でも言ってはいたが、
着いてみるとまったく動く気配もない・・・。
待ち合わせの時間に間に合うかなと思いまがら、
私鉄を乗り継いで新宿駅に到着。
同じ私鉄の車両に今回の登山リーダーのO君が乗ってきた。
「驚いた!驚いた!」と話しているうちに新宿駅に到着。
山の手線の混乱で遅れはしたが、
今回の登山メンバー全員がなんとか乗り込んで、

7:00ちょうどの「梓一号」で甲府に向かう。
狩人の「8時ちょうどの〜〜」ってわけにはいかないのです。





8:30ごろに甲府到着。
武田信玄公の銅像の前を通り過ぎ、
タクシーに乗り込んで登山口である「広河原」へ出発。
信玄公の顔も結構怖いな・・・。





10:00過ぎに広河原到着。
ザックのパッキングを調整したり、
靴の紐を締めなおしたり、
登山に必要な準備を整えて登山口へ出発。





前方にはこれから挑戦する南アルプスの山が見えてきている。
さすがに3000メートルを越える山並みは高度感がある・・・。
下から見ると、いつもこんな山にほんとに登れるのかと思う・・・。





長いつり橋に到着。
ここを越えるといよいよ登山道に入る。
前方の鬱蒼とした山道を見ると、
なんだか身の引き締まる思いがする。
自然と緊張感が出てくる。
もともと膝に不安を抱えながらの登山。
なんとなくの気分が沸いてくるのは仕方ないところか・・・。





登山道に入ると、南アルプス特有の鬱蒼とした樹林帯が続く。
景色というのもしばらくはまったくない・・・。
山はある程度高度を稼いでからでないと、展望は開けない。
今回は沢沿いの道を歩くので、時々涼しげな渓流が目の前に現れる。
ホッとする瞬間だ・・・。





渓流沿いを歩くせいか、
時々写真のような木橋を歩かされる。
小さい橋をいくつか越えて、
徐々に傾斜が強くなってくる・・・。





南アルプスは森林限界が高いので、
深い樹林帯の中を黙々と歩く時間が、
若干長いかもしれない・・・。
しかし、傾斜はどんどん急になって、
呼吸もかなり苦しくなってくる・・・。




=つづく=

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