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Genre:SCHRANZ BPM:156
Sound / FT 718 |
BMSファイルに含まれているファイル(*)や、
ネットで無料公開されているファイル、
雑誌付録のフリー素材のみで
1曲作ってみようというコンセプトで製作。
*勿論、ある程度の制約は設けている。詳細は以下の通り。
・2003年〜A-1
3rdまでの作品+二次使用禁止と明記されていない作品
・クリスマス等の期間限定であっても、誰もが手に入れられる状態だった作品
・違法流用、解析音源と分かる音が含まれる作品は除外
着想の発端もこれまたバラバラであり、
「Proteus
VXというフリー音源のとある音
(8:10以降で鳴ってる音)がSchranz Xっぽいなー??」
「Vinyl Brender(DJ
BEATCONTROLLER氏/06年8月公開)の
バスドラを激しく加工したらThe
Shadowっぽくなるかなー??」
「含まれているwav/oggファイルは自由に使って構いません、って
BMSのリードミーに書いてあるけど、応用して1曲出来ないかなー?」
(18.8.12追記:当時「合体差分」という言葉を知らなかった)
「VSCのタム音でいい感じなループがあるんだけどなー?」
という4つのアイデアが元であった。この時、2007年末。
シュランツで行く事はこの時点で決めていたが、
当時の腕では到底完成できるようなジャンルではなく、
ネタも知識も少なかったので長らくお蔵入りに。
そして、Proteus
VXの音の件だが、
130氏のBMS(公開元がb.i.nだからもう入手できない)でふんだんに使われている事を確認。
これを適当に並べたらそこそこシュランツXっぽいサウンドになったと満足したものの、
それ以外の部分がなかなか思いつかなかったのでまたまたお蔵入りに。この時、2010年末。
また、この時点で「BMSのサウンドだけで曲を作る」という構想から、
「繋がる事の便利さ」という意味でタイトルとコンセプトが決まった。
(この時期に「フラット化する世界」という経済書を読んでいた事も影響しているかもしれない)
そして、時は流れて2011年。DJ
Chucky氏の「EXTREMEGASM」(エクハド4で知ったのだが)
「EXTREMEGASM
2」というシュランツアルバムに出会い、
シュランツは大体こういうものだなーと大枠を掴んだ気になった。
(当時はシュランツ=Schranz
Xかsiromaru氏という認識だった)
そして、BOF2011では大御所2名の合作シュランツが優勝。
その影響を受けて、界隈のシュランツ乱立を懸念したが、意外とそんなんでもなかった。
ULTRAEXTREMEBEAT終焉後、とあるハイハットループ(これも削除したBMSのデータ)に
ディストーションをかけ、なおかつピッチ-16で鳴らした所、
物凄くインパクトのあるサウンドになった。
(これがイントロと6:19以降で鳴っているサウンドである)
おかげで製作がかなり捗った。
更に「BMSファイルだけ」から「+ネットで無料公開されているファイル、
雑誌付録のフリー素材のみ」と制約を緩和し、
某翻訳サイトからアナウンスセリフを録音。
(これが序盤でインターネットの歴史について不自然な日本語で語っているセリフである)
注:上記の事情故にキー音有りのBMSとして公開出来ないのである。
そこから先で1度躓く。そのループから先がどうしても不自然になる。
その間にも曲はモザイクアートの如く断片的に構築されていった。
しかし、断片は断片のまま離合集散してしまう。曲としてちぐはぐしている。さてどうすべきか。
最終的に、バスドラをThe
Shadowのような「重たい4つ打ち」から、
「abyss of the
darkness」のような「4つ打ち+弱拍2連打」の
シュランツお決まりのパターン/サウンドに差し替えるという結論に至った。
お気に入りのバスドラ音を新たに発見した事もあり、
Vinyl
Brenderのバスドラから差し替えることにした。この時、2012年正月。
バスドラ完全変更に伴い、楽曲構成は4割程見直しになった。
実は基本ループも既に完成していたがボツに。
とはいえ、ネタを無駄にしないのが私のモットーである故、
楽曲の至る所にボツネタをフィルインとしてフィーチャーした。
一部はバスドラ変更でも問題がなかったので、そのまま継続採用。
こうして楽曲構成の見直し、断片として作ったファイルの結合を行った結果、
曲尺は軽く5分を超えた。この時、2012年初夏。
更に転機が訪れる。2012年6月26日のNHK総合「クローズアップ現代」で
「忘れられる権利はネット社会を変えるか」という特集が放送された。
社会人になった私は仕事から帰宅して適当にレトルトで夕食を食べながら視聴したのだが、
「繋がる事への利便性だけでなく、リスクも理解しなければならないな」と思い、
これを楽曲に反映できないかと考えるようになった。
各所のフリーボイス等からネタを集め、楽曲に詰め込んでみた結果、随分ヤンデレな楽曲になった(笑)。
勿論、ちゃんとした意図があって使っているとはいえ、
そこは個人の解釈に委ねたいので、敢えて明言は避ける。
こうして、出勤前や帰宅後の時間でネタを揃え直し、
構成を練り直しながら新たなパートを追加した結果、10分に肥大したわけである。
…以上が構想5年の超大作となった経緯である。
一つ悔しかったのが、公開直前に「Sol
Cosine Job
2」がEXTRA曲として出現し、
9つのBEMANIネタが仕込んであると話題になった事である。
実はこの楽曲も随所にBMSや本家ネタ、果ては某アニメのネタ等、大量にネタが仕込まれている。
元ネタやリスペクト元が全部分かったあなたは相当な音ゲー/BMSマニア/シュランツマニアなはず。
一部はこの本文にも書かれてるけど(笑)。
シュランツサウンドを楽しみながら、ネット社会の利用方法やリスクを改めて意識して頂けると幸いである。
ある意味、自戒の念を込めて。
<ネタばらし>
Sol Cosine Job
2のフルサイズ頒布と時同じくして作者がネタばらしを掲載したのに触発されたので
こちらでもネタばらしをしてみる。
1:(0:28)声ネタ+SE
大方の予測はついていると思うが、声ネタはDJ
TECHNORCH氏が
まだBMS作者時代だった頃の「axs」というBMSから引用。
SEについては、BMSパッケージ:Endless
Musicのラスボスである「MooN」(Is-m氏)から引用。
そのファイル名が引用理由である。
2:ドラムマシンのタム音ループ
5鍵BMSパッケージシリーズ:PLUGOUT04から908氏の「m9」というBMSを意識したもの。
このBMSではTR-909と思われる音を使っているが、
拙作ではRoland
VSCから録音した。
*VSCはSSWに無料付属しているので「フリー音源」として扱った。
3:(1:19〜)不自然な日本語のアナウンス
これはGoogle翻訳から録音した。完全にSchranz
Xのイントロを意識したもの。
ちなみにこの世の全ての悪(DJ
5LEAF)氏が気に入っている「わかりMAX」は
Yahoo!翻訳を無理に日本語風に発音させている。
4:(2:05)All System
Goの声ネタ
5鍵のとある曲が元ネタ。
5:Phase
II(ニコニコに上がっている動画尺の場所)
ふんだんにフィルターとゲート・リトリガーエフェクトを使っているのでお分かりだろうと思うが、
SOUND
VOLTEXを多分に意識したアレンジである。
ちなみにツマミを意識したエフェクトにはパン振りも施してある。
余談になるが、当時はまだSDVXは初作であり、エフェクトのバリエーションも少なかった。
(ビットクラッシャーとかはまだ無かった)
また、K-Shoot
Maniaも当時存在しておらず、
PowerPointとAviutlを駆使してSDVX風譜面の動画を作成した。
6:ノイズループ
Phase
IIの尺前半で、右側で不規則なノイズ音のループが鳴っている。
実はこれ、Y&Co.「Monkey
Dance」のリフを引用している。
恐らく一番分かりにくいと思われるネタ。
7:声ネタループ(3:22〜)
これはDJ
Chucky氏の「EXTREMEGASM」のオマージュ。
naotyu-氏の「Beau
Riverge」というBMSのキー音を再構築したもの。
8:6の後ろで鳴っているフィルイン
これが先述したボツにしたドラムパターン。
9:(3:48〜)声ネタ
ヤンデレ系の声ネタはテクノウチ氏を意識したもの。
10:(3:48〜)フィルターエフェクトの開き方+パッド
これもDJ
Chucky氏のオマージュ。
11:(4:00)効果音のフィルイン
DJ
BEATCONTROLLER氏の「99db」とYm1024氏の「The True
Air」というBMSから引用。
デモのつもりで適当に並べたままだったがそのまま正式採用した。
12:(4:35)声ネタ
9と同じ。
13:(4:37〜)展開
kors
k氏の「The
Shadow」の前半を意識したもの。
故に後ろで聞こえるか否か程度にノイズ音を16分でパラパラ鳴らしている。
ちなみにこのノイズ音はHate氏の「Volcano」というBMSのものを再構築している。
14:その後ろで鳴っているロータム3連打
聞こえにくいが鳴っている。
実はこれ、2014年で20周年を迎えたアニメ「セーラームーン」の
初代OP「ムーンライト伝説」を意識したもの。
特に理由は無いんだけど、この3連打が妙に記憶に焼きついていて。
一応ポップン11(アニメロ)に入ってるし、音ゲー絡みになるからいいかと。
15:(4:50)フィルイン
音で分かると思うが、TaQ氏の「DXY!」の丸パクリ。
このバスドラ音を再現するのにちょっと苦労した。ちなみに3つほどwavをレイヤーしている。
その後ろで鳴っている声ネタは先述したaxsの声ネタを逆再生したものである。
そもそも、axsもDXY!のオマージュであり、勝手に「夢の競演」にしてみた(汗)。
16:(5:01)フィルイン
作品名は失念したが、sabamiso氏のBMSから引用した。
ただピッチを変えただけだが意外としっくり来たのでそのまま採用。
17:(5:12〜5:15)フィルイン
音で分かると思うが、
先述した「99db」、その後の4連打はTaQ氏の「Symboric」から引用している。
譜割りもTaQ氏の「Innocent
Wall」のAnother譜面を意識している。
18:(5:28〜)展開
2・9に同じ。
19:(6:18〜)Phase
IV
scytheleg氏の「belong
to...」というBMSのジャンルが唯一「TECHNIVAL」であり、
ハードテクノ+カーニバルやなと勝手に解釈した結果。
*belong
to..には元ネタがあり、作者HPにてネタばらしされている。
20〜24:(6:36〜)ネタ集
8拍目のパーカッションフィルは、SOLID
STATE SQUAD(L.E.D. vs kors k)、
The
Solution(void氏(mournfinale))を意識したもの。
ちなみに、7:01のポンという効果音は西新宿清掃曲(サイモンマン)を意識したものだが、
実は「志村けんのバカ殿様」も意識している。
「Take
it Easy」(Sampling Master AYA)が番組内で使われた事もあったし。
入りの中華シンバルは、シュランツ繋がりでmodulation
spinの「the black star」というBMSから引用。
細切れにした声ネタはDOT96氏の「PAPAYA CHAMPLOO
2010」というBMSから引用。
25:(6:53〜)声ネタ
周知の通り、Cranky氏がcranky名義だった頃のBMS「Party 4
U」(限定公開リメイク版)からほぼそのまま引用。
ただし、元のファイルがズレ押しを前提とした切り方で、
原曲の159BPMで整然と並べてもぶつ切りに聞こえる。
寧ろこのままの方がしっくり来たので特に修正はかけずにそのまま採用。
音の歪み方、言葉のリズムといい、シュランツにもってこいだと長らく思っていた。
26:(6:59)フィルイン
99db (DJ HARdbEAT
remix)(AQUA & REONA)、bloomin' feelin'(Ryu☆)、
2 Tribe 4
K(Remo-con)を意識した2連打。
27:(7:04)スイープアップ
巻き舌の声ネタは99db(DJ
HARdbEAT remix)やBrazilian
Anthem(TOMOSUKE)、
情熱大陸(葉加瀬太郎)を意識したもの。
ピッチUP+音を細かくする演出は拙作μ-Tecky
Vibeから引用したもの。
28:(7:05)ドラ
決めで唐突にドラを鳴らすといったら、後にも先にもE.C.M(PAPEHINA meets
Haya-P)しかない。
29:(7:05)以降の展開
実はSchranz
Xの後半を丸パクリしている。声ネタは9に同じ。
30:シンセ音
この図太いシンセ音は、作品名は失念したが、LU氏のBMSから引用。
全音符になるように強引に加工してある。Schranz
Xに合わせる為、
フェードインを微調整して擬似サイドチェインが徐々にかかるようにした。
それなりに手間がかかった(笑)。
31:(7:57)声ネタ
この渋い「オッサン」という声ネタは、御存知の通り、「尻削り節(remix)」(s-don)のもの。
そのままでは激渋空間になってしまって浮いてしまうのでボコーダーを通している。
何でオッサンかって?その先のキック連打は先述の通りSchranz
Xの丸パクリなのだが、
色々なBMS(少なくても40作品以上)のキック音を強欲につぎ込んでいる為。
強欲といえばMamonisである。
32:(8:08)SE
唐突に「でやぁ!」という声ネタが入るが、
これはアニメ「ゆるゆり(第2期)」の某姉の着信音を意識したものである。
*完成当時はまだポップンに収録されてなかった。作者の好みの問題である(笑)
ちょうどVSCのプリセットにほぼ同じ物が入っていたので採用(笑)。
また、ねこみりん氏の古いBMSに殴打SEがあった事も発想のきっかけ。
33:(8:15〜)シンセ音
上述したProteus
VXの音である。もう少し狂気染みた汚しエフェクトにしても良かったんだけど、
Another譜面を意識した故にバックで鳴らしている音が非常に多く、バランスを考慮した結果、
エフェクトは殆どかけない事にした。
34:(8:39)声ネタ
You
can't stop me
nowという声ネタだが、
「ネット社会は、一度一線を越えてしまうと留まる事を知らない」という意図から採用した。
「Blazing
Beat」(akito)という、歴史に残る黎明期名BMSから引用。
35: キック8分連打のフェードイン
御存知の通り、DJ
YOSHITAKAのハードルネッサンスシリーズを意識したもの。
36:(9:32〜9:44)ループ
センターよりやや右寄りで鳴っている不規則なノイズループだが、
これもnaotyu-氏の「行雲流水」というBMSから再構築したもの。
37:終わり方
終わったと思ったら意味深なコメントが流れるのは、
「METAL GEAR
SOLID」シリーズのエンディングを意識している。
以上