Guitarra Portugesa

 
<ポルトガル風ギター>の意味で、ポルトガルではたんに<ギターラ>とよぶこともあります。

 16〜17世紀以来ヨーロッパで広く用いられた弦楽器シターン(またはチターン)の系統を引いていて、胴体は正面から見たときほぼ円形に近い洋梨型をしています。
(姪のゆきちゃんによれば、栗のかたちに似ているらしい。)

 6組の弦を備え、第1〜第3コースはユニゾン、第4〜第6コースはオクターブ差に張ります。調弦は第1(高音)から第6弦(低音)へリスボン・スタイルは<シ・ラ・ミ・シ・ラ・レ>、コインブラ・スタイルはそこから全音下げ<ラ・ソ・レ・ラ・ソ・ド>とするのが標準です。Armenio de Meloのように、新たな可能性を求め、異なった調弦方法を提唱しているギタリストもいます。

 奏者は義甲(ぎこう)を親指と人さし指に取り付けて演奏し、大抵はスパニッシュ・ギターの伴奏を伴います。

 音色は可憐で情緒に富み、ファド(fado)の伴奏楽器として欠かせません。

 ポルトガル・ギターは19世紀のうちから盛んに使われていたのですが、20世紀に入ってのち独奏楽器としても独自の奏法やレパートリーが開拓されました。

 現代の独奏家としてはカルロス・パレーデス(Carlos Paredes) やペドロ・カルデイラ・カブラル(Pedro Caldeira Cabral)らが有名です。
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