ハープの基礎知識

ハーモニカには、僕が使っている俗称ブルースハープと呼ばれるテンホールズハーモニカをはじめ、おじいちゃんなどがよく吹いている、日本で発展した複音ハーモニカや、レバー操作で半音階を出すことができるクロマチックハーモニカなどがあります。


□ハーモニカの種類

テンホールズハーモニカは10個の穴のあいたハーモニカです。
一つの穴で、吹くと振動するリード、吸うと振動するリード各1枚がリードプレートに取り付けられていて、例えば4番穴を吹き吸いすると、ド、レと鳴ります。
4つの穴で1オクターブ、10穴で3オクターブの音域です。
1枚のリード(シングルリード)ですから、息の吹きかけかたでさまざまな音の表情をつくることができます。また、ハーモニカを包んだ手の動かし方でも音の表情を変えることができます。
ゆずや19、山崎まさよし、長渕剛などが使っているハーモニカがこれです。

クロマチックハーモニカは、テンホールズ同様、1枚のリードを振動させて音を出しますが、レバー操作によって、他のハーモニカでは不可能な半音階の音が出せます。
1つの穴に、吹き吸い2枚、そしてレバー操作し、スライドによって穴の位置をずらした時に振動する吹き吸い2枚、計4枚のリードが組み込まれていて、複雑な構造です。それゆえデリケートな面もあります。
ピアノのようにこれ1本で、あらゆる曲をこなせます。ハ調、ト調、ヘ調などあらゆる調子に対応して、ドレミファが吹けるようにスケール練習をする必要があります。
音色はテンホールズよりストレートな音だと思います。
クラシックやジャズ畑のプレイヤーが好んで使用します。

複音ハーモニカは上下2段に2〜3ヘルツ違いのリードが各1枚、計2枚組み込まれていて、トレモロがかかった音が出ます。
特にこの複音ハーモニカは日本で独特の発展をみました。
イメージとしては年配の方が吹くハーモニカと思われがちですが、最近ではごく若い人たちも複音ハーモニカの音色に魅せられて、最初から複音ハーモニカを手にする人がいます。
ドレミファはテンホールズやクロマチックと違って1穴1音、音域は他のハーモニカ同様3オクターブが主流です。

他にもバスハーモニカや、コードハーモニカなど色々なハーモニカが存在します。


□テンホールズハーモニカ(ブルースハープ)

テンホールズは、片手にスッポリ入る、とても小さな楽器で、現在日本はもちろん世界でも一番普及しているタイプだと思われます。愛用者が多い理由に、単価が安いというのがあります。(通常3000円前後)プロもアマも同じものを使っています。
「10穴ハーモニカ」とも呼ばれるテンホールズは、その名の通りたった10個の穴しかありません。1つの穴につき吹・吸の2通り音が出せますので、計20の音で不完全ながらも3オクターブが出せます。
また特徴として、音を鳴らすための「リード」までの距離が口から大変近い位置にありプレイヤーの息づかいがとても音色に影響されやすい楽器です。しかし、ここが、ブルースハープの面白いところであり、難しいところなのです。
プロの演奏を注意深く聴いてみると、個人個人打ち出すものに差はあると思いますが、感情や思想がものすごく音色に表れています。メロディーラインももちろん大切です。しかしワンノートの深みを知るのも一つの醍醐味ではないでしょうか。


□構造と名称

テンホールズは、大きく分けて「カバープレート」「リードプレート」「ボディ」の3か所に分類されます。【図1】

  

              【図1】基本的なハープの各部名称

「カバープレート」は大体が金属でできていて、音の響きや口当たり等に影響してきます。
本体を覆うように上下に2枚あります。

「リードプレート」は音の鳴る部分で、吹音・吸音の2枚あります。
真鍮などの金属でできていて、ここが老朽化してくると音階が下がったり、鳴らなくなったりします。また、デリケートな部分なので、リード部分を折り曲げたりしないよう、取扱には注意してください。

「ボディ」の材質は大きく分けて「木製」「樹脂(プラスティック)製」「アルミ製」3種類あります。
「木製」はやや枯れた感じの音色で、ブルースなどでよく好まれて使われています。
湿気による木の伸縮があり気密性や口当たりに影響してきますので、他のボディに比べやや管理が大変です。
「樹脂製」は木製に比べ吹き易いものが多く、また、湿気による変化もありませんので、一番多く普及していると思われます。
「アルミ製」は、木製・樹脂製に比べ、やや硬質の澄んだ音色が特徴ですが、他に比べ高価で、初心者には取っつきにくい面もあります。


□メーカーとモデル

国内で入手しやすいハープ(テンホールズ)のメーカーとモデルを紹介します。
以下のメーカー名をクリックすると各ラインナップがご覧になれます。
一言二言私が所見を書いているのですが、個人個人好みや感じ方が異なるので、あくまで参考までにしてください。

HOHNER

TOMBO

SUZUKI