2003年8月17日→8月23日鹿児島(枕崎)一人旅
 
 
(12) 福岡観光-前編。
 
 
 
2003年8月23日(土)。朝起きたのは8時ちょっと前だったでしょうか。今回の旅行中、起きた時間は今までで一番遅かったです。でもそのおかげでぐっすり寝れた様。そして、パジャマが汗でぐっしょり…。どうやらやはり、昨日は本当に体調を崩していた模様。熱でも出てたのかも…。
 
シャワーを浴びてそして朝食。この[R&B博多駅前]というホテル、この旅行中泊まったホテルの中では一番宿泊料が安く、その分設備も簡素なのですが、朝食はサービスで付いています。コーヒー&フレッシュジュースの飲み放題と、三種類くらいあるパンの食べ放題。クロワッサンが美味しく、結局パンは四つ位食べちゃった様な…。ま、これだけ食欲があればきっと大丈夫。一応念の為、体温計をフロントで借りて計ってみましたが、熱も全くありません。さあ、張り切って福岡観光に出かけましょうか。
 

R&B博多駅前外観。

こちらがその客室。
とても簡素で実用的な造り。
 
さて、まずは博多駅へ向かいます。そう言えば昨夜はホテルまで来るのにとても迷ったのですが、今度は大丈夫でしょうか…。
 
 
 
歩くこと20分位。
 
どうやら全然大丈夫じゃ無かった様です。
 
ええ。迷いました(涙) 仕方無くその辺の人を捕まえて道を聞いてみると、どうやらまるで反対方向へ向かって来てた模様…。全くもう、最終日になってまで何やってるんだか自分。
 
でも博多の街、結構分かり辛い造りをしていると思います。よく似た様な道ばかりで分かり難い。建物もなんか高層ビルばっかで、普通に大都会の顔。正直言って、あんまりこういう街って好きじゃありません。較べると鹿児島は、そこそこに大きな街ではあるものの、緑も適度に残ってて、市電とかも走ってて情緒のある街でした。…なんか博多の街って殺風景。
 
もうこれ以上迷うのもイヤだったので、近くのバス停からバスに乗って博多駅へ。と、たった一駅で着いてしまいました。どうやらかなり近くまでは来てた模様。
 
さて、駅のドラッグストアでまずは栄養ドリンク購入。やはり病み上がり。何となく心配なので(笑) そして地下鉄に乗って天神へ。ここから西鉄電車に乗ります。目指すは[大宰府天満宮]
 
地下鉄で3駅ほど。辿り着いた西鉄天神駅。ここも大きな駅。都会のターミナルと言う感じです。ところでこの西鉄。実は僕の幼い頃からの憧れの鉄道でもありました。親戚が福岡にいる関係で、小さい頃はよく福岡へ遊びに来てたのですが、乗るのはJR(当時の国鉄)ばかりで西鉄には全く乗る機会なし…。いつか乗りたいなぁ…そう思いつつ、気がつけば何時の間にやらもうこんな歳に(笑)
 

天神駅のホームに停車中。
西鉄ご自慢の特急車8000系。

8000系車内。
客席は転換クロスシート。
 
ホームに停まっていたのは西鉄ご自慢の特急車8000系。白と赤の塗り分けが都会的でスマート。前面の大きな窓に2扉転換クロスシート。固定窓には横引きカーテン…。特急車両としての風格をなかなかに感じさせます。向こうのホームには、元特急車両の黄色い2000系の姿も見えます。
 
8000系特急車に乗り込みます。車内は開放的でなかなかにイイ雰囲気。先頭車両の一番前の席は、運転席越しに前面を眺められる、展望席になっています。
 
天神を出てしばらくは都会の景色を車窓に望みます。でも5分以上も走ると次第に辺りは田園風景に…。そして15分もすると、二日市に到着。ここで8000系特急とはお別れ。大宰府へ向かう電車へ乗り換えます。
 
大宰府線のホームに停まっていたのは5000系。西鉄の標準通勤車両。車内もロングシートで特筆すべきことは何もありませんが、西鉄の通勤車、アイスグリーンに赤帯と言うなかなか独特のカラーリングです。
 

大宰府線のホームに停車中。
西鉄の標準通勤車5000系。

5000系車内。
客席はオールロングシート。
 
大宰府線の電車に乗って10分もしないうちに、大宰府に到着。時間は11時ちょっと前くらい。駅を出るとすぐ目の前に参道があります。ここをまっすぐ行けばそのまま天満宮です。
 
駅前でミネラルウォータやラムネなんかを売っていたので、ラムネを購入。なんか懐かしい味です…。そしてラムネ片手に、ぶらぶらと参道を歩きます。土曜日と言うコトもあってか、結構な人出。中年夫婦に若者のグループ…いろんな人がいます。たま〜に僕と同じ一人旅風の人も…。
 

大宰府天満宮参道。
道の両側にはお土産屋や食べ物屋。

天満宮内。
赤い橋を渡ります。
 

立派な門。
ここを抜けると本殿があります。

大宰府天満宮、本殿前にて。
 
鳥居をくぐって天満宮の中へ。中はかなりの広さ。池に赤い橋がかかっていて、見るとカメがたくさんいました。でも日本古来のイシガメとかはあまりいなくて、ミシシッピーアカミミガメ(=ミドリガメ)ばっか。誰かが逃がしたんでしょうか?
 
せっかくなので本殿まで行って、お賽銭を投げてお参り。ところでこの[大宰府天満宮]の菅原道真って、確か学問の神様だったと思うのですが…そう考えると、ちょっと来るのが遅すぎたかもしれません。もっと何年も…いや10年以上前に来るべきでした(笑)
 
せっかくなので宝物殿も観てみます。ここだけは拝観料を取られますが、その分なかなか面白いものを観ることが出来ました。砂糖菓子で造った、梅の木のオブジェなんかがガラスケースに入れてあって、それがとても綺麗でした。菓子の材料であれだけのものが出来るなんて…。あと、日本刀が何本か飾ってあったのですが、それ観てたら「妖刀」という言葉の意味が少し分かった気がします。あの刀の輝きを見ていると確かに何かを斬ってみたくなる様な、そんな衝動にかられる様に思えます。
 
一通り観終わって再び駅へ。時計を見るとお昼少し前。でもあまりお腹は減ってないなぁ…。と、参道の脇に何件かソフトクリームを売ってる店があって、大宰府限定の[梅ソフト]と言うのがあったのでついつい購入。ちょっと酸っぱい、独特の味。…今日のお昼、これでもイイかな。て、これじゃあ一日目の桜島の時と同じパターンですが(笑)
 
次は[大宰府政庁跡]へ行こうと思うのですが、バスが来るまでちょっと時間があります。歩いていくには遠い様ですし…。と、駅前の観光案内所で聞いてみると、バスの待ち時間を利用してこの近くにある[光明禅寺]を観てきてはどうか?と勧められました。駅からすぐ近くにあるお寺の様。
 
駅の裏手の道を歩いて、ほんの2、3分もするとお寺が見えてきました。古くて、なかなかに風情のあるお寺の様です。周りの道並み自体も、白壁の建物が並んでいたりで趣きがあります。
 

光明禅寺のある通り。
風情のある道並みです。

光明禅寺全景。
 
境内に入ってみると、まず目にするのは石庭。京都の竜安寺を思い出させる様な、枯山水の石庭です。大きさはあまりありませんが、なかなかに立派で風情があります。
 
そして寺の中へ入り、裏へと抜けるとそこには…何とも素晴らしい庭が広がっていました。表庭が砂と岩だけの枯山水だったのに対し、こちらは木々をふんだんに配し、地面には苔がぎっしりと詰まっています。木々の緑に苔の緑…。癒される思いがします。本当に素敵な庭。僕はお寺とか結構好きで、旅先ではよく訪ねたりもしますが、これだけ素晴らしい庭のあるお寺も久しぶりな気がします。
 
お寺の渡り廊下に腰を下ろし、そしてボーっと眺める庭…。セミの声が響き渡ります。でも、それ以外には全く何の音も聴こえません。ゆったりとした時間の流れ。なんとも言えない贅沢な気分…。
 
この[光明禅寺]。大宰府天満宮からもごく近い距離にあるのに、その存在をあまり知られていないのか、参拝客もほとんどいない模様。これはなかなかな「穴場」だと思います。僕は天満宮よりもむしろ、こちらの方に感銘を受けてしまいました。とにかく庭が素晴らしい。
 
今は真夏と言うことで、木々は緑一色でしたけど、これが秋だったら紅葉の赤や黄に染まるのでしょう。冬ならば庭に雪が積もり、木々は枯れた様相を魅せるのかもしれません。またいつか、季節を変えて訪れてみたい、そんな風にも思わされる庭でした。
 

光明禅寺の石庭。
白砂に流れを描き、そこに置かれた大小の岩。

こちらが裏庭。
木々の緑に苔の緑。緑一色の世界。
 

裏庭を別角度から。

渡り廊下に腰を下ろして…
何とも贅沢な時間が流れます。
 
さて、素晴らしい庭へ別れを告げて、再び駅へと戻ります。もうすぐ[政庁跡]方面へ向かうバスもやってきます。これから福岡観光、午後の部スタート。そして今回の九州旅行、ラストスパートです!!
 
 
 
 
 
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