Toy-Like "Cardy"ans




Genre:DIGITAL HARDCORE BPM:217



 Sound / FT 718 feat. sd5y

8月5日は「ハードコアテクノの日」。何年も「新曲出そう」と思いながら、
労基法ガン無視の激務(夏期講習って言うんだけど)と猛暑のせいで手付かずのまま、
爆音でハードコアを聞きながらサビ残で日を跨ぐという社畜オチが定例化していた(笑)。

退職して療養中=時間のある今年こそ、と思ったものの、
鬱病や猛暑や腰痛の影響で、7月末はカピバラの如くゴロンチョしていたので、
曲作りに着手したのは8月4日午後。

以降、家に引き篭もり、8月5日の23:45頃に仮音源をTwitterでリリースし、
ギリギリChopながらも積年の思いを遂げる事ができた。
故に、サンプリング素材と過去の没ネタをAcid Pro 7.0に並べただけの突貫楽曲である。
(一部は加工や調整を加えている)

ㄘん●ん 」を只管に連呼するハードコアが存在する以上、
(*詳細は「激!!!爆笑ハードコア」で検索)
バカみたいに「ハーコーハーコー」だけ連呼する頭悪い曲があってもいいだろと思い立ち、
sd5y名義を追加すると共に「バカの一つ覚え」をテーマにした。

この「バカの一つ覚え」という慣用句から、
「おもちゃのボイレコの如く、同じ言葉をリピートしまくる」
→「バカみたいに同じ英単語をリピート再生しまくった幼少期の自分」が重なった。

そのリピート再生していた「機材」ってのが、
1990年代に公文式で導入されていた、
「カーディ(cardy)」という英語用音声機材だった。
(詳細は画像検索、アラサー以上じゃないと分からないと思うが)
カーディをバカみたいにリピートさせる人=カーディアンズと銘打ったので、
遊☆戯☆王は何ら関係ない。わー!何をする! HA☆NA☆SE

BPMが217と中途半端になっているのは、
8月5日が年初から数えて217日目だからである(閏年除く)。
数遊びは他にも出来るのだが、最も無難な数値がコレだった。

デジタルハードコアを選んだのは、
短納期→あんまり凝った事は出来ないから音数少なめで
→5鍵的な曲にしよう→5鍵でBPM200オーバーでハードコア
→CRYMSONっぽくするか
(それに、デジタルハードコアって本家もBMS界隈もあまり聞かないし)という経緯だった。

このジャンルはノイズやディストーションギターの比率が高いので、
これらを有効活用している楽曲を多数参考にした。
例えば、本家のCRYMSONの他に、DISCODE、
I'm gonna pull the trigger、Quad Leg Pulverizer(本家ギガデリのリミックスと聞いているが)といった、
5鍵ハードコアBMSを参考にしており、楽曲展開はこれらの影響を大いに受けている。

このように、当初から「5鍵」を強く意識して曲作りをしていたのだが、
BPMが近かったから、それっぽい素材が偶然見つかったからといった理由で、
最近の楽曲のネタも仕込んである。

また、デジタルハードコアは、ハードコアパンクやメタルの要素も含む為、
ドラムやギターは生で再現可能な難易度に留めると共に、
(それでも、ハードコアだから外せないという事で、
終盤にブラストビートを仕込んだが、本家のAsceticよりは良心的にしたつもり)
観客席との掛け合いを意識した声ネタも所々に盛り込んだ。
(声ネタを適当に並べたら偶然ライブっぽくなったという経緯だが)

「難易度を下げた」と先述したが、
同人・本家問わず、昨今の音ゲー界隈に蔓延る、
「ハードコア=高難度物量譜面、演奏・鑑賞双方で人を選ぶ」という、
一種の「デファクトスタンダード」へ対抗したいという意図も含んでいる。

(以下、18.8.6加筆)

実際、昨今の音ゲー界隈で「〜〜CORE」と冠される楽曲を
「音ゲーコア」と呼び、「喜ぶのはゴリラ達だけ」とDisっている人も居るし、
私も「”激しい”と”うるさい”を履き違えた、
没個性な”量産型”ハードコアのインフレ」の現状を憂うと共に、
「ミリ秒単位の怒涛」ばかりが音ゲーであって欲しくないと思っている。
アウトロのセリフ「fxxkin' commerce」(ANOTHERのみ叩かせている)は
昨今のBEMANI界隈へのDisり・皮肉の意図も含んでいる。

「”ビート”で”マニア”するのか、”マニア”が”ビート”するのかというバランスを、
音ゲー界隈に携わる者全員が再認識、寧ろ常に自問自答して欲しい」と切に願っている。
(どちらが良くてどちらがダメというわけではないが)


話が逸れたが、勿論単なる「懐古主義」ではなく、「原点回帰」「温故知新」を意識して曲作りに臨んだ。
(こうやって四字熟語を多用しているのもPlugoutを意識しているわけで)
簡単に言えば、極度に難易度を上げず、構成もシンプルにする事で、
「プレーし易い・聞き易いハードコア」があってもいいのでは?という
私なりの考えを、突貫ながら具現化したという事である。

ジャンルがジャンルである以上、流石に万人…とは行かないとは思うが、
出来る限り多くのプレーヤー・リスナー層にお楽しみいただけたら幸いである。

 BGA / U.Celsius
(18.9.11追記)
「5鍵当時を意識しつつ、現在の7鍵の要素も取り入れる」という楽曲コンセプトだったので、
動画もフリーの連番bmp素材と実写・CG(もといAviutlのフィルタ)を併用して構成した。
*PLUGOUT03のフリーBGA素材は、ページ自体が404エラーと化していて今は入手不能。
楽曲は相変わらずパロディとネタの塊なので、動画の方もネタ元に合わせつつ、新たなネタも多数吹き込み、
What's Limit?? Pt.2(以下略)以上に「手の込んだカオス」に仕上がった(笑)。

某国民的クソアニメ・某動物アニメ・某ベストマッチだった特撮・某夜半前のNHK等、
私や作曲者(及び彼の妹)の趣味・嗜好から大いに影響を受けている。

小道具についてだが、彼の自宅備品と、新たに調達したものを組み合わせ、大変経済的に用意した(笑)。
パペット操演は変わらず作者本人(全てアドリブ)だが、
中盤のスクラッチ的な事をしているのも作者本人である。
(譜面配置の都合上、Another譜面の動きになっているが)

また、録画しても、PC画面で確認すると動きが思いの外ショボい事が多く、
どのカットもTake 5位まで録り直すという、無駄な手間もかかっている(汗)。
(彼が吹奏楽出身なのは関係ない)

7月末に彼がセミファイナル(*)で派手に転倒し頭と左腕を強打・負傷した事や、
彼の通っている、就労移行支援施設の参加プログラム日程の都合で撮影スケジュールがなかなか合わず、
(彼曰く「BMSのテストプレーは痛みに耐えてよく頑張った」らしい。感動した!(古い))
撮影できたのは、「夏の夕暮れと、DUBSTEP。」な8月末の夜中だった。

こうして、真夏の夜にああでもないこうでもないと試行錯誤を重ねて完成に至った。
楽曲・BMSと併せてお楽しみいただけたら幸いである。

(19.2.16追記)
テレビ朝日「タモリ倶楽部」2019年2月16日放送分で
「電子制御で猛烈にヘドバンする赤ベコ」が紹介されたが、
本BGAとは無関係である事を明記しておく。偶然被ったって事で(汗)。

(あの位激しくヘドバンさせたい)という構想はあったが、
BMSプレイヤーの小さいウインドウで流すし、プレー中には横目で見えている程度である以上、
m1dy Deluxeのゾウさん(通称:もうおこったぞう)のような感じで、
地団駄踏ませながらヘドバンする方が、動きがはっきり映るかな〜?と考慮した為である。
また、動画サイトへのアップロードでエンコ殺しになりそうという懸念も(汗)。

というより、素人故技術的に困難+コストの都合というのが実際の理由(笑)。


<小道具調達元>
・キーボード下に敷いてある白い布
 ニトリのホテル用シーツカバー

・猫(何度も言うがコアラじゃない)以外のパペット
 株式会社AQUAの製品(主に動物園・水族館・Amazonで売っている)

・赤ベコ
 日本橋ふくしま館「MIDETTE(ミデッテ)」で売られていたストラップ
 *撮影上不要&夜中の撮影で防音を考慮する為、鈴はラジオペンチで一時的に外した。

・中盤ブレイク部分で回している皿関係
 皿:スーパービバホーム豊洲店で売っていたターンターブル(Mサイズ)
 土台:日本軽金属株式会社 NR-110(IHクッキングヒーター(30年モノ))
 照明:ホームセンター等で売っている、コンセント給電&暗くなると勝手に光る、非常用LED照明

・DUE地帯直前の「FIRE」
 マグカップ:LOFTやバラエティ雑貨店で10年前に売っていたもの(作者私物)
 弾丸:缶コーヒー FIRE(挽きたて微糖)


*補足:セミファイナル
「道路に落ちていて一見死んでいるように見えるセミが、近づくと突然暴れだす現象」を「セミファイナル」と呼ぶ
引用(一部改変):
https://moto-neta.com/net/semifinal/


 Sequence / FT 718

*楽曲のコンセプト上、7鍵以上の譜面、
ビギナー・レジェンダリア譜面(#DIFFICULTY 1・5)を作る気は毛頭無いので、
どーしてもと言う方は差分作ってください(汗)。
(もし作ったら一報いただけると有難い)

譜面自体は楽曲リリースから1週間後にキー音無しの状態で制作済だったので、
今回は、パラアウトからの音切りが終わったものから順次置換していく
(bmseの置き換え機能を使用)という手法を取った。
また、MIDIを一切使わず、サンプリング素材のみで作った曲なので、
音切りは従来とは異なる大変さがあった(特に、声ネタの微ズレ)。

当初、ZZ拡張を使わないつもりで、
5鍵で叩かせるのに不向きなトップス等をまとめてファイル数を抑えたのだが、
それでもwavが303個になってしまったので、結局bme形式に変更。
(1桁部分のG番以降にwavが定義されていない事がその名残)
それに音声がogg形式なので、LR2以降のプレーヤーでプレーする事を推奨する。

なお、5鍵譜面故、スクラッチは右側を想定して配置したので、
現在の1Pサイドだとちょっとやりにくいかもしれない。
プレーの際は皿を右側に変更して対応して欲しい。

それでは、各々の譜面についても併せてコメントしておく。

<NORMAL譜面>
黎明期の音ゲー譜面のように、
・少々簡略化された主旋律
・1パートをしっかり叩かせる事
を意識しつつ、「皿複合」の練習が出来る事を意識して難易度を抑えたつもりである。
それでも217BPMと高速なので、初心者向けとしては少々キツ目ではあるが…。

ノーツと難易度を抑え、ブラストビート地帯も高速トリルを廃したので、
判定をHARD判定に変更し、最後の皿複合と同時押しラッシュを新たな難所とした。
譜面製作者本人(私)もテストプレー中にBADハマリで何回も叩き落されたので、
昔のビートマニアの如く、「最後まで気が抜けない」譜面に仕上げた。
昔の音ゲーでは、簡単な譜面で別のボタンも押して遊んでいた人も多かろう。
中盤の掛け合い部分にはそんなノスタルジーに浸れる様にちょっと細工を施した。
(bmse見れば直ぐ分かると思うが)


<HARD譜面>
メイン譜面として最も手間をかけた(とはいえ2時間ちょっとだけど)。
08月05日という事で、ノーツを805まで削る事に最も苦心した(笑)。

普段はEasy判定でBMSをリリースしているが、
・5鍵当時は判定が今よりもシビアだった
・ブラストビートの難所が入っている
事を考慮し、Normal判定に設定。

ブラストビートを入れたのは、使ったサンプリング素材の所為である(汗)。
DUE TOMORROWよりも速い分、DUEのSP Another譜面の交互連打地帯で
曲者となっている「皿絡み」は廃し、交互連打にだけ集中できるよう、
良心的に配置したつもりである(苦笑)。

そこでボーダーを割ったとしても、
DARK LEGACYの如く最後で大幅回復できるので諦めないで!!

余裕のある方はHARDゲージでサバイバル。

<ANOTHER譜面>
実は当初作る予定が無く、BMS化に伴い新たに制作。

「HARD譜面のノーツ削りに苦心した」と先述したが、
当初制作したプロトタイプ譜面は1000ノーツちょっとだった。
そのプロトタイプ譜面に配置調整と更なる物量追加を施し高難度化。
その代わり、皿絡みや軸押し等の叩き難い難所が
終始続く事になったので、判定はEasyで譲歩。

DUE地帯が更にエラい事になったので、
最後の同時押しもHELL SCAPERのパロディとして、3つ同時押しに変更。
一方、最後の最後の2拍3連は隣接3つ同時押しに変更し、わざと叩きにくくした。
(片手で処理すれば楽だけど)
最後の最後まで容赦はしない(笑)。

「217BPMでかまぼこ工場は流石にキツいっしょ」と
下位難易度でBGMに回していたあの音もアサインし、譜面もPlan 8のパロディにした。

Anotherという事で、beatmaniaで当初タブーとされていた「隣接配置」を解禁し、
見栄え(何のパートを叩いているのか傍から見るだけで判るかどうか)・
叩きやすさ・叩かせる音の選択といった「ゲーム性」と高難度を
両立出来るようにノーツ数や配置を可能な限り調整した。
(HYPE THE COREやMAX 300の様に「ほぼ全音割り振り譜面」も作れるが、
今回の場合はRave it!! Rave it!!のAnother譜面の様な
「サンプラー」と化してしまい、「ゲーム」として破綻する。)

「古い楽曲に現代の譜面要素を適用し、新たな楽しみ方を創出する」という、
REFLEC BEATの「ホワイトハード」の様なアプローチも試みた。
故に、beatmaniaには存在しなかった、
チャージノート・バックスピンスクラッチを配置(BMSなので何れもロングノートとして配置)し、
BSS絡み・LN拘束という、現在の難所要素も盛り込んだ。

これまでとは異なるテクニカルな譜面になったが、
発狂BMSの様な理不尽配置は無いのでフルコンボは不可能ではない。
クリアが安定したら是非HARD・HAZARDゲージでもクリアを目指していただきたい。

18.9.14追記
<DP>
ノーツ数・レベルは5keysと揃えたが、譜面傾向を少し体力譜面に寄せた。
SPをそのまま分割したら、片手で幾種もの隣接同時押しを処理するという、
手首に無理な動きを要求し続ける「腱鞘炎譜面」と化したので、
アサインするパートを一部変更したり、8分交互押しを連打に変更したりする等の調整を施した。

また、Normal譜面については、全レーンに満遍なくオブジェを配置し、
「沢山のボタンの位置に慣れる」という、DP最初の壁への対策もできるようにした。

DP9段故、DPの高難度譜面の制作にはあまり自信がないのだが、
Anotherも隣接やゴリ押しを可能な限り排除+要所で零しやすい嫌らしい配置に変更、
初見殺し・対策ゲーの傾向を強めた。