伝承歌劇団はヴィジュアル系か

 伝承歌劇団は、仮面と衣装を身に着けているが、ヴィジュアル・ロックとしては活躍してはいない。衣装を着けていることにより、初見で「新手のヴィジュアル系バンドかな」と思ってしまう人もいるようだ。音楽を聴いていただければわかると思うが、決して現在のヴィジュアル系のボーカルではないし、楽曲もかけ離れたものである。しかし、伝承歌劇団がヴィジュアルかヴィジュアルではないのかは、バンドが決めることではない。お客が見て判断するのことなのだ。伝承歌劇団を見て、お客さんがヴィジュアルロックだと思えば、ヴィジュアル・ロックでしかないのだ。よく、ヴィジュアル系扱いされて怒り出すバンドさんがいるが、あれは間違いでしかない。お客さんがヴィジュアル・ロックだと判断している限り、それはヴィジュアル・ロックという肩書きから抜け出すことはできないのだ。そう考えれば、ヴィジュアル・ロックだといわれて怒り出すのは間違いであり、それは情けない姿なのだ。つまりそれは、自分たちの音楽性を正しく見れてなく、それを否定してしまっていることに他ならないのだから。どうせなら、「自分たちはヴィジュアル系だ」と開き直ったほうが格好良いと思うし、そんなにその肩書きがいやなら、音楽の方向性を変えれすむのことなのだ。

 伝承歌劇団は、現在ヴィジュアル・ロックという見方をお客にされてはいないと思う。しかし、伝承歌劇団をどのようなジャンルの音楽であると枠にはめている人も少ないのかもしれない。私は、枠にはめるのが大好きなので、自分なりの枠を決めて伝承歌劇団の音楽的な位置付けをしている。結局のところ、人それぞれが思っていればいことなので、もしヴィジュアル系バンドだと見る人が多ければ、それでいいのだ。結局、伝承歌劇団は、伝承歌劇団なのだから。だが、お客にヴィジュアル系と見られることによって、ヴィジュアル系バンドの悪いところを取り入れるようなことがあれば、伝承歌劇団は伝承歌劇団であるという個をなくしてしまい、終わりを告げるだろう。

もどる