初めて人材育成の仕事を担当する人へ
企業で実際に人材育成に携わったことのある方の著書ということで、
「人材開発」というものに、どのような問題意識を持ち、どのような
アプローチをすべきか、をわかりやすく解説してくれています。そう
いう意味で初めてこの仕事につくものは、本書からの学びをしっかり
と実践すべきと思います。
企業の人材育成担当と言えば、ともすれば、単純に研修業者に企画・
運営ごと丸投げして、「研修」そのものをすることが自分の仕事で
あると勘違いしている者が大勢おり、またそれをわかっていて「ビジ
ネス」として研修を実施する研修業者もごろごろいる訳ですが、そう
いう方々にとって、本書のような視点は身につまされるのではない
かと思います。
全体の1/3が第1部基本編として解説、残りの2/3は第2部応用編の
ストーリーですが、最初の1/3だけで十分学びを得られるでしょう。
「まじめな雑談」がキーワード
ストーリーは人材開発というよりも「ザ・ゴール」の日本版のよう。会社が変わる過程で人材がどう成長するかを描いているが、描写内容は業務改革の説明部分が多い。終盤目立つ「私が来てからこうこう変わった」という自画自賛的記述がフィクションらしくなくやや惜しい。
そんな中「まじめな雑談」が一つのキーワードになっている。人を育て動かすには、まじめな話を雑談のように気楽に繰り返す。そんなシーンが随所に出てくる。全体的には人と組織が変わるメカニズムとプロセスが緻密に表現されており、イメージしやすいだろう。
相手ありき
思考がロジカルに整理されています。・人生の中のキャリア ・エンプロイアビリティを高めるための研修や啓発 ・人事のプロセス ・改革の3ステップ ・プロセスデザインとキャリアカウンセリング ソフトな面の改善なしに、企業体力は改善しないという 強いメッセージがリアリティをもって伝わります。 ・組織的に行う研修にしても、インフォーマルな研修にしても さらには採用面接にしても、相手のキャリア支援という観点 を大切にすすめる。その積み重ねが企業改革に繋がるという 良循環を感じました。 ここに通じるのは研修をする側、採用をする側の視点のみならず その相手を思う柔らかな心です。
ドキっとしり、参考になったり
前半は、人材開発とは、どのようなものか、何に注意して、どう進めるか、筆者の経験を元に解説。この部分は、特に目新しいこともなかったです。 後半は、架空の赤字工場を舞台に、人材を開発(変えていく)ことで、工場を立て直すケーススタディーです。人材開発担当の主人公の活動を描いてます。面談から始めて、人の考え方、仕事ぶりを変えていく様子です。 後半が、良かったです。 架空の話だけあって、上手く行き過ぎ!という面もありましたが、ま、それはそれで、単純に楽しめました。 情けない社員の面談の様子は、他人事とは思えず、おもわすドッキ!です。トホホ。 「このようなことを考えて仕事をするべきなのか」と、仕事の基本について、教えられることも多々。(少し)仕事へ、取り組む!元気もくれました。また、コーチングって、こんなものなのか、と思える点も、いくつかあり、参考になりました。
人材開発的な視点
著者自身が書いているように,「人材開発の仕事」について書かれた本というのは,そう多くないはずだ。その意味では,この本は「人材開発の仕事って何?」を知る,有意義な職業情報提供本,とも言える。 二部構成になっており,前半は「人材開発」とは何なのかについて,平易かつ具体的にまとめられている。後半は物語仕立ての「工場再建劇」で,著者の実際の経験をもとに,人材開発担当者がどのように「会社を変える」ことができるのかがわかる。 非常に読みやすく,また,OJTの定義の件など,人材開発畑以外の人間にとっては目から鱗の情報も多かった。人材開発を生業とする人だけでなく,管理職や職場のキーパーソンにぜひお薦めしたい一冊。
光文社
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